高畑充希

 高畑充希が11日、東京・渋谷PARCOの「PARCO MUSEUM TOKYO」で初となるフォトエッセイ集『穴があったら入ります』発売記念イベントをおこなった。12日から28日まで同会場で展覧会『Mitsuki Takahata「穴があったので、入ります」』を開催する。高畑は「自分のことに少し詳しくなった気がします」と初の執筆活動を経た意識の変化について明かした。

 展覧会『Mitsuki Takahata「穴があったので、入ります」』は、『穴があったら入ります』発売を記念しておこなわれるもの。フォトエッセイ集の未収録カットを中心に構成し、『穴があったら入ります』の装丁を手掛ける吉田ユ二氏の制作した写真作品も初披露される。

 私服で訪れた、北海道・釧路から根室までの素顔を垣間見せる旅ドキュメンタリー(五十嵐氏撮影)、プライベートでも訪れる古着屋で撮影をおこなったファッションシューティングの様子を撮影した写真に加えて初公開映像も展示。

 高畑はイベント開催に先駆け、報道陣の囲み取材にも応じた。初のフォトエッセイで自身の文章が読まれるという経験について「つたない私の文章が人に読んでもらえる日になってしまったという恥ずかしさもありますが、写真や装丁などいろんな人が助けてくれて一冊になったのでそれはとても嬉しいです。いろんな方に気軽に楽しんでもらえたら」と期待と不安が入り混じった気持ちを吐露。

 コロナ禍となる二年弱前に依頼があったという。「書けないと思ったけど、やったことないことをやってみようという気持ちと、自粛期間に入っておうちにいる時間が増えて締切に追われて、サボったりもしながらなんとか本になりました」と振り返る。

 また「本当に大変でした。軽い話を書くだけでこんなに大変なんだと。これから作家さんやエッセイストさんの文字を一文字一文字だいじに読まなきゃなと、改めて尊敬しました。書き出すといいんですけど、書くまでがズボラで。自分の怠け心との闘いでした」と初の執筆活動について話す。

 今作について「いろんなことに『ケっ!』とか思ったよ、ということも書いてます。写真は三要素で撮っていて。北海道に弾丸で、私服すっぴんで旅行にいったときのものと、普段は古着が好きで行きつけの古着屋さんに行って洋服選びながらフォトセッションしたものと、友人でもある装丁を手掛けてくれた吉田ユ二さんとコラボして“お花”をテーマにアートっぽく撮った写真とあって。どれも違ったテイストで楽しんで頂けるかなと」そのポイントを説明。

 また「今までは外に意識が向いていて。いろんな人に会いたいとか、いろんな所に行きたいとか。でもコロナになって、内に向かうようになったというか。自分ってこんな人だったんだ、こんなこと考えてたんだとか一年半でこんなに変わって。自分のことに少し詳しくなった気がします。自分のダサいところや、恥ずかしい部分を知って恥ずかしくなりました。そういう部分も穏やかに受け入れてもらえたら嬉しい」とその心境の変化にも言及。

 タイトル『穴があったら入ります』について、「エッセイでも羞恥心について書いたりしてるんですけど、私自身は顔に出なくて損をするよと。本になると知った時に、穴があったら入ったらいいじゃん。どうせ誰も読まないよ、という気持ちに達して。その時に提案したら採用されました。いま穴あったら入りたいです(笑)。こんなに集まってもらえるとは思ってなくて。変なこと言ったらそれが記事になると思うと恥ずかしくて。読んでもらいたいという思いと、読んでほしくないという思いと複雑です」という。

 初めてこの日に本を手に取ったという高畑。「共演者に触れられたら流します(笑)。話題を逸らして気づかないようにしたい。読んで幻滅される可能性もあるので。全然適当に話していい人なんだと思ってもらえたら、いいかもしれない」と本音も。

 そして「こういう機会だから書けたと思う。もともと文章は好きでしたけど、もっと文章が上手く書けたらと思いました。今は演じることで精一杯なので、書くことに関しては流れに任せたい」と今後の執筆活動については留保。

 展覧会の見どころについて「穴を模したものや、『ねむろ』の看板も再現した展示とかあるので楽しめると思います」と紹介。

 最後に「普段感じていることや、率直な気持ち、穴が入ったら入りたいと思うような恥ずかしいことも書きました。写真もバラエティーに富んでいると思います。読んで頂けたら嬉しいです」と今作をアピールした。【取材・撮影=松尾模糊】

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