日本を代表する俳優・高倉健さんが10日午前3時49分、悪性リンパ腫のため都内の病院で亡くなった。83歳だった。新作映画の撮影を来春に予定していたものの体調不良で入院していた。俳優としてのイメージが強いが、歌手としてもこれまでに22枚の作品を発表している。楽曲「挽歌」でデュエットした演歌歌手の八代亜紀は、無名時代に高倉さんの前歌を務めていた時期があった。

 八代は以前出演したテレビ番組で、デビューから6年間は前座や前説の仕事しかなく落ち込んでいたところに高倉さんから「君は歌がうまいね。大変勉強になりました」と励ましの言葉をかけられ救われたと語っていた。

 また、同番組では「2年間(高倉)健さんの前歌をしていたんです。健さんは私が歌う前からステージの袖にいらしていて、歌い終えると『勉強させてもらいました』と…」とも述べていた。その八代は、高倉さんの訃報に際して所属レコード会社を通じて以下の通りにコメントを寄せた。

 ――高倉健さんとはまだ無名の八代亜紀の時代から「高倉健ショー」の前歌として全国各地をご一緒に廻らせて頂いたり、その後デュエットソングも出させて頂くなど大変にお世話になりました。

 映画「駅ーステーション」では舟唄を複数のシーンで象徴的に使って頂いており、試写会の際に健さんから「この映画は正に舟唄のための映画ですね」と言って頂いた事がとても印象に残っています。

 無名の八代亜紀にも深々とお辞儀をされたり、レコーディング現場などでは進んで場を和ませるような雰囲気を作られたり、本当に素晴らしい人格者であり、本当のスターの振る舞いを間近で勉強させて頂きました。

 もう御会い出来ないと思うと本当に淋しいです。永年に渡りお世話になり誠にありがとうございました。御冥福を心より御祈り申し上げます――。

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