King & Prince岩橋玄樹、ファンとともに夢を叶えステージに立ち続けた“8年”
岩橋玄樹
「約11年間応援してくれて本当にありがとうございました。新しい道に進んでも僕はティアラ(=ファンの愛称)の事が大好きです」
3月29日、King & Princeの岩橋玄樹が、3月いっぱいでグループを脱退し、ジャニーズ事務所を退所することを発表された。2018年にKing & Princeとしてデビューしたものの、わずか半年で活動休止。そのままの退所に、SNS上では、「まだまだこれからだったのに……」「もったいない」など同情の声も多く上がっている。だが、筆者はそう思わないようにしている。確かに、デビューしてからは、わずかしかステージに立つことができなかったかもしれないが、2010年、当時13歳でジャニーズ事務所に入所した彼は、活動休止までの約8年間、ステージに立ち、ファンに笑顔を届け、たくさんの夢を叶えてきたからだ。
岩橋は、ジャニーズJr.時代、アイドル誌『Myojo』の内の企画「恋人にしたいJr.」ランキングで、5連覇達成(2014〜2018年)という快挙を達成している。過去には、嵐の相葉雅紀(1999年)、KAT-TUNの亀梨和也(2003年)、Hey!Say!JUMPの山田涼介(2008年)などの人気メンバーが名を連ねてきたこの企画は、“事実上のジャニーズJr.人気投票”とも言われており、毎年熾烈な争いが繰り広げられている。そのなかで、連覇を達成するというのはかなり難しく、1995年から現在までの全26回の歴史のなか、5連覇を達成したのは岩橋が初めてで、未だにその記録は抜かされていない。彼が、ファンとともに勝ち取った快挙と言えるだろう。
また、野球好きが高じて、2017年から『月刊ジャイアンツ』で隔月連載「新星☆野球王子が行く」を担当。2018年8月15日に東京ドームで行われたプロ野球イースタン・リーグ「読売ジャイアンツVS東北楽天ゴールデンイーグルス」では始球式に登板など、「野球に関わる仕事がしたい」という夢も叶えた。
そして、2018年5月23日には、King & Princeとして、念願のCDデビュー。デビュー曲「シンデレラガール」の売り上げは、初週62.2万枚を超え、一気にスターダムへ駆け上がった。当時の岩橋は、ステージに立つたびに髪型のアレンジを変えていたり、ネイルをしていたりと、新しいアイドル像を見せていた。少女漫画に出てくるような可愛らしいルックスと、男気溢れるストイックな性格とのギャップに、人気が集まっていた。
デビュー後の活動は約半年と短かったかもしれないが、岩橋はジャニーズJr.時代から、いくつもの夢を叶えてきた。ファン想いの彼のことだから、休養に入ってから2年以上、たくさん悩み、再びステージに立てるようにと戦ってきたのだろう。戻るという選択をするのも、辞めるという選択をするのも、きっと同じように苦しいものだったに違いない。
だが、岩橋も「僕とメンバー、そしてティアラの絆は、この大きな空を通して永遠に繋がり続けると思います」とコメントしているように、長きに渡って積み重ねてきた絆は消えることはない。「Prince Princess」の歌詞にもあるように、どんなに涙を流すことがあっても、必ず立ち上がれる日が来るはずだ。ひとまずは、自分のことだけを考えて、ゆっくりと休める日が来て欲しい。そしてまたいつか、キラキラの笑顔に出会えることを願って。【菜本かな】
筆者紹介
かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink