10月27日スタートの有村架純主演ドラマ『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)。本作は、有村演じる“肝っ玉姉ちゃん”の主人公・安達桃子と、個性豊かな登場人物が織りなすラブ&ホームコメディードラマだ。脚本を担当するのは、有村とはNHK連続テレビ小説「ひよっこ」など6作目のタッグとなる岡田惠和。有村の役者としての魅力を知り尽くしている岡田が描くストーリーに期待が募る。

 【写真】デビュー当時17歳の頃の有村架純

 有村が演じる桃子は、高校3年生の時に事故で両親を亡くし、3人の弟を養うために大学進学を断念。以来、ホームセンターで働くこと9年目の27歳。それぞれ、20歳、17歳、14歳の弟たちの幸せを大切に考える一家の大黒柱だ。桃子の弟で、4姉弟の長男を演じるのが、King & Princeの高橋海人(高ははしごだか)。次男・優輝を日向亘、三男の朝輝を南出凌嘉が演じる。

 『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)や、『心がポキッとね』(フジテレビ系)など数々の人間ドラマを世に送り出してきた岡田脚本だけに、安達家で繰り広げられる人間劇はこのドラマのポイントとなってくるだろう。ここで、安達家の姉弟を演じる有村と高橋の演技へ募る期待について考えていく。

 まず、有村がドラマで演じてきた役柄の変遷を辿っていく。2013年に放送されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で、小泉今日子演じるヒロインの母の若き日を演じたことで話題を集めると、その後、『スターマン・この星の恋』(フジテレビ系)や、『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)など数々の話題作に出演。女性パイロットを演じた『連続テレビドラマW 海に降る』(WOWWOW)で、連続ドラマ初主演を果たした。

 10代から20代前半にかけては、『失恋ショコラティエ』や、『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)など、“可愛い妹”のような役柄が多かったが、2016年に放送された『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の頃から、“大人の女優”へステップアップしたように感じる。

 とくに衝撃を受けたのが、2018年に放送された『中学聖日記』(TBS系)。同作は、有村演じる中学校教師と、岡田健史演じる教え子の“禁断の恋”を描いたストーリー。それまで、ドラマで演じる役柄では爽やかなイメージが強かっただけに、“清純派”だけではない新たな魅力を感じさせた。だが、そのなかでも“純粋さ”や“素直さ”を混ぜ合わせる雰囲気。25歳の教師と、中学生との恋を最初は受け入れられなかった視聴者もいたことだろう。しかし、最終回に近づくにつれて徐々に2人の恋路を応援する人が増えたのも、有村の持つ天性の爽やかさが影響していたのかもしれない。

 そして、『姉ちゃんの恋人』で挑戦する役柄も、新境地と言えるだろう。父親のような豪快さ、母親のような優しさ、そして恋する乙女のようなキュートさを兼ね揃えたキャラクターの桃子。お父さんのような、お母さんのような、お姉ちゃん。有村が演じることでどのような化学反応が起こるのか。女手ひとつで弟たちを養う“肝っ玉姉ちゃん”に期待が高まる。

 そんな“肝っ玉姉ちゃん”の弟・和輝を演じる高橋は、2018年に放送された『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ系)でドラマ初出演にして初主演を務めた。同作は、部活をサボることしか考えていない男子高校生のリアルな姿を描いた部活コメディーで、高橋は、ずる賢く器用な西野を演じた。

 コメディードラマで重要となってくるのが間の取り方だが、同作での高橋の演技をみていると、セリフを言うタイミングや、テンポの良さに天性のものを感じた。ともに主演を務めた神宮寺勇太と、岩橋玄樹が同じグループだからこそ、自然体な演技ができたのかと思ったが、その後のドラマ『ブラック校則』(日本テレビ系)でも、間の取り方が絶妙だった。同作の映画版『ブラック校則』でメガホンを取った監督・菅原伸太郎氏に、「これから演技の仕事増えると思うよ」と言われたことを雑誌『QLAP』にて明かしていたが、彼のナチュラルな演技は、視聴者を物語の世界観に入り込ませる力がある。

 『部活、好きじゃなきゃダメですか?』、『ブラック校則』ともに気だるい雰囲気を纏う高校生を演じていた高橋。姉思いで、心優しい大学生の和輝を演じるのは、有村と同じく新境地とも言えるだろう。グループでは、最年少の末っ子キャラ、私生活でも姉がいる末っ子だけに、姉1人・弟2人に挟まれる“中間子”の役柄にも注目が集まる。有村演じる桃子を一番近くで支える長男・和輝は、この物語のキーマンとなっていくはずだ。

 “新境地”を開拓していく安達姉弟の演技。そして、岡田脚本が織りなす心温まるストーリーが、今から楽しみでならない。【かなぴす】

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