シド「どの瞬間も自分たちの一部」4人で成し遂げて来た全てが作り出す音楽
INTERVIEW

シド「どの瞬間も自分たちの一部」4人で成し遂げて来た全てが作り出す音楽


記者:榑林史章

撮影:

掲載:20年03月08日

読了時間:約12分

どの瞬間も自分たちの一部

「delete」アニメ盤

――「delete」というタイトルですが、バンドとしてこれは消したいと思うことや、逆にdeleteしたくないことはありますか?

Shinji 僕は最近あったんですけど、ギターのチューニングを変えている曲があって、その曲をやる時はギターを持ち替えるんですけど、持ち替え忘れて音が大変なことになってしまって。それがツアー最終日にあったんです。

Shinji

明希 ライブが始まってすぐじゃなかった?

ゆうや 3曲目くらいの時だよね。

Shinji あれだけツアーでやって来て、何を学んで来たんだよって。自分にがっかりしました(笑)。

明希 俺はShinjiが慌てている瞬間を見ていて、心の中で大爆笑してました(笑)。でも、わりとすぐ気づいたよね。ジャンッて鳴ったくらいのところで。

ゆうや ギターテックが後ろで待ってるのに、Shinjiは気づかず格好つけていて(笑)。

明希 めちゃめちゃ面白かったですよ。

ゆうや そういう時に限って、イントロからギターが目立つ曲だという。

Shinji でも、それが本当に最初で最後ですよ。僕はあまりそういう間違いをしないので。だからこそ、その記憶は消したいです(笑)。

――マオさんは、何かありますか?

マオ 僕は終わったことに対して、引きずるようなことがなくて。それ以前に、ほぼ忘れちゃうんです。極端なことを言うと、いま部屋を出てもエレベーターがどっちにあるか分かっていないくらいで。

ゆうや それはヤバいでしょ(笑)。

マオ ライブのこともあまり覚えていないんです。ただ楽しかったということだけは覚えていて。ゆうやはすごくて、ツアーでどこに行ったとか全部覚えていて。俺は、ライブの映像を見て振り返ることすらしないし。だから逆に、どんどんdeleteされていってる感じです(笑)。

ゆうや 消すも何も、それ以前に覚えないという。

マオ 自分が覚えない代わりに、歌詞が残っていれば良いかなって(笑)。

――ゆうやさんは、何かありますか?

ゆうや 個人的なことならいくらでもあるんですけど、バンド活動の中でとなるとすごく難しいですね。なかなか浮かばないです。

――個人的なことだといかがですか。

ゆうや 僕は小学1年生から高校3年生までサッカーをやっていたんですけど、高校の卒業アルバムのサッカー部の写真には、僕が写っていないんです。風邪をひいて撮影の日を休んでしまって。高校でサッカーを辞めたので、12年間サッカーをやっていた最後の思い出の写真に自分がいないという。deleteなのか何なのか、その日に戻って撮影し直したいです(笑)。

――よく写真の空いているところに、丸く入っていたりしますけど。

ゆうや それも入れてもらえなくて。

明希 でも、バンドで言うと自分たちが何かを成し遂げた時の気持ちは、どれも全部忘れたくはないですよね。ツアーファイナルで4人でやり切った時の感動とか、アルバムが完成した時の感動とか。どの瞬間も自分たちの一部だから良いことも悪いことも含めて全部消したくはないですよね。

――そして5月9日と10日に山梨・河口湖ステラシアターで『SID LIVE 2020 -Star Forest-』を開催予定ですね。

マオ 会場の造りを活かしたものにしたいなと思って。アルバムツアーではないもので、どういうライブをやったらみんながドキドキしてくれるか、自分たちもドキドキ出来るか考えて、やったことのない会場でやろうというところから始まりました。

――「Star Forest」というタイトルは?

ゆうや たくさんアイデアが出て、すごく悩んだよね。

Shinji みんなが何個も候補を持って来ていて。

明希 スタッフも持って来ていたし。

マオ 俺がStar Forestって言ったんだよ。ただ、ちょっと弱気に「Star Forestは? でもちょっと違うよね」って。そうしたらみんなが「Star Forestって良いじゃん!」ってなったんじゃないかな。そこから「Star Forest」という言葉にちゃんと意味を持たせてあげられるように、選曲や演出を考えていって。

――会場に行ったことは?

Shinji 行ったこともなくて。

マオ 映像では見たことがありますけど。

ゆうや きっと空気の匂いが違うんじゃないかなって。自然豊かな場所になるし、そういう面でもなかなか体感出来ないライブになるんじゃないかって思います。

マオ 明るいうちから始まって、徐々に夜になっていく。そういう時間の流れで変わっていく景色も演出の一部として、みなさんに楽しんでいただけるライブになると思います。

明希 曲だけじゃなく、いろんな部分で楽しんでもらえるものにしたいですね。

Shinji 会場が天井が開いたり閉じたりするので、それによって音の響き方も変わるし。音が抜けるような感じの会場で、爆音を出すと気持ち良いんです。自分ではそれが楽しみです。

(おわり)

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