阿部真央が5日、東京・Shibuya WWWより有料オンラインライブ『UNITED FOR MUSIC-Live 60-』に出演した。『UNITED FOR MUSIC-Live 60-』はスペースシャワー、J-WAVE、CINRAがメディアを越えてコラボレーションしたライブエンタメ従事者支援基金「Music Cross Aid」をバックアップする音楽サポートプロジェクト。ライブでは8月12日にリリースされる「Be My Love」や人気曲「Believe in yourself」など、アンコール含め全9曲を弾き語りで披露した、配信ライブの模様を以下にレポートする。【村上順一】

どういう心持ちで生きていくのかが大切

阿部真央

 開演前多くのリスナーから、ライブを待ちわびる期待に胸を膨らませたコメントが続々と届く。それぞれがこのライブを楽しみにしていたのがコメントから伝わってくる。そして、いよいよ開演時刻になると、過去のライブダイジェスト映像が流れ、そこにスタート5秒前を告げるカウントダウン。

 ゼロになるとカメラがステージに切り替わりそこには阿部真央の姿。普段はステージからお客さんへ話しかけるスタイルの彼女は、今回コメント機能など使用しいつものライブと変わらないようなステージにしたいという、ライブへの意気込みを話した。

 「大丈夫かな? 緩いよね」と無観客配信ライブということで、通常のライブとはまた違った雰囲気があることを感じさせてくれた阿部真央はギターを抱え、オープニングを飾ったのは「ロンリー」。チャットコメント欄では、まさか1曲目にこの曲が来るとは思っていなかったという驚きの言葉も見られた。<なんでここに居ないの>という歌詞が、無観客のライブハウスに響くことで、この現状を代弁しているかのような1曲だった。サビ前に叫んだ「いくよ〜!」と、掛け声もライブならではの精彩を放っていた。

 今までの自分の曲の中で一番キーが高い、と8月12日に配信リリースの新曲「Be My Love」について語ってくれた阿部真央。「キーが高くても高みを目指す」と、挑戦を感じさせた「Be My Love」をライブ初披露。特にサビでのハイトーンボイスは、どこまでも突き抜けていくような力強さを感じさせた。視聴者もチャットコメント欄で「涙がとまらない」など、感動を伝えるメッセージで溢れていた。

阿部真央

 続いて、今年リリースした9枚目のアルバム『まだいけます』から、表題曲のアッパーチューン「まだいけます」は鬼気迫るものを感じさせてくれた。サビで見せる眼差しの強さは、阿部真央に何かが憑依したかのような緊迫したゾクッとする空気感。アコギと歌のみという余分なものを削ぎ落としたパフォーマンスは、この曲の持つスリリングさをより明瞭にし感情の放出、魂で歌う、そんなことを感じさせる姿を見せてくれた。

 MCでは半年ぶりのライブハウスでのステージについて「みんながこの場にいなくても、リアルタイムでみんなに届いている、みんなが聴いてくれているのが嬉しいから楽しい」と、素直な想いを伝えた。そして、視聴者から届いたメッセージや、事前に募集した思い出の曲を読み上げ、配信ライブならではのコミュニケーションが垣間見れた瞬間。そのなかで、阿部真央は歌うということについて、どういう心持ちで生きていくのかが大切だと、歌と真摯に向き合う、という阿部真央のアティチュードが垣間見えた。

歌を届けられるというのは本当に幸せ

阿部真央

 再びライブへ。天井に吊り下げられたミラーボールが会場を優しく照らす中、バラードナンバー「貴方の恋人になりたいのです」をしっとりと届けた。ステージにセットされた温もりを感じさせてくれる電球のオブジェも、この曲の雰囲気をより一層盛り立て、夏の夜を彩った。視聴者も、彼女の歌声に心を揺さぶられているのがコメントから伝わってきた。

  続いて、今年の4月に配信リリースされた「READY GO」を披露。軽快なアコギのストロークに、阿部真央の爽快さがありながらも熱さを感じさせる歌声が印象的。視聴者も「エネルギーもらえる」など、この曲から背中を押してもらっていることを感じさせる声も多く見られた。さらに昨年リリースされたシングル「どうしますか、あなたなら」を歌唱。コメント欄ではこの歌を聴いて、昨年のライブ『阿部真央らいぶ 夏の陣~2019~』を思い出す人も。音楽が記憶に密接していることを、感じさせてくれた1曲だった。

 そして、イントロでの力強い歌声がインパクトがあった「Believe in yourself」。この日、思い出の1曲に上げている人も多かったナンバーで、「この曲に何度も励まされた」と、視聴者からのコメントに、同曲の持つ活力、エネルギーを感じさせてくれた。

阿部真央

 阿部真央はこのライブに臨む姿勢として「みんなに良いパワーが届けばいいなと思いました。歌を届けられるというのは本当に幸せなことです」と想いを語った。MCに続いて届けられたのは「ストーカーの唄〜3丁目、貴方の家〜」。軽快でキュートな感じもありながらも、どこか陰影を感じさせる阿部真央ならではの世界観を打ち出した1曲をぶつけ、本編を終了した。

 阿部真央がステージを後にするとコメント欄はアンコールを求める“あべまコール”で溢れた。再びステージに戻ってきた阿部真央。「画面の向こうで歌えるところは歌ってもらえるととても嬉しいです」と投げかけ、最後にもう1曲「I wanna see you」を披露。この曲を聴いてI wanna see you=あなたに会いたいと、きっと画面の向こう側の視聴者も思っていることだろう。すべてのパフォーマンスが終了し「またお会いしましょう」と言葉を残し、『UNITED FOR MUSIC-Live 60-』この日のライブの幕は閉じた。

 弾き語りというスタイルということもあり、フルバンドの時とはまた違った、息遣いが感じられる歌声はリアリティに満ちていた。早くまたこの歌を生で体感したいと感じさせ、来年に延期になったツアーへの期待感はより高まったといえるライブだった。

セットリスト

『UNITED FOR MUSIC-Live 60-』

8月5日@Shibuya WWW

01.ロンリー
02.Be My Love
03.まだいけます
04.貴方の恋人になりたいのです
05.READY GO
06.どうしますか、あなたなら
07.Believe in yourself
08.ストーカーの唄〜3丁目、貴方の家〜

ENCORE

EN1.I wanna see you

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