松岡茉優・松坂桃李、子供たちに真剣アドバイス「自分を疑ってはダメ」
松岡茉優、松坂桃李が23日、都内でおこなわれた映画『蜜蜂と遠雷』(10月4日公開)試写会イベントに登壇した。
映画は、恩田陸氏の同名小説が原作。国際ピアノコンクールを舞台に、世界を目指す若きピアニストたちの姿を描く。亜夜は松岡、明石は松坂、マサルは森崎ウィン、塵は鈴鹿央士が演じる。本物の音を追求した作品ともあって、楽曲を実際に奏でるピアニストには、河村尚子、福間洸太朗、金子三勇士、藤田真央という世界で活躍するピアニストが集結した。
この日は、映画が、亜夜と母親、明石と息子、2組の親子関係が鍵となっていることから、「音楽を楽しむ親子試写会」と題し、“音楽を楽しむ親子”限定で上映がおこなわれ、その後は松岡と松坂が登壇し、子どもたちの質問に答えた。
幼少期にピアノを習っていたという松岡に対し、松坂は触れるのも今回の撮影が初めて。この日集まった子供たちの多くがピアノを習っていることから、松坂は「緊張する」と苦笑い。松岡も「習っていましたが、寝てしまう不真面目な生徒。皆さんの前で話せるようなものではありません」と謙遜した。
そんな2人に対する、子供からの質問は大人びた内容。自分の将来にむけてのアドバイスを求めた11歳の子に向けて、松岡は8歳から子役として活動していた自身のエピソードを紹介。「2/1成人式というのがあって、体育館で『将来大人からも子供からも愛される女優さんになりたい』と言ったら、隅にいた教師が失笑していて。信じてくれないことに腹が立った。でも無事昨年初めてレッドカーペットを歩かせて頂いて。見返した、というよりも自分の事を疑わなくて良かったと思いました。だから周りが信じなくても自分自身は疑ってはダメ」とアドバイス。
松坂は「小さい頃漫画家になりたくて。描くことが好きだったけど姉に絵が下手と言われて僕の夢は終わった。でも人生何があるかわからない。学校を出て最終的にはサラリーマンになるつもりだったけど、まさかこの仕事に出会えるとは。何があるか分からないので、アンテナを張っておいたほうがいいと思います」とした。
また、12歳の子を持つ母親からは「もし自身に子どもがいたとして、子どもが音楽の道に行くとしたら賛成するか」という問い。松岡は「音楽家だったらどうお答えになるか分からないけど」と前置きしたうえで、「私はピアノを習ったことで音感がついた。方言の仕事をするときに音が分かるからメロディみたいに方言を覚えやすくて、今に活きています。ピアニストの方にもお会いしましたが、大変厳しい世界だと思います。私の父は、高校卒業するときに、4年間やって芽が出なかったら大学に行ってくれと言って。私はそれでもあきらめなかった。自分の夢がむくむく育ってきて本人がやりたいといったら応援してほしいなと思います」。
小さい頃に、空手を習いたかったものの「同じ道着だから」と父親によって合気道をやることになったという松坂は「その結果今の仕事に活かされていて、アクションは受け身が大事。今思うとやって良かったと思う」と振り返り、「個人としてはやらせてあげたい。熱中することは素敵なこと。大人になってから何に活かされるかは分かりません。合気道がアクションに活かさるとは思ってもいなかったこと。あの時熱中して良かったなと。それがもう一つの強み、魅力になると思います」と答えた。
ほか、撮影で大変だったことや好きなミュージシャンなどの質問も寄せられた。改めて松岡は「クラシック映画で、音楽が好きだったら皆楽しめる映画だと思います。天才たちが子供の時からピアノと向き合ってきた。そんな天才が将来見つめ直す物語。この映画を通して将来を見つめ直す、そんな時間になれたら…」と語った。