STU48連載企画
〜こんな時代こそ、アイドルが必要だ。〜

瀧野由美子


記者:木村武雄

掲載:21年01月31日

読了時間:約11分

 STU48が2月17日に6thシングル「独り言で語るくらいなら」を発売する。穏やかな大海原を爽やかな風を帆に受け、ゆっくりと進んできた彼女たち。更なる活躍が期待される今年は日本武道館公演も実現させ、いよいよ彼女たちが先頭を切る大航海時代の幕開けを感じさせる。その最初のシングルで示すのはこれまでの雰囲気とは異なる楽曲だ。選抜メンバー16人はどのような思いで臨んだのか。本稿は16人全員インタビュー連載のラストとなる。なお2月1日22時からは「独り言で語るくらいなら」のミュージックビデオがYouTubeプレミア公開される。

日本武道館のステージに立つ瀧野由美子

◆瀧野由美子
 「自分のポジションですか?今まで考えたこともないので難しいのですが、強いて言えば、少し抜けていると言われます(笑)。グループの中ではメディアに出る機会が多い方だと思うのでSTU48をまだ知らない方に知ってもらうポジションとも思います」

 加入前はアイドルが好きだった。なかでもAKB48は憧れだ。STU48加入後はグループの顔としてセンターに立ち続けてきている。でも、もともとは人前に立つのは好きな方ではない。

 「なぜこの仕事をしているのかと言われたらそうなのですが、それまでの人生で選ばれることも少なくて、勝ち取れなかったものも多かったです。センターと言われてもなぜ自分なんだろうって」

 しかし、AKB48への選抜入りやAKB48グループでの活動を通して徐々に気持ちに変化が出てきた。「選ばれることが素直に嬉しいと思うようになり、期待に応えて頑張ろうと前向きに思えるようになりました」

 なかでもSTU48の3rdシングル「大好きな人」は自身にとって“転機”ともいえる作品だった。3作連続のセンターを務めたが、船上劇場「STU48号」が就役したこともありメンバー全員が選抜入りした。

 「センターは毎回自分じゃないと思っているけど、1期生やドラフト3期生全員選んでもらったことが嬉しくて、この立場もとてもありがたいことだなと思えるようになりました。もちろん毎回プレッシャーを感じていますが、ありがたみを感じながら楽しく臨めています。活動につれてメンバー同士の距離も縮まって、支え合う空気感が出来たことも大きいです」

 自分を「未熟」と思うこともあった。辛い思いもした。人知れず努力もした。だがそうしたことは口には出さない。「私より大変な経験をしている人はたくさんいるので自分ごときが辛いと言ってはいけないとおもっています」

 だた、“弱音”を吐ける仲間はいる。なかでも岡田奈々は特別な存在だ。

 「奈々さんも忙しい毎日で、STU48としての活動も限られているなかでも言葉で示し、そして背中で見せてくれます。奈々さんには言いますし、励みになります」

 昨年はコロナ禍で環境が様変わりした。「自分のこの活動に対しての思いがガラッと180度変わりました」。気持ちも新たにしている。

 「センターは自分でいいのか」そう自身に問うている瀧野だが、はっきりと言い続けていることがある。それはNHK紅白歌合戦への出場だ。

 「AKB48の選抜では3年連続で出演させて頂きました。立ったことがあるからこそ分かるすごいステージ。その舞台に立てたらいいなと思うのは今も変わりはありません」

 そして、個人の目標は「自分をもっと磨いて、モデルや演技のお仕事が出来たらいいなと思います」

 昨年2月29日に都内で行われた『第30回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2020 SPRING/SUMMER』で蜷川実花がプロデュースするステージに、AKB48グループ15人の一人としてランウェイを歩いた。

 「現役のモデルさんと同じステージに立つのは自分のなかでは大きなことでした。小さい頃から背が高いのが嫌でコンプレックスでした。でもモデルさんは身長がある方が多く、かっこいい。モデルさんなら嫌だった身長が高いことも長所にできるかもしれないと思いました。でも、まだまだなれないと思うので自自分自身を磨きたい」

 STU48オーディションを受けるきっかけとなった大学進学のための広島暮らし。そこでは色々とバイトをかけ持ち、ビールの売り子としてスタジアムで駆け回った経験もある。セールスもトップレベルだという。中高時代は吹奏楽部でサックスを担当、鉄道好きでも知られる。「後悔はしたくない」とも過去には語っていた。「STU48をまだ知らない人に知ってもらうポジション」とそう話した彼女はアイドルという枠だけでなく未知の可能性も求め挑戦し続ける。それが結果、STU48の認知に繋がる、そう信じて歩き続ける。

こんな時代だからこそ「アイドル」としてできることは何か。

 アイドルというのは、全ての人間に必ず必要なものでは無いと思っています。ただ、必要としてくれる人の人生を何倍も楽しくさせちゃうものだと思います。直接会えなくても、今はSNSや配信がたくさんあるので、そこでファンの方とやり取りできるのがとても楽しいです。これは、アイドルだからこそ、できるものなのではないかなぁと思います。今回の「独り言で語るくらいなら」でも、なかなか会えない方にも、私たちはげんきです!ということ、そしてまだ知らない方に、こんなグループがあるということを伝えて行きたいです。

 STU48が力を入れているSNSの1つにSHOWROOMというものがあります。1000日以上、毎日配信しているメンバーも何人もいます。私も以前の配信頻度は多くなかったのですが、このコロナ禍ではほぼ毎日配信していました。今は90日近く毎日配信していて、4年間活動してきて初めてのことです。リアルタイムでファンの人のコメントを拾って配信できるので、1番、距離の近いSNSなのかなぁと思います。このご時世で時間が出来た方もいれば、忙しくなった方も多いと思います。そんな方のちょっとした息抜きや元気、笑顔の源に、これからもなっていきたいです。

写真のエピソード

お雑煮を食べる瀧野由美子(瀧野由美子・提供写真)

 今年初めてのお母さんお手製のお雑煮を食べました!毎年おせちとお雑煮はお母さんが手作りしてくれていて、美味しかったです!

6thシングル「独り言で語るくらいなら」インタビュー

――新曲の印象と、それをどう捉え、臨みましたか。または自身と重ねた点があるとしたら?

 STU48にもAKB48グループにも中々ない曲調で、自分はサビがいきなり3拍子になる変(転)拍子なのが、とても印象的でした。この曲は人混みを避けて電車に乗って1人になるシーンがあるのですが、私は山口県出身で、大学までは田舎でのびのびと暮らしてきました。今でも東京の人混みは慣れていなくて、人混みの中でいると1人にふとなりたくなるし、実家に帰りたくなるので、「窓の向こうには_田園が広がる」、という歌詞は、なんだか自分と重なる部分が大きかったです。

――印象に残っている歌詞は?

 「独り言で語るくらいならば 黙ったまま何かしよう」とサビで言っているのですが、Dメロの最後に「独り言ではなくて 大きな声で僕は叫ぶ」とあって、ここまでに主人公の心の変化があってとても好きです。

――レコーディングの秘話、自身が担当した歌唱パートはいかがでしたか。

 レコーディングの前に、この曲はすごく難しいから沢山聴き込んできて!と言われました。変拍子で、曲の入りを掴むのが難しかったです。ブレスの位置を確認し合ったりして、レコーディングに挑みました。

――振付はどうでしたか。

 今回も辻本知彦さんに振り付けしていただいたのですが、サビのビートを自分の想像するより細かく刻んでいて、壮大なメロディーのサビで沢山ジャンプしました!STU48の頭文字のSを入れてくださったりしたので、そこにも注目してみてほしいです!

――MVの撮影はどうでしたか。

 はじめて室内のスタジオでMVを撮影したので、日が暮れることを意識しなかったのが、なんだか面白かったです。自分たちのダンスシーンが鏡合わせのように上下に写っているのをその場で見せてもらって、すごく幻想的でした!

――この楽曲に、MVに、歌詞に、これまでのSTU48にないものがあるとしたら?

 今までのMVは瀬戸内の綺麗な景色の中で、というシーンが多かったのですが、CGがあったり、照明の当て方であったり、これまでのSTU48にはなかったなぁと思います。

――今回のセンターは石田千穂さんですが、何か思うことは?

 千穂ちゃんは「センターに立ちたい」という目標を言葉にしていたので、それが叶ったのはすごいと思いました。「センターに立ちたい」ってSTU48のメンバーは口に出して言っている人が少なくて、そのなかでずっと千穂ちゃんは言っていたので。今回のシングルは千穂ちゃんなりに考えていると思うけど、千穂ちゃんらしさが出ていると思います。

――ご自身にとってこの曲はどういうものになりそうですか?

 4thシングル「無謀な夢は覚めることがない」、5thシングル「思い出せる恋をしよう」も重圧を感じていて、自分のなかでは自信があるタイプではなくて。今回も「私がセンターなんだ」という気持ちはなかったんです。いつも思っていますが選抜入りができてありがたい気持ちです。私はこういう幻想的な曲が大好きなので、家で1人で沢山聴きたいと思います!そしてどこか気をはりすぎず、肩の力をぬいて参加出来た曲なので、沢山歌っていきたいと思います!

 ◇

日本武道館のステージから手を振る瀧野由美子

 2021年1月15日、STU48初の日本武道館コンサートが行われた。憧れのステージでアンコールを含め全22曲を披露した。夢舞台に立ったのは1期生・ドラフト3期生。そして、6thシングルの選抜に入った2期研修生、原田清花、高雄さやかが一部参加した。

――日本武道館コンサートを振り返っていかがですか。

 武道館というステージに立つことができて、本当に感無量でした。私たちにとってここがゴールではないと思うのですが、一つの通過点を超えることができて、達成感があります。今回、緊急事態宣言の中だったこともあり、配信で見てくださった方も多いと思います。いつも以上に、画面の向こうで見てくれている皆さんにも思いが届くように、全力でステージに立ちました。あとは、何事もなく終わることができてほっとしています。これは、私たちだけではなく来てくださった皆様も感染予防をして協力してくださったおかげだと思います!

 ステージ上では、緊張とワクワクと不安が混ざってとっても不思議な感じでした!本番前に、岡田奈々さんに背中をバシッと叩いてもらって、気合いを入れました!やっと、皆さんの前でステージに立てる!というワクワクが、緊張よりも強かったです。それと、いつものライブとは、ステージの大きさが違ったり、イヤモニを使っての歌唱だったり、違うと感じることが多かったです!大きな会場ならではですが、客席の上の方までペンライトが見えて、とっても嬉しかったです!

 私はずっと、「武道館いくぞ〜〜〜!!」というあおりをやってみたかったんですけど、その夢が叶いました!普通の公演の練習でも、「アリーナ盛り上がってますか〜」「2階席盛り上がってますか〜」なんて勝手にやって、いつか本当にできたらいいね、なんてメンバーの間で言っていたので、実現できて感動です!

 コンサートでは、「独り言で語るくらいなら」も初披露しました。拍子が変わって三拍子になったり、STU48にはない壮大なイメージの曲で、私も聴いた時から大好きな曲なので、早くみんなに聴いてもらいたくて、やっと披露することができて嬉しかったです!ちほちゃんはずっと「センターに立ちたい」ということを言葉にだして言っていたので「独り言ではなくて 大きな声で僕は叫ぶ」という歌詞が凄くピッタリだなぁと思いました。自分の夢、目標も改めて口に出して行きたいなと思います!

 また、課外活動ユニットはここ最近無観客配信が多く、私の所属するMiKER!は、ステージでの熱量がすごいユニットなので、早く生で見て欲しいと思っていました!武道館に来ている方、配信で見ている方みんなに伝わっていたら嬉しいです!MiKER!はリハーサルも楽しくて、岡田奈々さんに「お惣菜の詰め合わせみたい!」と言われるくらいメンバーの個性の強いユニットです。このユニット6人で武道館で踊れたのは本当に嬉しいです!よくグループLINEでもしょうもない事をいいあってるかんじなので、これからもこの仲の良さで見ている方を笑顔にして行きたいです!

 改めて、日本武道館でのコンサートは、応援してくれている皆さんの存在の大きさ、そしてSTU48を愛してくださっているスタッフさんの影の努力を感じました。ステージに立った時の自分のうちわやペンライトが見えた時、「あぁ、私はこの人たちのお陰でステージに立てているんだ、そしてこの人たちの為にステージに立っているんだ」と改めて実感しました。会えない時間がちゃんと愛を育んでいたんだなぁ、と思います。武道館でコンサートを行うのは決して簡単なことでは無かったと思います。でも、スタッフさんが沢山感染対策をしてくださったり、このご時世でも開催できるように頑張ってくださって、実現出来ました。本当に、色んな人に愛されているグループだなぁ、と思います。

(おわり)

MVプレミアム配信

 いよいよ明日2月1日22時より「独り言で語るくらいなら」のミュージックビデオがYouTubeプレミア公開される。この連載でもメンバーがミュージックビデオについて語っていたが、一体どのような映像になっているのか、ぜひリアルタイムで確かめてみてほしい。

YouTubeプレミア公開リンク
https://youtube/_jPc0NTta_Q

プレゼント情報

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