SUPER☆GiRLS「幸せな時間を皆さんに」渡邉幸愛、卒業への想い
INTERVIEW

スパガ

「幸せな時間を皆さんに」渡邉幸愛、卒業への想い


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:21年04月30日

読了時間:約12分

 SUPER☆GiRLSが4月21日、昨年末に卒業発表をした、渡邉幸愛の参加するラストシングル「はじまりエール」をリリース。表題曲は渡邉幸愛が単独センターを務め、これまでの活動の軌跡と、これからの希望を歌詞に託したポップナンバー。カップリングの「Bloom」は、渡邉がSUPER☆GiRLSへ向けて書いた歌詞に、メンバーの坂林佳奈が作曲を担当したスローバラード。インタビューでは渡邉幸愛の卒業への想いから、今作の制作背景、6月に行われるライブへの意気込みなど渡邉幸愛、阿部夢梨、坂林佳奈、樋口なづなの4人に話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

メンバーにバトンをしっかり渡したい

――渡邉さんはあと3カ月ほどで卒業を迎えられますが、どんな気持ちで1日1日を過ごしていますか。(取材日は3月中旬)

渡邉幸愛 卒業発表をしたのが昨年の12月で、6月に卒業ということでまだまだ時間があるなと思っていました。やり残したことを一つずつ全うしていこうと思っていたんですけど、この3カ月がすごく早くて、卒業するんだという実感が少しずつ湧いてきています。なので、毎日をもっと大事にしたいと思いましたし、もっと楽しいと思える瞬間を皆さんと過ごせたら良いなと思います。

渡邉幸愛

――卒業はいずれ訪れるものだと思うのですが、どの辺りから意識していたのでしょうか。

渡邉幸愛 第4章が始まるタイミングで5人が卒業したんですけど、その時に私も卒業を考えていたところはありました。でも、私はもっとスパガで新しいメンバーと一緒にやりたいと思い、グループに残って卒業のことは考えなくなりました。でも、昨年のステイホーム期間にゆっくり考える時間があって、そこで「私はどうしたいんだろう?」と考えた時に卒業というものが浮かび上がってきて。スタッフさんに伝えて、何度も話し合って卒業の時期を決めて。12月に発表したのも10周年イヤーを走り抜けたいという思いからでした。今は残ったメンバーにバトンをしっかり渡したいと思っています。

――阿部さんから見た渡邉さんはどのような存在ですか。

阿部夢梨 私が加入した時から変わらないんですけど、カッコいい背中を見せてくれる先輩なんです。5年間くらい一緒に活動させて頂いて、お姉ちゃんという感じでもあります。辛い時も楽しい時も親身に話を聞いて下さったり、支えて下さったりしたので。

阿部夢梨

――印象的な出来事はありますか。

阿部夢梨 これは私の楽しみの一つなんですけど、幸愛さんの画像をトップ画像にすることです(笑)。

渡邉幸愛 それ本当に酷いんです(笑)。ライブの写真って、盛れる人と盛れない人のタイプがあると思うんですけど、割と私は盛れない方でして...。そういった写真がアルバムに入っていると、すぐにトップ画像が変わっていて。ちなみに私が夢梨を認識したのは舞台をやっていた時なんですけど、その時に梅のパイを差し入れしてくれて、「なんて良い子なんだ」と思ったのに、こういうことをする子になってしまって驚いています(笑)。

――それはなかなか嫌ですね(笑)。坂林さんはいかがですか。

坂林佳奈 幸愛は歳下なんですけど、いてくれるとすごく安心出来る存在です。年齢も近いので私が一番幸愛に近い感覚を持っていると自負しています! オーディションの時から私は勝手に幸愛と仲良くなれると思っていました。加入してからすぐにスパガの曲を覚えるための合宿期間があって、私は全然踊れなくて...。そこでちょっと距離が空いてしまった気がして。

渡邉幸愛 かなぽんは落ち着いている雰囲気を持っていてあまり周りと接しないタイプなのかな、と勝手に思っていました。なので、その中に入って行かない方がいいのかなと思っていて。

坂林佳奈 私の中ではいつ話しかけようかと考えていたり、話しかけられるのを待っていたんですけど(笑)。そこから半年ぐらいしてタイにMV撮影で行ったんです。これまで幸愛さんと呼んでいたんですけど、そこから幸愛と呼ぶようになって。その数ヶ月後の名古屋の遠征で「ずっと仲良くなれると思っていたよ」と気持ちを伝える事が出来たんです。

坂林佳奈

渡邉幸愛 今では仲良くなりすぎちゃって、プライベートでも私の友達と一緒にご飯食べに行ったりするくらい仲が良いんです。

――樋口さんはいかがですか。

樋口なづな 私は人と仲良くなるのに時間がかかるタイプなので、幸愛さんとしっかりお話が出来る様になったのも加入してから1年ぐらい経ってからだと思うんです。印象的な思い出は私と幸愛さんの2人でお仕事があった時のことです。次のお仕事まで時間が空いた事があって、その時に幸愛さんが食事に誘って下さってパスタを食べたんですけど、その時すごくスマートにごちそうしていただいて。

樋口なづな

――スマートというのがポイントですね。

樋口なづな 私も出そうと思ったんですけど、「何で出すの?」とサッと店員さんにお支払いして颯爽とお店から出て行かれたのがすごくカッコよくて。私もいつかやります!

――やはり先輩としてそこは払わないといけないみたいな。

渡邉幸愛 先輩だからというわけではなく、自分が親しくしたいと思った人に、何かを与えたいと思ってしまうんです。例えばその人に合いそうだなと思ったらプレゼントしたくなってしまう性格で。

阿部夢梨 まゆちゃん(井上真由子)にもいきなりお菓子のデザインのコップあげていたよね。

渡邉幸愛 そうそう。沖縄に行った時にカルビーのお店があって、そのコップがすごく可愛くて、まゆちゃんはじゃがりこ好きなのでプレゼントしたくなってしまったんです。

阿部夢梨 まゆちゃん、何でもない日にプレゼントされて驚いていたよね(笑)。

幸愛の背中を押したい

――「はじまりエール」は渡邉さんから作詞を担当されたLitzさんに歌詞のイメージをリクエストされたとのことですが、どのようなリクエストを?

渡邉幸愛 私が加入した時のシングル「花道!!ア~ンビシャス」を書いていただいた作詞家さんで今作もLitzさんへお願いできることになりました。Litzさんから歌詞に入れたいワードを私に聞いて頂けて。それで卒業を決めて思ったこと、どう感じているのかを文章にして送らせていただきました。歌詞の冒頭の<夢を追いかけ ココまで来たの。飛び込んだ世界は眩しくて>や落ちサビの<はじまりから今日まで すべてが宝石なの>は、夢を追いかけて飛び込んだ世界がキラキラしていて毎日が輝いていた、宝物でした。という文章を歌詞にしていただいて、自分が想像していた何十倍も素敵な曲になりました。

――皆さんは「はじまりエール」を聞いてどのような印象がありましたか。

阿部夢梨 卒業ソングとなるとバラード調の涙を誘うような歌詞になるのかなと想像していたんですけど、「はじまりエール」は笑顔になるような明るい楽曲だったので、幸愛さんらしい曲だなと思いました。

坂林佳奈 幸愛はスパガの中でも「ごめんね。のとなりで」のような曲調が特に好きなんですけど、その幸愛がバラードではなく元気な曲をチョイスしたところでリーダーとしての優しさが表れていると思いました。歌詞から4章のメンバーの背中を押したい、というのもすごく伝わってきましたし、逆に卒業していく幸愛の背中を私たちも押したいと思いました。歌詞にある<すべてが宝石なの>は本当に彼女に当てはまっている歌詞だなと思いましたし、それは私たちもそうで、毎日が宝石みたいな大切な日々なので、心に響きました。

樋口なづな 私たちの背中も押してくれますし、ファンの皆さんの背中も押してくれる曲だと思いました。明るい言葉が沢山入っていて、幸愛さんの未来を応援したいなと思いました。卒業は寂しいですが、タイトルからも感じられるように始まりを応援する、エールを送れる存在になりたいと思いました。

――「はじまりエール」のMVもグッとくるものがありますね。

渡邉幸愛 過去に着た衣装に囲まれたいと思い、「花道!!ア~ンビシャス」と「コングラCHUレーション!!!!」の衣装もシーンに組み込んでいただきました。あと、最後は未来に向かって歩いていくというシーンを入れたいという希望も叶えていただきました花束をもらうシーンは監督さんからの演出で、メンバー一人ひとりからお花をもらえるのもすごく嬉しかったですし、またメンバーのソロパートの歌詞がすごく良くて、私に沁みる部分でした。撮影中はずっと楽しかったです。最後にお花をもらった時にまたみんなとMV撮影したいなと思ってしまいました。

――今回の衣装のポイントはどこにありますか。

渡邉幸愛 私の元々のメンバーカラーがシルバーだったので、シルバーのリボンと今の担当カラーである赤もメインカラーでリクエストしました。私たちは王道を貫いてきたので、ザ・アイドルといった衣装でメンバーみんながより可愛く見える衣装にしたいなと思いました。

阿部夢梨 こういったパフスリーブの衣装を着たいね、と楽屋とかでも話していたものが、実現して幸せです!

幸せな時間を皆さんにお返ししたい

村上順一

SUPER☆GiRLS

――カップリングには坂林さんが作曲されて、渡邉さんが作詞された「Bloom」が収録されています。いつ頃から曲は作っていたんですか。

坂林佳奈 音楽の高等専修学校だったので、周りが作詞作曲をしてライブに出るというのが当たり前の環境でした。それで自分も何か曲を作りたいと思って、そこから作曲をするようになりました。昨年の4月頃にリモートでマネージャーさんと幸愛で話し合って曲を作ることになったんですけど、その展開にびっくりしました。その中でメンバーに感謝を綴った曲ってスパガにはなかったよねと、バラード調で敢えてスパガっぽくない一面を見せる曲になりました。

――先程、渡邉さんはバラードが好きというお話がありましたが、それも関係ありますか。

坂林佳奈 残念ながらそこは関係ないです(笑)。先に曲を作ってそこから幸愛に歌詞を書いてもらいました。メロディと言葉の文字数を合わせるのは難しいと思うんですけど、すごく素敵な歌詞を書いてくれて。何度も歌詞を書き直しているところを近くで見ていたので、完成した時はすごく嬉しかったです。今、コロナ禍でライブやイベントもあまりできないなかで、歌詞にある「何度でも虹を描こう」というのは、こんな状況でも明るく上を向いて行こうという想いが詰まっている歌詞で、未来へ繋がる作品になりました。この曲がファンのみんなにも届いてくれたら嬉しいです。

渡邉幸愛 作詞は初めてだったので本当に難しくて...。かなぽんからもアドバイスをもらいながら、完成させました。歌詞はメンバーへの想いを書いたんですけど、それぞれ加入した時期も違いますし、歩んできた時間も違うのですが、それぞれが共感して欲しいという想いがありました。1番ではグループに加入した時の気持ちにリンクするような歌詞にして、2番からは時間が経って、心に刺さるような歌になったら良いなと思い書かせていただきました。最初に書いた部分はほとんど残っていなくて、変わらないのはDメロのところぐらいです。いまは達成感もありますし、自分の想いが詰まった曲になりました。

――キーになった言葉はあったんですか。

渡邉幸愛 大きな会場のステージでメンバーが歌っている姿を想像して書きました。Dメロの歌詞はそうかなと思います。「まだ夢の途中」というフレーズがあるんですけど、この曲は私が卒業するから書いたというわけではなくて、スパガ10周年ということで、大事な記念日にメンバーとの思い出を作りたいというところからでした。ここからどんな事があっても、何度でも虹を描いていこうと、スパガのイメージでもある虹を入れたので、核になったところなのかなと思います。

――やはり夢は大きなステージというのが強いですか。

渡邉幸愛 いまはもっとキャパを広げて多くの人に見てもらいたいという思いがみんなあります。なので、形を変えてでももっと大きなステージに辿り着いて欲しいなと思っています。

――この歌詞を読んでみてどんな思いがありますか。

樋口なづな 私がこの曲を初めて聴いたのは幸愛さんの卒業がわかってからでした。歌という形で残る素敵なメッセージをいただけたと思っています。メンバーに向けて歌詞を書いたと聞いて、幸愛さんから歌詞をいただける立場にいてすごく幸せを感じていて、自分がスパガのメンバーで良かったなと思っています。幸愛さんが卒業されるまでにたくさんの事を吸収していきたいなと思っています。アイドルに憧れてこの世界に入って来たんですけど、辛いこともありました。でも、幸愛さんが感じていた事を私も受け継いで頑張っていきたいと、この歌詞を読んで改めて思いました。

阿部夢梨 <時に涙を抱えて>というところはすごく自分自身にリンクしました。第3章から幸愛さんと一緒に活動させていただいていて、山と谷が多かった時期だったんですけど、そんな時も一緒に乗り越えてきたので、その時のことを思い出しました。この歌詞の部分は特に響きました。

――最後に6月に行われるライブへの意気込みをお願いします。

樋口なづな 同期の愛花も卒業するので、2人とお別れになってしまうんですけど、ファンの皆さんがこれからのスパガに期待できる、付いていきたいなと思っていただけるようなステージにしたいと思っています。

坂林佳奈 まだリハーサルが始まっていないんですけど、始まる頃に2人が卒業するという事を実感してくるんだろうなと感じています。今は2人を力強く「いってらっしゃい」と背中を押してあげたい気持ちがあります。明るく送り出してあげたいです。

阿部夢梨 幸愛さんと愛花を笑顔で送り出して、「これでスパガを任せられるぞ」と思ってもらえるように成長していかないといけないと思っています。ファンの皆さんの中にも不安に思っている方がいるかもしれないんですけど、付いて行きたいと思っていただけるようなグループになれるように頑張りたいです。

渡邉幸愛 第4章が始まった時、昔のスパガが良かったとか、ネガティブなことを言われた時期もありました。でもその分、応援していただける方にも巡り合えて。その成長してきた第4章としての最後のライブになるので、そう言っていた人たちにも認めてもらえるようなステージにしたいと思っています。個人としてはこのライブで長いアイドル人生が終わります。沢山の経験をさせていただいて、すごく幸せな時間だったので、この幸せな時間を皆さんにお返しして最高の空間になれば良いなと思います。

(おわり)

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村上順一
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