AKB48最後の1期生・峯岸みなみ、後輩にとって“母”なる存在
INTERVIEW

AKB48最後の1期生・峯岸みなみ、後輩にとって“母”なる存在


記者:木村武雄

撮影:

掲載:20年03月21日

読了時間:約4分

 卒業を控える峯岸みなみの卒業ソング「また会える日まで」が、57thシングル「失恋、ありがとう」に収録される。同シングルリリースに合わせて行ったインタビューなどで感じたのは、峯岸みなみのグループの母としての存在感と感謝の想いだった。【木村武雄】

 【動画】AKB48峯岸みなみ卒業ソング「また会える日まで」ミュージックビデオ

 AKB48最後の1期生、峯岸みなみが卒業する。「失恋、ありがとう」のカップリングには卒業ソング「また会える日まで」が収録される。歌詞は、AKB48グループ総合プロデューサーの秋元康氏が手掛けた。送られてきた歌詞を読み「泣きました」という峯岸。同曲には、岩立沙穂、岡田奈々、北澤早紀、込山榛香、篠崎彩奈、向井地美音、村山彩希、茂木忍という、峯岸を慕うメンバーが参加した。

 「私の血は受け継がない方が良いです」

 そう自嘲する峯岸。しかし、メンバーの話から伝わってくるのは、“メンター”としての存在感だった。

 学生時代はバスケ部に所属していた13期の村山彩希。上下関係の厳しい体育会系での経験もあって、AKB48加入後もその習わしから、先輩とは自然と距離を置くようになっていたという。そんななか峯岸との間に不仲説が出た。しかし峯岸は、そうした性格も村山の良さと受け入れた。「みいちゃんは緊張するけどかまってほしくて寄って行っちゃうような。先輩でもあり、お母さんのような存在です」と慕った。

 グループ内外からしっかり者との印象を受けられている14期の岡田奈々。それが故に先輩との距離をなかなか縮められなかったことが悩みでもあったという。そんな彼女にとって峯岸は初めて“かまってくれた”先輩。「イメージだけではなく、深い部分まで知ろうとしてくれた先輩でしたので救われました。内面的な部分だけではなく、パフォーマンス、トーク、アイドルとしての立ち振る舞いをたくさん教えてくれました」。岡田もまた「育ての親」と称えた。

峯岸みなみ。卒業ソング「また会える日まで」ミュージックビデオから(C)AKS/キングレコード

 2月にAKB48劇場で行われた生誕祭。祝福を受けるAKB48グループ総監督の向井地美音にある手紙が送られた。その内容は「総監督就任以降、グループを牽引するなかで、みーおん個人をおざなりにしていないか、もっと楽しんでほしい」という趣旨。送り主は峯岸だった。大のAKB48好きでも知られる向井地はファン時代、峯岸の握手会にも並んだことがあった。憧れのアイドルはAKB48加入後に憧れの先輩へと変わった。「私が悩むたびに声をかけ、抱きしめてくれたので、心折れずに頑張ることが出来ました」。向井地も同じく「全てをさらけ出せる私のママです」。

 「失恋、ありがとう」で初の表題曲センターを務める山内瑞葵は16期。所属するチームも違うことから接点は少ないという。しかし、山内の目に映るのは若手に寄り添う峯岸の姿。「MCなどの打ち合わせにも熱心に付き合って下さって、後輩、メンバー思いなところも尊敬しています。私もそうなりたい」。そんな山内に峯岸は「私みたいにならないでね」と笑む。

 AKB48シングル選抜にはセンター就任以外にも数々のドラマがある。初めて選抜入りしたメンバーは、右も左も分からないところを先輩が助けてくれたと、卒業後も慕っている話を聞く。その代表例に篠田麻里子と松井珠理奈の関係がある。

峯岸みなみ。卒業ソング「また会える日まで」ミュージックビデオから(C)AKS/キングレコード

 選抜に限らず、それは日頃からある。先輩の役割は大きい。峯岸から受けた優しさ。13期の村山は、16期の公演をプロデュース。村山にとって16期は大切な後輩だ。そのうちの一人、山内は同じ子役出身で境遇も似ている。たまにミュージカルの話もするという。山内は、ここまで来られたのも村山のおかげと感謝する。一方の村山も、山内に支えられていると語った。峯岸は「私の血は受け継がないでほしい」と語ったが、後輩思いの優しさは脈々と受け継がれている。

 ピアノ伴奏から始まる「また会える日まで」の歌詞にはこんな言葉がある。

 <年上なのに頼りにならず/迷惑ばかりかけてごめんね/それでもずっと私になりには皆の事を思っていたの>

 謝罪の言葉は幾度となく語られてきたが、自分では決して口にしないであろう「皆の事を思っていたの」。その想いは、「優しさ」を通して伝わっている。

峯岸みなみ。卒業ソング「また会える日まで」ミュージックビデオから(C)AKS/キングレコード

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