Wakana「愛され続ける曲を歌いたい」人生の瞬間をかけがえのない音楽に
INTERVIEW

Wakana「愛され続ける曲を歌いたい」人生の瞬間をかけがえのない音楽に


記者:榑林史章

撮影:

掲載:20年02月26日

読了時間:約14分

自分もみんなから愛され続ける曲を歌いたい

『magic moment』初回限定盤A

――また、「442」というタイトルの曲もあって。タイトルの数字が何なのか、とても気になります。

 取材で毎回聞かれます(笑)。収録曲の曲名がネットで公開された時も、ファンのみなさんから「意味が気になる」というコメントをたくさんいただきました。赤ちゃんが生まれた瞬間にあげる泣き声って、みんな同じ音なんですよ。

――確か「ラ」の音ですよね。

 そう! それをヘルツで表すと、442ヘルツなんです。この曲は、私が歌を始めたきっかけや歌う理由を歌詞にしましょうと相談して、共作してくださった岡本愛梨さんと作詞をしたんです。つまり歌声が生まれる瞬間の歌で、赤ちゃんが生まれた瞬間に発する泣き声は、歌声なんだよという意味で「442」と付けました。ちなみに「ラ」の音は、コードで言うとAで、赤ちゃんが最初に発する音が、アルファベットの最初の文字というのも面白いなと思います。

――曲の最初がスキャットで始まりますけど、あれも「ラ」の音から始まるんですか?

 曲先行で、歌詞を書いてからタイトルを決めたので、作曲の池窪浩一さんとはそういう話を全くしていなくて。冒頭のスキャットはもともと予定になく、最初は言葉が入っていたんですけど、それを間引いてスキャットにしたいと提案させていただいたんですね。そうしたら「じゃあ、何となくで良いので歌ってみてください」と言われて、「え~!」って言いながら、その場のアドリブで考えたものなんです。だから譜面もないんですけど…今確認してみたら、残念ながらソから始まっていました(笑)。

――池窪さんとは以前にも?

 「アキノサクラEP」に収録の「夕焼け」という曲でギターを弾いてくださっていて、そこで初めてお会いしました。その時に「また何かの機会に」と話していたのですが、まさかこんなに早くその機会が来るとはと思って驚きましたね。

――10曲目は、「Happy Birthday」かと思ったら、「Happy Hello Day」というタイトルなんですね。

 でも、その通りで「Happy Birthday」があるなら、「Happy Hello Day」があっても良いんじゃないかと思って、こういうタイトルを付けました。

――これは、ライブでお客さんと一緒に楽しめそうな曲ですね。

Wakana

 はい。いつもライブに来てくださるみなさんに、ライブの最後に「ありがとうございました」と言葉で感謝の気持ちを伝えるだけでは足りないなと思って、いつかこういう曲を作りたいと思っていたんです。「今日来てくれてありがとう、私もみんなと会えて嬉しかったです」という、気持ちを込めています。ライブに行くのはすごく労力のいることだし、もし元気じゃない状態でライブ会場に来た人でも、その瞬間は音楽を楽しんで欲しいなという気持ちで歌詞を書きました。自分自身も好きなアーティストさんのライブに行く時、そういう気持ちなんです。だから会えた喜びをみんなで噛みしめようねって。

――学生時代は、どんなアーティストのライブに行っていたんですか?

 小学生の時はチューリップさん、由紀さおり&安田祥子さんのコンサートに行ったことがあります。シェリル・クロウさんとか、Boys II Menとか、海外アーティストさんのライブにも行きましたね。小中は劇団四季が好きで、母とよく見に行っていました。中でも「オペラ座の怪人」は、4回も見たんですよ。シャンデリアが落ちてくる演出が大好きで、運良くシャンデリアの下の席になった時は、落ちてくるのが楽しみでずっと上を見ていた覚えがあります。サントラ盤を毎日聴いてセリフも全部覚えて、家で“ひとりオペラ座の怪人”をやっていました(笑)。当時から、やっぱり歌が好きだったんだなって思います。

――そういう経験がベースになって、今Wakanaさんが歌手をやられている。音楽や歌は、そうやって受け継がれていくものだなと思いました。

 良い音楽は、いつまで経っても色褪せないものです。私は小田和正さんも大好きで、コンサートには何度も行っているのですが、オフコース時代の曲は今も色褪せていないし、小田さんの「ラブストーリーは突然に」をいつだって聴きたいじゃないですか。ヒット曲というものは、みんなが知っていてその人の心の中に当時を思い出させてくれるから、みんなが好きなんだと思います。

 小田さんの「ラブストーリーは突然に」では、必ずみんな立ち上がって歓声が沸くんですね。そういう光景をたくさん見てきたからこそ、自分もみんなからそんな風に愛され続ける曲を歌いたいと思うんです。

――そういう思いがあればこそ、「Happy Hello Day」のような歌が生まれたわけですね。

 まさしくそうですね。みんなで歌えるのは良いなと思うし、「Happy Hello Day」はサビをみんなで歌えたら良いなと思います。また、最後のほうにクラップが出て来るので、ライブではみんなでクラップ出来たら良いなと思います。

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