阪本奨悟「色んな引き出しを見つけたい」無限の可能性への挑戦
INTERVIEW

阪本奨悟「色んな引き出しを見つけたい」無限の可能性への挑戦


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年11月01日

読了時間:約11分

挫折から立ち上がる姿を描いた「無限のトライ」

――今作「無限のトライ」は作品を観て書かれたのでしょうか。

 はい。ラグビーの試合も映像で何度も見て、色々想像を膨らましながら、躍動感を凄く意識して書きました。

――最初のデモの段階というのはどんな感じでしょうか。

 いまの雰囲気とは全然違っていて、楽器もピアノもアコギくらいしか入っていませんでした。完成したものはエレキが軸になっているんですけど、デモの段階ではそこまでエレキが全面的に出るという感じには作ってなかったです。最終的にはテンポもちょっと上げました。

――上がってきたアレンジを聴いてどう感じましたか。

 まず素直に「カッコ良くなった!」、さすが大石昌良さんだなと思いました。曲の方向が良い意味で振り切られていたので、その振り切り感が凄く気持ち良かったです。

――阪本さんからリクエストもしたり?

 当然事前にイメージは共有してから作業させて頂くのですが、僕としてはお願いするアレンジャーさんのエッセンスというのを大切にしたいので、僕からはあまりリクエストはしません。自分で「絶対これなんだ」と作るよりは、なるべく色んな人のプラスになるものをどんどん組み込んで行きたいんです。

――以前からそのような考え方でしたか。

 実はそうでもなかったんです。もともと一人でずっと音楽をやってきたので、一人で作りたいとずっと思っていたんですけど、最近になって自分一人のアイディアに凝り固まるんじゃなくて、もっと人の考えを聞きたいと思って…もっと自分にないものをどんどん自分の作品に取り入れて、より作品を膨らませられるほうが自分にとってはプラスなんじゃないかと最近は思っています。

――間口が広がったんですね。歌詞についてですが、作品のどこを一番重視して書こうと思いましたか?

 挫折から立ち上がるというのを大事に書きました。挫折するって相当悔しいじゃないですか… 自分も過去に挫折を感じたことがあって、それは大阪に行ってライブをしていたんですけど、全然上手くいかなくて…。それがメチャクチャ悔しかったんです。自分が感じたその生々しい気持ちというのは書きたいと思っていて。逆境に立っている瞬間に前に進もうとする姿は綺麗だし、美しいと思ったのでその姿はしっかり書きたいと思いました。

――挫折から這い上がるコツのようなものはあるのでしょうか。

 結果がどうなるのかというのは置いておいて、自分が楽しんでいる気持ちだけ忘れなければ、凄く充実感もあるんじゃないかなって自分に言い聞かせていました。夢中になれるんですよね。バイトをやっていても全然身が入らなくて。音楽や俳優は本当に夢中になれるし、ここに自分の能力を全部費やそうとも思えるし、それを見つけられるということだけでも、むしろ幸せなことなんじゃないかなって、自分に言い聞かせていました。いまもそうなんですけど。

――「やっぱりこれ好きなんだよな」となりますね。だから今作の「無限のトライ」というタイトルは凄く良いなと思いました。ラグビーの“トライ”と挑戦する“トライ”という意味もあるんですよね?

 そうです。無限の可能性を自分で挑戦して広げていくんだと意味があります。かなり広がりのある言葉だなと思ったので、無限という言葉をつけ加えました。タイトルが決まったのは最後のほうでした。もともとは「己をトライ」だったんです。他にも「何度でもトライ」とか。「終わりなきトライ」とか色々ありました。でも、どれもこれも平凡な言葉だなと思っていて、最終的に「無限」という言葉は意味合いが広くていいなと思ってて、最後のサビの締めに広がって終われるような、そういう力を持った言葉だと思いました。

――ラグビー作品というところで、やっぱり「トライ」は使いたいですよね。

 最初から「トライ」は使いたいと思っていました。この言葉は本当に良い言葉だと思います。日常の人達にも当てはまるし、ラグビー好きの方にも当てはまるし。パワーワードだと思ったのでサビの最後でドカンと決めたいなと。

――曲の最後の部分にシンガロングパートがありますが、これはどなたが参加されているのでしょうか。

 これはレコーディングスタジオにいたスタッフさんに参加して頂いて、厚みを足して頂きました。大石さんも「歌う」と言ってくれて。高いパート実は大石さんの声なんです。

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