(C)2020 HOKUSAI MOVIE

 葛飾北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』(5月28日公開)が台湾で今夏公開されることが決まった。更に、韓国の東アジアや中南米エリアなど約30カ国以上での劇場、配信、テレビ放送なども決定した。

 その人生に関する資料がほとんど残されていない北斎の生涯を、歴史的資料から得た事実を繋ぎ合わせて生まれたオリジナル・ストーリーで、今までほとんど語られる事のなかった青年時代の北斎も描く。

 北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」に次いで有名な絵と言われるほど世界中で知られており、3月16日にNYで実施されたオークションで約1.7億円という木版画集としては世界記録となる価格で落札されるなど、その熱は日本より海外がある。

 誰もがその「絵」は知っているが、描いた北斎の人物に関してはほとんど知られていない。故に今回、初めて、北斎の人生を描いた本作は海外からの熱いラブコールを受けていたという。

 昨年実施された第33回東京国際映画祭のクロージング上映でのワールドプレミアを受け、中国海南省で行われた第3回海南島国際映画祭や第40回ハワイ国際映画祭での上映を経て、作品の話題がどんどん広がり、現在、すでに台湾、韓国の東アジアや中南米など約30カ国以上からの熱烈オファーがあり、劇場、配信、テレビ放送などの準備が進められている。

 本作で描かれるのは、自由が制限されていた江戸という時代に自身の信念を貫き、生涯を通して絵を描き続けた北斎の生涯。先が見えない不安の中に生きる我々が学べる事も多く、まさに、コロナ禍の今だからこそ、世界が”北斎の生き様”に注目されている。

 そして今回、新たに台湾での2021年夏の公開が決定。台湾では昨年2020年に葛飾北斎の作品も扱った「江戸風華-五大浮世絵師展」(2020年1月18日~4月19日)が台北市で開催され、北斎の絵を一目見ようと10万人を超える来場者が訪れるほどの大盛況ぶり。台湾での公開決定を受けて、配給会社ifilmからコメントが到着した。

配給会社コメント

 弊社は今までたくさんの日本映画を配給させていただきました。是枝和裕監督や三谷幸喜監督の作品、また阿部寛さん主演の『テルマエロマエ』、アニメ映画に関しても新海誠監督の『君の名は。』をはじめ、細田守監督の『未来のミライ』、『バケモノの子』などを配給しました。

 今回の『HOKUSAI』に関しては、まず北斎という人と彼の作品は世界的に有名ですごく人気があります。台湾でも一番よく知られている日本人だと思います。昨年行われた台湾の北斎展覧会では、初めて彼の作品が台湾の人たちにお披露目となり、大変人気を博していました。

 「HOKUSAI」という映画はあまり知られてない北斎の生涯、また同じ江戸時代に活躍した絵師たちのことも描かれていますが、この映画を通じで台湾の人達に浮世絵だけではなく、その絵の裏にある背景をもっと深く理解してもらうことができると思います。これが私たちが配給したいと思った一番の理由です。

 また「HOKUSAI」は豪華なキャスティングで、柳楽優弥さん、田中泯さん、阿部寛さんをはじめ、台湾の観客によく知られている俳優さんたちばかりなので、とても期待しています。

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