大倉忠義

 関ジャニ∞の大倉忠義が主演を務めるドラマ『知ってるワイフ』(フジテレビ系)が1月7日にスタートした。本作は、「結婚生活、こんなはずじゃなかった!」と嘆く恐妻家の剣崎元春(演・大倉忠義)が、過去にタイムスリップし、妻を入れ替えようとするファンタジーラブストーリー。

 主人公の元春は、結婚5年目、2児の父親。職場では上司から叱咤され、疲れ果てて家に帰ると妻の澪(演・広瀬アリス)から怒鳴られるという肩身の狭い毎日を送っている。同僚の津山千晴(演・松下洸平)や、親友の木田尚希(演・森田甘路)に、「アイツ、変わったよ。一度スイッチが入るとモンスターになる」と妻の愚痴をこぼし、「なぜ自分だけがこんな目に…」と結婚したことを後悔する日々。

 “モンスター”と言われる妻の澪は、元春にカニを投げつけたり、買ったばかりのゲームをお風呂に浸けて壊したりと、確かにヒステリーな一面が目立つ。だが、澪をモンスターにしてしまった原因は、少なからず元春にもあるように感じる。

 家事、育児、仕事にプラスして、母・建石久恵(演・片平なぎさ)が認知症を患っていたりと、なにかとストレスフルな毎日を送っている澪。しかし、元春は、仕事を言い訳に育児は任せっきりで、ほぼワンオペ状態。「今日だけは仕事を抜けられないからお願い」と頼んだ子供達のお迎えも、連絡もなしに忘れられ、結局澪が迎えに行くハメに…認知症の母の相談をしようとしても取り合わなかったりと、元春の“ダメ夫”ぶりが目立つ。

 「アイツ、変わったよ」と愚痴をこぼす元春に、「自分にも原因があるのでは?」と声をかけたくなるが、彼も彼で不満を抱えているのだろう。夜ご飯は用意されておらず、冷凍ご飯を電子レンジで温める時には、音が鳴る直前で扉を開ける。束の間の癒しは、クローゼットに隠れてゲームをする時間。だが、そんなゲームも、「ゲームに使うお金なんてない。ゲームやる時間があるなら家のことをやれ!」と壊されてしまう。

 そんな日々のなかで再会するのが、元春の大学の後輩・江川沙也佳(演・瀧本美織)だ。大学のマドンナ的存在で癒し系美女。「どうぞ。食べきれないから」と笑顔でカツ丼を分けたり、「(結婚していると知って)少し嫉妬しちゃった。先輩を好きだったから」と微笑んだり、「その女は危ない!」と言いたくなる要素が満載だが、モンスター妻に不満を抱えている元春は、沙也佳の優しさに心が揺れ、「もしあの時、彼女と結婚していたら…」と後悔してしまう。そこで、謎の男(演・生瀬勝久)との出会いにより、タイムスリップをできるきっかけをもらうのだが…。

 今回、大倉はとことんダメな“ダメ夫”を演じている。妻の澪が、結婚当初の2人の写真を眺め、「なんでこんな風になっちゃったんだろうね」と涙を流すなかで、元春は、「俺は幸せになるぞ」と結婚相手を変えるためにタイムスリップに挑んでいたり…そんな元春に苛立ちを覚えながらも、どこか憎みきれない可愛らしさがある。タイムスリップをしたことを気付いているのに、過去に水をかけられたことを回避できず、また同じ失敗を繰り返したりと、どこかクスッと笑えるようなポンコツぶり。

 結婚5年目のリアルすぎる夫婦喧嘩でも反響を集めている本作。第3話以降も、すれ違う2人に、時にはもどかしく、時には応援したい気持ちになったりするのだろう。観ていて苦しくなるようなリアルさのなかで、大倉演じる元春のどこか憎めないポンコツぶりは、このドラマの救いになってくるのかもしれない。“モンスター妻”と称される澪が、モンスターにならなくてもいい未来。そして、元春がそんな澪とともに、幸せな結婚生活を送っている未来がやって来ますように、と願わずにはいられない。【かなぴす】

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