INTERVIEW

柳俊太郎

知らなかった感情に出会えて新鮮。実写ドラマ『ギヴン』は挑戦だった


記者:木村武雄

写真:フジテレビ

掲載:21年12月06日

読了時間:約4分

 柳俊太郎が、実写ドラマ『ギヴン』で原作人気キャラクターの中山春樹役を演じる。キヅナツキ氏による同名BL漫画が原作。ロックバンドのメンバーたちを中心とする青春群像劇を描く。今年7月にFODで実写ドラマ化され、11月23日からはフジテレビで地上波放送がスタート、6日には第3話が放送される。柳はどのような思いで役に臨んだのか。※柳俊太郎の「柳」は、正しくは木へんに夘。

柳俊太郎が演じる中山春樹(フジテレビ)

 「まずは春樹の人間性を理解し、そこから秋彦への思いやそこでの葛藤で揺さぶられていく繊細な姿を大切にアプローチしました」。柳が演じる中山春樹は、大学院生でバントメンバーのなかでは最年長の役どころ。「春樹は人懐っこいところや不器用で少しガサツなところがあります」とその人柄を分析する。

 ただ、春樹は感情を大きく表に出すようなタイプではない。「今回の役は感情を隠しながらの芝居が多かったので、そこの微妙な押し引きは監督と共演者と現場で話し合いながら作っていきました」と振り返る。

 そんな春樹にも感情がほのかに表れるシーンがある。例えば井之脇海演じる梶秋彦とのシーンだ。声のトーンや目線に周囲と異なる変化がみえる。「春樹は秋彦のことを気になっていて、自然と好きな人に対しての好かれたいという感情が目線や声を通して表れていたと思います。僕自身が思っていた以上に芝居の中でそれが出ていたと感じました」

柳俊太郎が演じる中山春樹(フジテレビ)

 春樹を取り巻くバンドメンバーには、秋彦、そして、上ノ山立夏(演・鈴木仁)、佐藤真冬(演・さなり)、鹿島柊(演・奥野壮)がいる。なかでも秋彦は春樹にとって特別な存在だ。その秋彦を演じる井之脇との距離はどう意識したのか。「何か特別な事をした訳ではないですが、一緒に芝居することがほとんどでしたのでその中で自然に距離は縮まっていきました。最後の方はプライベートの事を待ち時間の時は話していました」

 春樹の担当楽器はベース。ドラムとともにリズムを担う屋台骨だ。「なかなかハードルの高い曲でしたので、演奏できるかの不安はありました。でもバンドでライブをする憧れもあったので、みんなで練習していて良い青春を過ごすことができました」

フジテレビ

柳俊太郎

 そんな柳が普段演じる上で大切にしていることは何か。「原作あるものとないもの、また漫画原作なのかでも準備の仕方は変わってくるのですがどの役柄も台本以外の外側にある小さな感情を探すようにしています。台本で描かれている感情の波を作るにはそれまでの小さな感情が大切だと思っています」

 春樹という人物もそうした感情の積み重ねで生まれたようにも感じる。過去には多くの作品で柳ならではのキャラクターを作り上げてきた。なかでもNetflix『今際の国のアリス』では顔面にタトゥーが入ったラスボス役を、ドラマ『トーキョー製麺所』では好青年のバイトリーダー青井春翔役を好演した。

 『今際の国のアリス』では「スキンヘッドにタトゥーメイク、そしてアクションと身体を張っての表現が多かったのでとても新鮮で楽しかったです。メイク完成までに4時間程かかっていたのでそこは苦労したかもしれません(笑)」

 一方の『トーキョー製麺所』では「今まであまり自分が演じてこなかった役柄での芝居でしたので苦労というよりは戸惑いがありました。でも、いざ現場に入ってみると監督の演出が的確でしたのですぐに役に入ることができ、その後はしっかりと青井春翔を演じることができました」

 2作品とも柳にとっては大切な作品だ。「私にとって初めての発見や挑戦が多く、役者としての幅を広げるきっかけになった作品になりました」

 感情を積み重ねてキャラクターを作り上げていくのと同じように、作品を重ねて「役者・柳俊太郎」が作り上げられていく。『ギヴン』もその一片になる。「今回も新しいことへの挑戦がたくさんありました。例えば、ベースであったり、バンドメンバー内での恋愛であったりと、今まで知らなかった感情と出会えたことが新鮮で楽しかったです。メンバー内でのあの空気感は今までに体験したことがなかったものでしたので仲間って良いなと改めて思えた作品になりました」

 そして迎える第3話。「狭い世界の中で様々な繊細な感情が渦巻いていて、それを音楽を通して表現しているところがすごく魅力的な作品となってますので、そこに注目して見て頂けたら嬉しいです」

 柳が演じる春樹にも注目だ。

この記事の写真
フジテレビ
フジテレビ

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事