「ロック界の奇行師」こと、アルカラのボーカルを務める稲村太佑が12月10日、東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで『タンバりゃんせ東名阪ツアー2019 追加公演「稲村太佑 弾き語り初ワンマン”ありがとByeBye30代□”」』として初の弾き語りワンマンをおこなった。(※□は白抜きハートマーク)

稲村太佑(撮影=新倉映見)

 今年10枚目のアルバム、『NEW NEW NEW』リリースを翌日に控え、また自身の40歳を目前にしたタイミングでのライブに、稲村はグレーのスーツとギターひとつで登場。MCで笑いを交えながら一瞬でその会場を温めると、弾き語りでのみ披露されるオリジナル曲「小さな音楽会」が軽快にスタート 。「音楽は世界の唯一の共通語だから!」と叫びながら会場のボルテージを一気にあげていった。

 ソロアコースティックで鋭いカッティングのイントロで軽快に「アブノーマルが足りない」を弾き語った後は、しっとりとしたアレンジで「ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト」のアコースティックver.を披露。コールアンドレスポンスから笑いもおこる楽しいライブの中、12月11日に40歳の誕生日を迎える稲村のオーディエンスへのお返しプレゼントとして、このライブを思い思いに過ごしてくれと話す稲村。

 翌日に10枚目のアルバムリリースを控えた彼は、今までのアルバムが支えてくれた素敵なニューアルバムだと語る。そのアルバムの中でも重要な一曲だという「猫にヴァイオリン」を歌い上げた後は、東名阪のツアーでも演奏してきたという、ASKAのカバー「WALK」を披露した。

 普段のアルカラのライブらしからぬ、ゆったりとした雰囲気の会場に思わず「さっき寝てもいいっていったけど、ライブハウスみたいに一回立って手拍子してくれ!」との提案。オーディエンスも嬉々として応える中で、スラップ奏法で「交差点」を披露。時にはまるで漫談のように、曲中に三三七拍子や稲村自身がリスペクトしているという、LUNA SEAのフレーズなどをいれながらソロライブは一旦終了。

 その後メンバーの疋田武史(Dr)、ベースの下上貴弘(Ba)、サポートギターの竹内亮太郎がそれぞれ黒を基調としたシックな装いで登場し、稲村がメンバーをそれぞれ紹介しながら後半戦へ。リズミカルなドラミングが印象的なイントロから、初披露であるアコースティック編成の「瞬間 瞬間 瞬間」を4人で演奏し、客席から思わず歓声も上がる。

稲村太佑(撮影=新倉映見)

 そのままの勢いで流れるようなアコースティックアレンジが印象的な「踊れやフリーダ」、ハーモニーが美しい「半径30cmの中を知らない」と続いていく。

 「アルカラの曲のアコースティック、めっちゃ良くないっすか?」と満足気に語る稲村の自讃にも快く頷けるアレンジの良さに、オーディエンスも笑顔になる。子を想う石川五右衛門の気持ちをテーマに作曲したと言う「さすらい」をメロウに奏でた後は、再び稲村ソロに。

 「40歳からも何も変わらないアルカラをどうぞ皆様よろしくお願いします」と、最後は母との夕焼けの思い出を詰め込んだ新曲の「夕焼いつか」を語りかけるように奏でながら、オリジナルとはまた違った楽曲の底知れぬ魅力を発揮してライブは終了した。

 アンコールには大きなバースデーケーキをかたどった帽子をかぶりながら登場。

稲村太佑(撮影=新倉映見)

 最後は自身のタンバリンについて歌ったオリジナル曲の「タンバりゃんせ」でキーボードでの演奏も披露し、観客総立ちの大盛況のなか、ライブは幕は閉じた。

 アルカラは来年には”NEW NEW NEW”レコ発全国ツアーも開催していく。

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