初のベストアルバム「樋口愛」を9月2日にリリースしたヒグチアイが、22日に有観客としては実に7カ月となるライブをVeats Shibuyaで行なった。

 ソーシャルディスタンスを気遣い用意された客席数は、ピアノの鍵盤数「88鍵」にちなんだ88席。入場者への特別な特典として、実物の鍵盤に一つ一つ手作業でトーンNoを刻印しキーホルダーに仕立てたものが88鍵、すなわち88名分用意された。いかにこのライブを大切にしているかという想いが伝わってくる企画。

ヒグチアイ

 幻想的なピアノで奏でられるSEと、ステージ後方のLEDスクリーンに生命が吹き込まれるように光が灯され、ライブがスタート。

 インディーズの頃から演奏し続けている、定番曲『ココロジェリーフィッシュ』で幕を開け、ベストアルバムの収録曲順通りのセットリストで、ラストの「東京にて」まで走りきった。

ヒグチアイ

 この日、配信でも愉しめるようにと用意されたのは、ステージ全体を覆うプロジェクションマッピングと6枚のLEDスクリーンによる映像演出。力強い歌声やバンドのグルーヴと相まって、圧巻の説得力が迫りくるステージとなった。バンドメンバーを送り出した後、一人残り弾き語られたのは、”一緒に歌うことが禁止されたライブで口を開けずに歌えるハミング”を楽曲の中に盛り込んだ新曲「mmm」。切実な想いと未来を諦めないという強い決意を随所に感じさせられる夜だった。

 また、舞台上を彩った印象的なフラワーアレンジメントは、配信チケットの購入者向けにその欠片をアクセサリーにして贈られるという。アーカイブ配信は10月5日まで行われている。

セットリスト

01.ココロジェリーフィッシュ
02.前線
03.東京
04.まっすぐ
05.わたしのしあわせ
06.ラジオ体操
07.猛暑です- e.p ver -
08.八月
09.黒い影
10.わたしはわたしのためのわたしでありたい
11.最初のグー
12.備忘録
13.東京にて
14.mmm(未発表新曲)

<BAND MEMBER>
Ba御供信弘/Gt ひぐちけい/Dr 片山タカズミ

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