武田玲奈「高校生を脱却できるか不安だった」初の教師役で新境地
INTERVIEW

武田玲奈「高校生を脱却できるか不安だった」初の教師役で新境地


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年12月15日

読了時間:約6分

 女優の武田玲奈(22)がドラマ『おいしい給食』(TOKYO MXほか)で教師を好演している。ドラマは、1980年代のある中学校を舞台に、給食マニアの教師・甘利田幸男(市原隼人)と、給食マニアの生徒・神野ゴウ (佐藤大志)による、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描く学園グルメコメディ。武田は、甘利田の同僚の教師・御園ひとみを演じている。これまで高校生役が多かった武田にとっては新境地を開くきっかけとなる作品ともいえる。同ドラマは来年2月5日にDVDとして発売され、来年3月には映画化されることも決まった。更なる活躍が期待されるなかで武田は本作にどう挑んだのか。そして影響を受けた音楽とは。【取材・撮影=木村武雄】

教師で新境地、転機を迎える

 「お芝居に専念したいと思って決断しました」

 約4年間にわたり第一線で活躍していた水着グラビアの活動を今年10月に休止した。「きっかけはありませんでした」と言うが、奇しくも『おいしい給食』は今年10月から放送。それまで高校生役が多かった武田が初めて挑む教師役で、役者としての新境地を開く機会が図らずとも巡ってきたともいえる。

 放送開始に先立っておこなわれた会見には、劇中と同じ衣装で出席した。リボンのついたピンクのブラウスに、ひざ下10センチほどの淡いブラウンのスカート。物語の舞台が80年代ということもあり、ファッションは当時を彷彿とさせている。その衣装に袖を通した武田からは高校生役の時とは異なる、どこか気品を備えた大人の女性が感じられた。

 初めての教師役に出演が決まった当時は「どうやって高校生を脱却するかが不安でした」。演じるにあたっては、学園がテーマの作品を観たり、自身の小・中学校時代の先生を思い起こすなど、“御園ひとみ”にあてはまる教師像を模索した。そのなかで浮かんだのは、生徒に寄り添う教師。「甘利田先生とは真逆のタイプで生徒に寄り添う先生だと思いました。ですので、寄り添っていきたいという思いを前面に出して演じました」。

 そんな“御園ひとみ”には「緊張しい」ところが自身と似ている点と挙げる一方で、生徒に対しては身を挺にして接していくその姿勢に刺激を受けたよう。「私ももっと頑張ろうと思いました」。

 今回、同僚の教師・甘利田幸男役を市原隼人が務めている。「給食絶対主義者」の甘利田をコミカルに演じており、その演じっぷりに市原自身も「滑稽。でも本人は真剣。葛藤の中で嬉しいことも悲しいこともあって。(給食を通して)本人にいろんな悲劇がある。こんな食べ方があったのかとか。しかしそんな悲劇も喜劇になる。唯一無二のエンターテインメント」とも語っていた。

 市原とは初共演となる武田は、市原の芝居へのストイックさに刺激を受けたという。

 「たくさん学びました。どこからそのアイディアが出てくるんだろうとか、上がるところは上がって、抑えるところは抑えるというメリハリのあるお芝居は現場ですごく感じましたし、完成したものを視聴者目線で見たときもそれは感じられて。演じていても市原さんから影響されたところは多かったです」

 その一方で、台本にないものを急に取り入れることも多かったようで「私はひたすら受けていました。リアクション力はついたと思います」と笑み。

 撮影現場では学びも多かったという本作。「演じられる幅をもっと広げていきたい」と意気込む武田にとって本作はどのようなものになったのか。

 「教師役を演じたことによって役の幅を広げる良い機会になりました。教師という職業だけでなく、教師や大人という軸から、例えば性格など変化させたりすることでますます役の広がりが見せられると思いますので、今後が楽しみです。刺激を受けた市原さんを見習って、私も緩急がある役柄も演じられるように頑張りたいです」

 一つの転機を迎えた彼女。今後の更なる活躍が期待される。ここから撮影の裏話、音楽について一問一答で紹介する。

武田玲奈

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