『ロミオとジュリオット』をモチーフにしたミュージカルを、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化する『ウエスト・サイド・ストーリー』が2月11日に公開される。先日発表された第79回ゴールデングローブ賞では、作品賞を含む主要部門で3冠を獲得するなど、アカデミー賞最有力候補として注目されている。

 『E.T.』や「ジュラシック・パーク」シリーズなど不朽の名作を手掛けてきたスピルバーグ監督にとって本作が初のミュージカル映画。“禁断の恋”に落ちる主演2人に抜擢したのは、3万人のオーディションから選ばれたレイチェル・ゼグラーと、『ベイビー・ドライバー』でゴールデングローブ賞にノミネートされたアンセル・エルゴートだ。

 マリアを演じるレイチェル・ゼグラーは、今後『Shazam! Fury of the Gods』(原題)、ディズニー実写版『白雪姫』などの話題作に出演予定の若手俳優。そして、禁断の恋の相手トニーを演じるアンセル・エルゴートは、デビュー作の『キャリー』(13)、『きっと、星のせいじゃない』(14)などの話題作に出演し、山下智久、伊藤英明、渡辺謙ら豪華俳優陣が出演するドラマシリーズ「TOKYO VICE」でも主演を務めるなど今波に乗っている人気俳優だ。

 そして、60年以上も語り継がれている名作『WSS』の中で最も有名といっても過言ではないのが、名曲「Tonight(トゥナイト)」が響き渡る“バルコニーのシーン”だ。レイチェルは「お互いを誘うあのシーンは最高に楽しい時間だった」、アンセルは「あの2人の行いに間違いなんて1つもないよ」とその印象を明かしている。

 ダンスホールで一目ぼれしたあとに、偶然出会う“バルコニーの描写”。2人は撮影をこう振り返っている。

 レイチェルは「あのバルコニーのシーンでは、私たちは現場でただふざけているみたいだったわ。でもそれが楽しくて、最高の時間だったの。だからこそ、お互いに相手を誘うシーンがとても真剣な愛の告白になった。そこを軽く扱うことのないように気を付けたわ」と伝説のシーンに気負いすることなく撮影に臨み、その結果自然な告白のシーンを撮ることができたと明かした。

 一方でアンセルは「「Tonight」はトニーとマリアがダンスホールで出会った直後に登場するんだ。とても慌ただしくて、バルコニーでたまたま再開するシーンは、まるで幼い恋をしている2人の子供みたいだよ。彼らのやっていることで間違っていることなんて何もないんだ。最高のシーンだったよ」と、2人がまるで子供のように純粋な恋をしていると表現し、ブロードウェイ・ミュージカルの舞台から始まり何十年も語り継がれている名シーンに出演できたと喜びを露にした。

 また、このシーンではレイチェルとアンセルの圧巻の歌唱力で劇中に響き渡る「Tonight」が印象的だが、レイチェルは「私たちはお互いに助け合ったわ。私は歌について、アンセルは映画制作について教え合ったの。彼の歌声には驚くと思うわ」と、互いに得手不得手を理解し、足りないところを補いながら撮影したことを明かした。

 本作は、1950年代のニューヨークを舞台に“決して愛し合ってはいけない男女の切ないラブストーリー”が描かれたミュージカル・エンターテインメント大作。ある日の夜、ダンスホールで運命的な出会いを果たしたトニーとマリアは目が合った瞬間に惹かれ合うも互いの立場争いが激しく、交際が認められることはなかった。“禁断の恋”と知りながらも互いの愛を確認し、信じた道を突き進む”人だが、果たしてトニーとマリアが辿る結末とは――?

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