King & Prince『L&』メンバープロデュース曲を考察、岸優太「ORESEN」
King & Prince
King & Princeの2ndアルバム『L&』(ランド)が9月2日にリリースされた。「King & Princeのいる場所、みんなで楽しめる場所」の意味があるタイトルの通り、現状にそっと寄り添うような、優しく温かい楽曲が多く収録されている。
ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)の主題歌「Mazy Night」や、公開中の映画『弱虫ペダル』の主題歌「Key of Heart」など話題曲が目白押し。収録曲にはメンバープロデュースの楽曲もあり、その楽曲から見るそれぞれの個性について分析していく。まずは、岸優太プロデュースの「ORESEN」に着目する。
岸優太プロデュース「ORESEN」
80年代後半のダンスミュージックを感じさせる曲調。一度聴いたら、誰もが口ずさめるメロディーが印象的だ。嵐の「バズりNIGHT」や、ジャニーズWESTの「アカンLOVE〜純情愛やで〜」を彷彿とさせるようなテイストは、今まで王子様的な楽曲が多かった彼らにとって新境地とも言えるだろう。
どこかノスタルジーを感じさせるサウンドだが、歌詞には<Nightmare こんなはずじゃ!!/描いてたパーティーはぴえん (T^T)><Nightmare 乗りこなせ!!/倒れた分だけエモい夜(≧∇≦)>など若者言葉が頻用されているところも面白い。
また、曲中には<L.E.Dの波が来る/前髪キメてる勇者(プリンス)><K.I.N.Gの座を目指すんだ/バズった曲でStep & Step>とグループ名も使われている。<宝石のTiaraを探せ/Drink(つるぎ)片手に>の部分では、ファンの呼称である「ティアラ」も登場。明るくノリの良い楽曲のように見えるが、<Nightmare 振り払え!!/俺たちは戦士だ/何度でもぶつかって レベルアップをしていくんだ/経験値上げながら戦場へ駆けてく>ともあるように、「戦士」である彼らが、荒波に揉まれながらスターへの道へ駆け上がっていく決意を表しているようにも感じられる。
MV(ミュージックビデオ)撮影前などの大事な時に、「キンプリファイターズGOGOGO」と円陣を組んで気合入れをしている彼ら。「戦士」というフレーズは、ここに通ずる部分を感じさせる。いつも、少し照れ笑いながら円陣を組んでいる戦士たち。そんな姿を見ていると、何年経ってもその初々しさを忘れずにいて欲しいと思わせる。そんなほっこりとした気持ちを与えるのも、彼らの愛され力ゆえだろう。
そして、サビ前には、「ファイアー!」「サンダー!」などテンション高めの岸の声が入る。少しクスッと笑えて元気になれる、クセになる楽曲「ORESEN」。新型コロナウイルス禍でどこか気持ちが落ち込んでしまがちな現状でも、この楽曲を聴くと元気が出るという人もなかにはいるかもしれない。愛されキャラゆえに人の気持ちを読み取る力がある岸ならではの思いやりが、このようなアゲアゲ曲の選択に繋がったような気もする。
新型コロナウイルスの影響でコンサートの中止・延期が相次いでいる現状だが、この楽曲のパフォーマンスが行われる時には、どんな衣装・ダンスで披露されるのだろう。王子様のような王道衣装に身を包むことが多かった彼らだが、「ORESEN」ではまた違った一面が見えるかもしれない。そんな楽しみを与えてくれる楽曲である。【かなぴす】
筆者紹介
かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink