BUMP OF CHICKENが初の東京ドームで熱唱<2>

叙事詩のような壮大なライブを展開したBUMP OF CHICKEN(撮影・古渓一道)

 先日のMステで地上波テレビ初出演したことでも話題を集めた人気ロックバンドのBUMP OF CHICKENが7月31日、自身初の東京ドームで全国ツアー『WILLPOLIS 2014』のファイナル公演を開催。初音ミクとの共演など、叙事詩のような壮大なライブを展開し、約3時間に渡り5万人のファンを魅了し続けた。

 約4カ月に及んだ全国ツアー。そのファイナル公演だったこの日は、1日限りのスペシャルな演出が随所に盛り込まれた。開演前の場内では、サイドスクリーンにてドーム前に集まったファンの写真を投影。

 また、観客の興奮を高めるSEの「ボレロ」に続き上映された映画監督・山崎貴氏によるオープニング映像はこの日限りのバージョンとなり、架空都市・WILLPOLISの上空を超えて東京ドームの中に光のかけらが舞 い込むというドラマチックなエンディングだった。

 ライブでは、ここに集まった全員と時間を共有している喜びを爆発させたBUMP OF CHICKENの4人。ベース直井由文が「ごめん!ここでMCするはずじゃなかったんだけど言わせて!次の曲は一緒に歌おうぜ!」と叫んで始まった「虹を待つ人」では、演奏中にボーカル&ギター藤原基央も「遊ぼうぜ東京ドーム!」 とシャウト。それを受け5万人の大合唱はさらに大きくなった。

 続いて「サザンクロス」「(please) forgive」といった最新アルバム『RAY』収録曲が惜しみなく披露され、強靭なバンドアンサンブルをドーム全体に響かせた。

 また「ゼロ」では、同曲がスクウェア・エニックス『FINAL FANTASY零式』テーマソングだったことから「FINAL FANTASY零式」のキャラクターが登場する映像が、「Smile」では写真家・蜷川実花氏×フラワー アーティスト東信氏による生き生きとした草花の映像がスクリーンで流され、楽曲の世界を表現する後押しをした。

 この日一番のハイライトとなったのは、アリーナ後方に設置されたサブステージよりメインステージに戻っ た直後。サイドスクリーンで、バンドロゴをガス袋にまとった飛行船「LITTLEBRAVE号」に寄り添うよう に発光体が浮遊する映像とともに「ray」のイントロが聴こえ始めると、場内はあっという間に沸き立つよ うな空気に包まれた。

 そして、メインスクリーン前方に登場したダイヤモンド型のオブジェクトに初音ミクが 表れると、大きな歓声が起こった。

 BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」のミュージックビデオで描かれたコラボが、今度は5万人の眼前でリアルタイムに展開。MVの監督も務めたクリエイティブプロダクション・A4Aの東市篤憲氏が開発した「ダイヤモンド3Dホログラフィックシステム」を使い、クリプトン・フューチャー・メディア社による「14(イチヨン)モデル」の初音ミクがBUMP OF CHICKENとともに歌い踊る様子を、東京ドーム に鮮やかに現出させた。

 さらに本編終盤、「ガラスのブルース」を演奏した後には、藤原が「『WILLPOLIS 2014』はいつもこの 『ガラスのブルース』が最後の曲だったんだけど、今日は新曲やってもいいですか」と吐露。

 歓喜の声が起こるなか、「あー、やっと(みんなの前で)歌える」と嬉しそうな藤原のつぶやきに続いて鳴らされたのは、このツアー中に書き上げられた新曲「You were here」。

 優しくあたたかなファルセットの歌声と、丸 みのあるサウンドスケープは、ライブに対してメンバーが感じているリアルで実直な思いをオーディエンスにストレートに届ける力強さを感じさせるものに。「WILLPOLIS 2014」を経て、新たな地平を見つめる バンドの姿が生き生きと描かれた瞬間となった。

 この楽曲は8月1日に配信限定シングルとしてiTunes Store、レコチョクなどでリリースされている。あわせてバンドのYouTube公式チャンネルでは早くも「You were here」のMVショートバー ジョンが公開。このMVは、ライブでも楽曲演奏時にメインスクリーンで流されていた映像となっている。

 あらゆる演出・映像効果を駆使したツアーファイナルの東京ドーム公演。まさに夢舞台ともいえる内容は、バンプの果てしない可能性と壮大な世界観が広がっていた。

 ▽セットリスト
 01. Stage of the ground 02. firefly 03. 虹を待つ人 04. サザンクロス 05. (please) forgive 06. ゼロ 07. Smile 08. 宇宙飛行士への手紙 09. 銀河鉄道 10. 歩く幽霊 11. ray 12. トーチ 13. white note 14. 天体観測 15. ガラスのブルース 16. You were here <ENCORE> EN01. ダイヤモンド EN02. メーデー <DOUBLE ENCORE> D-EN01. DANNY

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