SixTONES

 6人組男性グループ、SixTONESの2ndシングル「NAVIGATOR」が7月22日に発売された。同シングルには、TVアニメ『富豪刑事 Balance : UNLIMITED』(フジテレビ系)のオープニング・テーマに起用された「NAVIGATOR」のほかに、彼らがデビュー前に歌っていた楽曲も収録されている。本稿ではSixTONES結成からデビューまで、5年間の歴史を過去の楽曲とともに紐解いている。第3回は「Hysteria」と「Rollin’」に触れていきたい。

海外へと視野が広がった「Hysteria」(2018年)

 アメリカと日本のハーフで、バイリンガルのジェシーを擁し、英語力に定評のある SixTONES。2018年に初披露された「Hysteria」では、英語詞が多く含まれた楽曲に挑戦していた。

 デビュー発表の翌日に、SixTONES公式YouTubeチャンネルにて配信された「JAPONICA STYLE(English Ver.)」では、全編英語詞に挑戦。発音を勉強している映像なども配信されているが、英語詞の増加が顕著になったのは2018年頃からに感じる。同年の舞台『少年たち』で披露されたオリジナル曲「Night Train」も、スタイリッシュに英語詞を歌い上げていた。そして、2018年は『YouTube アーティストプロモ』にも選ばれた年でもある。元々意識していたのかもしれないが、この頃からよりリアルに海外へと視野を広げ始めたのかもしれない。

 なかでも注目したいのが、彼らの向上心だ。「NAVIGATOR」の通常盤に収録されている新録された「Hysteria」。初披露の時から良かったものの、明らかに発音が向上しているのが分かる。さらに、同じく通常盤に収録されているカップリング曲「You & I」と「love u…」もほとんどが英語詞。それを流暢に歌いこなす彼らの努力は、並大抵のものではないはずだ。

 また、詞中には、各々のメンバーカラーが含まれており、サビの部分にも、<Will you be mine ? Be my SixTONES ?>とグループ名が刻まれている。彼らだからこそ彩れるこの楽曲は、これからどのような色をつけていくのだろう。歌うたびにパワーアップしていくパフォーマンスから目が離せない。

新たな強みを手に入れた「Rollin’」(2019年)

 デビュー発表直前のツアー『CHANGE THE ERA -201ix-』で初披露された「Rollin’」。この楽曲は、力強いロックチューンになっており、バンドサウンドの激しめなナンバー。

 しかし、歌詞に注目すると、寂しさや儚さのようなものを感じさせる。どちらかというと、強いイメージの楽曲を歌ってきた彼らだが、「Rollin’」では、<消えないで We roll, We're rolling on, Far away baby>とどこか哀愁をを含みながら歌い上げる。激しいサウンドとは相反する切ない歌詞だが、それを見事に表現する6人。そして、<When I felt Lonely and sad/キミに泣いて泣いてなんかない>や、<キミの姿、浮かんでる/今の気持ち泣いてないって>など、強がりのなかに、繊細さが垣間見える。この楽曲を聴いていると、強いイメージのある彼らのなかにある弱さのようなものを感じ、どこか安心してしまう。

 そして、サビの<ねえ、I must say I love you?>の歌詞も印象的だ。「愛しているよ」ではなく、「愛してると言わなければいけない?」と間接的に愛を伝えるフレーズが美しい。

 彼らのパフォマンスの強みのなかに、“儚い美しさ”が加わったと感じた「Rollin’」は、彼らにとっても、ファンにとっても特別な想いのある一曲なのかもしれない。

 そして、2020年「Imitation Rain」でデビューを飾った SixTONES。これまで、5年間の歩みを楽曲とともに振り返ってきたが、これからの彼らはどのように進んでいくのだろう。そして、「NAVIGATOR」の次のシングルでは、どのような顔を見せるのか。力強いファンとともに歩んでいく、彼らの躍進に注目していきたい。【かなぴす】

筆者紹介

かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink

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