吉本坂46、冬眠前ラストインタビュー それぞれの夢を語る
INTERVIEW

吉本坂46

冬眠前ラストインタビュー それぞれの夢を語る


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:22年02月02日

読了時間:約10分

 2月5日のライブをもって冬眠する吉本坂46が2月2日、ベストアルバム『That’s Life~それも人生じゃん~』をリリース。結成からの集大成ともいえるアルバムが完成。新曲として62人全員が参加した「笑ってサヨナラ」や2期性のみが参加した「永遠のゴールドラッシュ」、河本準一とエハラマサヒロによる弾き語りユニット「MJ」の「誰を殴ればいい」も収録し、全17曲、聴き応えのある1枚に仕上がっている。インタビューでは、はんにゃ金田哲、レインボー池田直人、俳優歌手として活動する榊原徹士、かまいたちマネージャーの樺沢まどかの4人に吉本坂46の活動を振り返ってもらい、それぞれの夢について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

吉本坂46は新撰組

――2月5日のライブを持って冬眠されますが、その言葉を聞いた時どう感じましたか。

池田直人 永眠じゃなくて良かったなと思いました。

金田哲 冬眠でホッとしましたから。

樺澤まどか 2期生は入ったばかりで、正直もう少し頑張りたかったというのはあるのですが、冬眠といっても活動は出来るので。

金田哲 でも、勝手に起きちゃっても大丈夫だからね。特に樺澤ちゃんの眠りは浅いと思うよ。

金田哲

榊原徹士 早く冬眠から覚めることを祈りつつ、というのもあるんですけど、皆さん他の活動もしているので、冬眠中にそれを吉本坂46に還元出来ることもあると思います。そういう意味もある冬眠なのかなと思いました。

――ここまでの活動を振り返るとどんな期間でした?

池田直人 自分の違う一面を見せることが出来たんじゃないかなと思います。いままでは芸人だけだったんですけど、キラキラした場所だったり、HideboHさんからタップダンスを教えていただいたり、自分がダンスなんか出来るわけがないと思っていましたけど、皆さんから教わって少しずつできるようになってきて、色んな方から色んなものを得ました。あとMV撮影は吉本坂46が初めてだったので印象的でした。

――特に印象的だったMV撮影は?

池田直人 「君の唇を離さない」です。こんなにも時間を掛けて撮影しているんだということがわかって、他のアーティストの方のMVを観る視点が変わりました。

――樺澤さんは大きく変化したと思いますが、ここまでの活動はいかがですか。

樺澤まどか 大きく変わり過ぎました。自分でもよくわからないままやっていたんですけど、表に出てみてタレントさんの気持ちがわかるようになってきました。皆さん、こういう時ってこういう事して欲しいんだなとか。これを経験したからこそ、かまいたちの2人とグチの言い合いみたいなことが出来るようになったり。

――ソロのアイドル活動も行っていますが、それは吉本坂46がきっかけとなって。

樺澤まどか そうです。ファンの方がついて下さるようになったので、もっと頑張りたいなと思うようになりました。

――野望みたいなのも生まれたり?

樺澤まどか 野望は日本武道館です。出来るならどんどんライブのキャパを大きくしていきたくて。あとはなんばグランド花月にも立ってみたいです。

金田哲 吉本、最高のステージね。

――榊原さんは、この3年間での変化は?

榊原徹士 吉本坂46はありのままの自分でいられるグループなんです。基本、アイドルでいる時は皆んなの理想の自分でいなければいけない、というのがありました。握手会ひとつとっても、どういう自分でいるのがベストなのか考えていて。でも、吉本坂46はそのままの自分でいいんだと思えて。

榊原徹士

――どんな瞬間にそう思えたんですか。

榊原徹士 めちゃくちゃ二日酔いした状態で皆さんにあった時とか(笑)。

金田哲 徹っちゃんはお酒からパチンコまで好きで、誰よりも芸人なんですよ。気持ちの良い男でした。

池田直人 沖縄に行った時もパチンコしてたからなあ。

――他とは違うアイドルグループで(笑)。とはいえ“坂道系”として乃木坂46など先輩がいらっしゃいますが、そこへのプレッシャーは?

金田哲 それを感じているのは僕だけじゃないですかね。このオーディションに受かってから皆さんの後輩になって、清純な坂道を汚してはいけないと、この3年間恋愛も禁止してきましたから。トイレに行く時もお花摘みに行きますとか、お尻からマシュマロが出ますとか。ライブも今まではお兄さんとしての立場で観に行ってましたけど、吉本坂46に合格してからは、勉強しに観にいくというスタンスでした。

池田直人 観にいきたくて観に行ってるだけですよ。あと、嘘ばっかりで(笑)。

――ちなみに乃木坂46などのライブを観て学んだことは?

金田哲 表情の管理、ステージを捌けるまでの佇まい、衣装やメイクもそうですね。次のライブでその集大成を見せられたらと思っています! その中で吉本坂46とはなんなんだろうとか僕はよく考えます。そこで出た答えが僕らはある種、新撰組なんです。

――どういうことですか?

金田哲 新撰組は武士だけではなく色んなジャンルの人種が集まった烏合の衆ではありますけど、ここまでやってくれるのか! という感じがあるので、それが重なって。

池田直人 また新しい例えが出てきた(笑)。

――(笑)。では、この3年間で変化したことは?

金田哲 変化したことはSNSを始めたことだと思います。芸人として17年間やってきてSNSはやっていなかったんです。僕には必要ないと思っていたんですけど、握手会とかやっているとみんなその光景をアップするんですよね。それで、おばたのお兄さんに教えてもらって始めて。あとは、吉本坂46としてテレビなどに出演させてもらえているのも嬉しくて、芸人ではなく吉本坂46として出ているんだ! という自負が出来ました。

樺澤まどかのライバルはロッシー

――『吉本坂46 2nd&3rd Anniversary Live〜冬眠〜』はどのような気持ちで臨みますか。

池田直人 もう、ここまでやってきたものを出すしかない、吉本坂46に入った時よりも成長したパフォーマンスを見せるだけです。中学生で言ったら中1が中3になって受験を迎える感じなので、受験のつもりで臨みたいですね。あれ、なんか変だな(笑)。

金田哲 もうその受験みたいなものに合格してここにいるからね。

――(笑)。樺澤さんはライブはいかがですか。

樺澤まどか 1期生と2期生全員が同じステージに立つのは初めてのことなので、はりきってがんばりたいです。ファンの皆さんにはもっと続けて欲しいと思っていただけるようなパフォーマンスができたらと思っています。

樺沢まどか

――ところで、アルバムには「永遠のゴールドラッシュ」という2期生のみで歌唱した曲も収録されていますが、レコーディングはいかがでした?

樺澤まどか 2期生のみということもあって盛り上がりました! 本当に良い曲だったのでみんなすごくテンションが高まっていて。

――気に入っている歌詞やフレーズとかありますか。

樺澤まどか <温かいベッドの中でこのまま歳を取りそうで居ても立っても居られず 部屋を飛び出した>です。私は今27歳で社会人としても、女性としても大事な時期だと思っていて。アラサーなのでこのまま歳を重ねていっても大丈夫なのかなと焦りも感じていたので、この歌詞が刺さりました。やれることは全部やっておかなければという気持ちなんです。寝ることは大好きなんですけど、頑張らないといけないなって。

――ファンの方にもこの曲から何か感じてもらえたら嬉しいですね。

樺澤まどか 2期生はギラギラしたメンバーが多いのでそれもこの曲から感じ取ってもらえたら嬉しいです。

――2期生の中でライバルはいますか?

樺澤まどか 仲間意識がすごく強いのであまりないんですけど、強いてあげるならロッシーさんです。ロッシーさんには負けたくないかも。

金田哲 行動が読めないところとか、樺澤ちゃんとロッシーさんは通じるところあるかも。派閥で言ったら僕らがどっちに付いたらいいのかわからないですね。

――皆さんもライバルはいらっしゃるんですか?

池田直人 元相方でもあるおばたのお兄さんですかね。何があっても負けられないという気持ちはあります。過去にある番組で相撲大会があって、その時も怪我をしてもいいから負けたくなかった(笑)。

――そういう方がいると活動に張りが生まれますよね。

榊原徹士 ライバルはエハラ(マサヒロ)さんかな?

金田哲 エハラさんは何でもできるからね。

榊原徹士 いつも僕が思っているのはなぜそんなになんでもすぐ出来てしまうのかと。とにかく集中している時間がめちゃくちゃ長いんです。普通の人でも1週間は頑張ることは出来ると思うんですけど、エハラさんは1年でも頑張れてしまうんです。その持続力は人とは違いすぎるなって。

金田哲 本当に色んなことをやっていて、辿っていくと最終的にエハラさんにたどり着くみたいな感じもあります。もしかしたら吉本坂46を冬眠させたのもエハラさんなんじゃないか、という(笑)。

榊原徹士 エハラさん、何人かいるんじゃないか説もありますから(笑)。

――そのくらいの凄さがあって。そういえば、金田さんはライブの次の日がお誕生日なんですよね!

金田哲 ライブの日が35歳最後の日なんです。おそらくお客さんはこのライブのパフォーマンスを見て大泣きするんじゃないかなと思っていて。いい感じで締めくくることができたらなと思っているんですけど、最後の曲は「バーボンソーダ」だっけ?

池田直人 その終わり方は嫌ですね(笑)。 

それぞれの夢とは

――その要素も感じさせてくれたのが、新曲「笑ってサヨナラ」ですが、これは今在籍されている62名全員が参加した楽曲になっています。レコーディングはどんな風にされていたのでしょうか。

金田哲 こんなに大きなレコーディングスタジオがあるのか、というくらいすごいスタジオで録りました。今までは割とコンパクトなスタジオだったので、ビックリしました。

――そこに何人か集まって?

金田哲 いえ、それがそんな大きなスタジオで1人ずつ録ったんです。これは冬眠前の餞(はなむけ)みたいな感じだと思いました。あと、スタジオには飴もいっぱいあって。

一同 (笑)。

池田直人 あと、けっこう地下にあるスタジオなんですけど、途中で硫黄の匂いがしたので、たぶん温泉が近いです。

金田哲 そして、トイレの水圧が異常に強くて、流されるかもしれないと思いましたから。

樺澤まどか 私は歌っている時に、宙に浮いているような感覚がありました。すごい地下にあるから重力がおかしかったんじゃないかなと思います。

榊原徹士 真面目なことを言うと湿度も良い感じだったから、すごく歌いやすかったです。

――どんなスタジオなのかよくわからなくなってきました(笑)。「笑ってサヨナラ」の歌詞に<夢を叶えてやる>とありますが、いま皆さんが叶えたい夢は?

池田直人 吉本坂46の夢、目標は個々が強くなって62人一人も欠けることなく戻ってくることです。そして、いつか自分たちの劇場を持てるくらいにしたいです。個人としては…『キングオブコント』で優勝することです。

池田直人

――今どのくらい自信がありますか。

池田直人 今は20%くらいです...。

金田哲 そこは100%って言ってよ!

池田直人 いやいや、やっぱり出演の順番とかもあるので、今はそれくらいですけど、ガツンとかましたいです。

――応援しています! 樺澤さんの夢や目標は?

樺澤まどか 2期生は若手の芸人さんが多いので、冬眠中もみんなが頑張って、活躍して東京で番組とか持てるようになったら、私がマネージャーを出来たらいいなという夢があります。

金田哲 素敵な夢だね。

――ライバルのロッシーさんは?

樺澤まどか ロッシーさんは私を娘のような目線で見守ってくれているので、いつか私が大きな会場で歌うことが出来た時に観に来てもらいたいです!

――榊原さんの夢や目標は?

榊原徹士 アイドルというのは歌とダンスが重要じゃないですか。自分にとってどっちが武器か、それを冬眠中にしっかり考えて、冬眠が明けた時ににそれをちゃんと発揮したいです。それぞれが歌とダンス、得意分野が違うと思うので、それをしっかり分けたほうがよりすごいパフォーマンスが出来ると感じています。そして、個人の夢としては役者をやっているので、Netflixとかのドラマに出演できたら嬉しいですね。

――では最後に金田さんの夢は?

金田哲 世界最強になることですかね。ちなみに世界最強の生き物はなんだと思いますか?

――う〜ん、クマムシでしょうか。

金田哲 そうなんです。だから僕はクマムシになります。クマムシはどんな環境でも生きられるじゃないですか。なので、僕はどんな環境でもやれる人間を目指したい。芸人、アイドル、アクターとしてもなんでもできる世界最強です。今はエハラさんがその位置にいると思うので、僕がそこに行きたい。結局全てはエハラさんなんです(笑)。

(おわり)

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村上順一
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