次世代ガールズ・ユニオンFAKYが2月26日、配信シングル「half-moon」をリリース。2018年12月にAnnaが卒業を発表し、元Def WillのHinaとフィリピンでタレント活動をしティーンからの絶大な人気を誇るTakiを新たに迎え5人体制3rdシーズンとなる新生FAKYをスタート。昨年は新体制でガールズパワーをテーマにしたダンスシングル3部作をリリースし、イベントなどライブも数多く行い結束力を強めた。2020年最初のリリースはAbemaTV『月とオオカミちゃんには騙されない』に出演中したHinaの心情を歌にした「half-moon」。Hinaの想いをLil' Fangが歌詞に落とし込んだミディアムナンバーは、これまでのFAKYとはまた違った新たな一面を打ち出した。インタビューでは新体制となってからの変化を聞くとともに、「half-moon」に込められた想い、これからの活動の意気込みを5人に聞いた。【取材=村上順一】
自然体でガールズパワーを見せていきたい
――5人体制になって1年が過ぎましたが、4人の時との変化をどのように感じていますか。
Mikako 4人から5人というのは結構大きくて、画力と言いますか、パワーバランスがやっぱり大きくなったと感じています。その中でもセンターがあるというのは、振りも揃えやすくなってすごくやりやすいなと思いました。
Akina 2人(HinaとTaki)と出身地や育って来た環境が違うから、新しいエッセンスをもらえていることが、すごくプラスになったと感じていて。わかりやすくフレッシュになったんじゃないかなと思います。
Lil' Fang 4人だった時はレイドバックした感じ、みんなそれぞれが違っていいと言いますか。でも、5人になってから私たちの生き様みたいなものを見せて、少しでも力にして欲しいというのがあったので、すごく近づきやすくなったんじゃないかなと思います。5人になった3rdシーズンは自然体でガールズパワーを見せていきたいというのもあって。
――TakiさんとHinaさんは加入されて1年が過ぎましたけど、今はどんな心境ですか。
Taki 15歳ぐらいの時にFAKYのメンバーとは会ったことがあって、音楽も聴いていました。その時はまさか自分がメンバーになるなんて思ってもいなかったですし、1年活動してきてグッドチョイスだったと感じています。今はパズルのピースが合わさって一つになっていて、ここにいることが間違いではなかったと自信を持って出来ています。
――実際活動してみて、イメージが違ったところは有りました?
Taki 加入する前はもっとみんなシリアスな感じなのかなと思ってましたが、実際はみんなそんなにシリアスではなかった(笑)。最初のイメージでは、ライブの本番前などは全然喋らない感じがしてたんですけど、そうではなかった(笑)。
Lil' Fang そういう風に見てたんだ(笑)。
――それ、ちょっとわかる気がします。Hinaさんはいかがですか。
Hina 私はFAKYに入る前は同じ事務所で違うグループに所属していたんですけど、FAKYのことは近くでずっと見ていましたし、本当にカッコいいグループだと思っていました。それだけに加入して不安やプレッシャーもありました。
――どんな不安があったんですか。
Hina 新しいメンバーとしてファンの方から、私をメンバーとして受け止めてもらえるのかというところです。でも、この1年色んなところでライブをしたり、3部作をリリースする中で、応援してもらえていると実感出来てきました。時間が経つにつれてFAKYのメンバーとしての自信がついてきたと感じています。
――ダンスもすごく大変だったとお聞きしています。
Hina そうなんです。加入する前にスキルチェックが2回あって、強化トレーニングを1カ月行いました。トレーニングは朝起きる時間から走る距離まで全て管理されていて大変でした。そしてもう一回スキルチェックを受けて、やっと合格をいただけて。
――皆さんもそういったトレーニングをされてきて。
Lil' Fang それぞれタイミングは違いますがありました。今は自分たちで管理してレベルアップしていくようになっていて。1stシーズンの時は週6で1日6時間はトレーニングしてましたから。
Mikako 6時間は短い方で8時間とか10時間も普通にありました。
Taki 私は最初全然踊れなくて、どうしても上手くなりたかったので、渋谷のダンススタジオで朝の11時から夜の11時30分までレッスンしてました。もう泣きながらやっていたんですけど、そのおかげで1年間でスキルアップできたんです。
「half-moon」の想いに迫る
――さて、「half-moon」がリリースされましたが、Hinaさんの想いをLilさんが受け止めて歌詞が制作されたとのことですが、どのような経緯があったのでしょうか。
Lil' Fang FAKYが活動してきた7年間の中で恋愛リアリティーショーに出演するメンバーが出るということはなかったのでそれは未知なことが起きることは全員が感じていて、それを音楽で表現しなければFAKYとして意味がないんじゃないかと思いました。それなら出演している「Hinaの気持ちを曲にしよう」となりまして。歌詞を書いている時はAkinaにも相談したりして書いていきました。
――Hinaさんは箇条書きしたものをLilさんに渡して?
Hina そうなんです。私は日記をいつも付けていて。すごく振り幅が大きな日記で他愛もないことから、その時に感じたことをバァと書いたり。
――ヘヴィなものからライトなものまで。Lilさんはその素材となったHinaさんの想いを綴ったものを見てどう感じました?
Lil' Fang 苦労しそうな考え方をする子で、遠回りしかしないんだろうなって。でも、遠回りする分、距離が伸びるから経験値は多くなると思いました。Hinaが今の私の歳になった時に追い越されてないように自分も頑張ろうと思いましたから。
――メンバーの中でHinaさんの思考に近い方はいますか。
Lil' Fang 私が一番近いかも知れないです。なので、すごくスッと受け止められたところも多かったんです。
――Mikakoさんは上がってきた歌詞を見てどう感じましたか。
Mikako 私はおそらくHinaとは性格が真逆だと感じていて、素直に歌詞に入れない自分がいました。すごく悩んで、たくさん聴いて考えて出した答えが、私は人生と合わせて表現したいと思いました。それは私がこの25年間、恋愛にフォーカスした生き方をしてこなかったからで、あまり上手く伝えられないんじゃないかと思いました。Lilに話を聞いて、いろんなヒントを得て「私は人生にフォーカスして歌おう」と決めて。ライブでも生きてきた道を表現しようと思い歌っています。
Akina 私はMikakoとは違ったところで、人生ももちろん大事にしているんですけど、恋愛というものにすごくテンションが上がってしまうんです。切ないけれど未来への期待を歌った歌詞をこの5人で歌えてすごく嬉しいです。
Taki LilとMikakoにレコーディングの時に「日本語がわからないから助けてほしい」と話して、私はまだ日本語がしっかりと読めないので、ローマ字にしてもらって読みました。そこから歌詞に書かれている想いを説明してもらったんです。それで感じたのが、ひとつのトピックではなく色んなテーマで歌える曲なんじゃないかと思いました。聴くたびに違う感情が出てくる歌詞だと思います。
Lil' Fang 聴く人によってピックアップする言葉で曲の趣は変わるかもしれません。
――Hinaさんは上がってきた歌詞を見て、一番響いたフレーズはありましたか。
Hina 1番を選ぶのが難しいくらい全てが的確に捉えていただいた歌詞になっていると思いました。この曲を作ろうとなった時に、私だったら絶対こんな風には書けないと思いましたから。本人の感情だけでもなく誰が聴いても共感できるバランス感がパーフェクトでした。
――そのバランス感覚は想いを委ねたことが良かったところでもありますよね。さて、サウンド面なのですが、これまでのFAKYっぽさとはまた違った一面を見せてくれていますが、音を聴いた時はどのように思いましたか。
Mikako 今までとは違ったサウンドだったので、この音に5人の声が乗ったらどうなるのかがすごく楽しみでした。それと同時にまた新しいFAKYが世の中に届けられると思うとさらに楽しみでしょうがなかったです。
Akina 振り付けがなくしっかりと立ってメッセージを伝える曲というのは珍しいんです。その分お客さんに向かって歌えるし、寄り添えているような、コネクションを強く感じています。
Taki 初めて体感したことなんですけど、私はステージに立って歌っている時に誰も見えない感じがありました。でも、一番最後のサビでみんなの目が合うんですけど、やっとその時に周りにみんながいたことに気づくような不思議な感覚がありました。
Lil' Fang それわかるかも! フォーメンションが入れ替わる瞬間はすれ違うようなイメージ、近いんだけど通り過ぎていくような感覚なんです。そして、最後に顔を合わせるというもので、確かにそこで5人だったことに気づかせてくれる感覚はあります。
――Hinaさんは自身のことを歌っている感覚もあると思うのですが、どういった意識で歌っているのでしょうか。
Hina すごく難しくて、最初に歌詞を見た時に、あのことをこう書いてくれているんだろうなと、実体験が詰まっている歌詞だから、あまりにもそのことを思いながら歌ってしまうと自分だけのものになってしまう、縮こまったものになってしまうと思いました。でも、今はそれを書いていた時の葛藤や苦しみが形になって、その時の気持ちを歌った方がより伝わるんじゃないかと思いました。
今からがFAKYなんだと思える自信がついた
――「half-moon」というタイトルは『月とオオカミちゃんには騙されない』の月から取って?
Lil' Fang やはりそこは外せませんでした。Hinaから託されたメモを見て『月とオオカミちゃんには騙されない』の中でのHinaと、FAKYの時のHinaとの葛藤など、両立していくことの難しさをすごく感じました。でもその感情は誰しもが持っていて、Hinaはそのコントラストが強くなってしまっている、それをひとつにしようとして苦しくなっているなと思って。その棲み分けが出来ている人は少ないと感じていて、元々は同じもので「2つあって当たり前なんだよ」という事をこの曲で伝えたいと思いました。なのでフルムーンではなくハーフムーンにしました。
――陰と陽はみんな持ち合わせていますから。この曲の皆さんがお気に入りの歌詞やフレーズなどあれば教えて下さい。
Mikako 私は<抱えてるままで歩む own my life>という歌詞が好きで、この歌詞を見た時にグッと刺さるものがありました。きっとスッと入ってきた言葉が今の自分の心情を表しているんじゃないかと思って、特に大事にしたい部分だと思いました。
Akina 私はサビの頭<half-moon the other side of me>です。初めて5人でユニゾンで歌ったんですけど、その力強さみたいなものを感じてもらえると思います。ここは私の中でキーポイントになっているので、注目してもらえると嬉しいです。
Taki 私はサビの全てがお気に入りなんです。スッとこの曲の世界観に入り込めるサビなのでお気に入りなんです。
Hina 番組を見て下さっている方は、歌詞を見てもしかしたらここはあのシーンのことなんじゃないかとか考えながら聴くことも出来ると思うんですけど、「half-moon」といういろんな意味を感じてもらえるタイトルをつけてくれたことで、番組を見ていなくても何かを感じてもらえると思います。沢山の方に聴いて頂けたら嬉しいです。
――逆にこの曲を聴いてから番組を観たら違った面白さがあるんじゃないかなと思いました。
Hina それは今までなかった発想なので、是非感想を聞いてみたいです。
――最後にFAKYの展望をお願いします。
Lil' Fang この5人で約1年半前からスタートして、この形になるまで紆余曲折ありました。イチから練り直したこともありましたし、それぞれが持っていた力で100から始まったものもありました。Mikakoも話していましたが、やっとこの5人のパワーバランスが揃ってきたと感じています。呼吸も合ってきて今からがFAKYなんだと思える自信がついた1年半だったと思います。
その集大成として5月31日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEでワンマンライブ『FAKY ONE MAN LIVE " NEW AGE "』があります。そこからが真の意味で5人体制としてのFAKYのスタートなんじゃないかなと思っています。知ってもらう期間は終わり、ここからは今のFAKYをどれだけ感じてもらえるか、自分たちの実力だけでどれだけ伝えられるかが勝負だと思っていますので、是非ライブを観に来て頂けたら嬉しいです!
(おわり)