4人組ロックバンドのBOYS END SWING GIRLが7月21日、東京・渋谷WWW Xでワンマンツアーライブ『BOYS END SWING GIRL TOUR 2019 “FOREVER YOUNG”』のファイナル公演をおこなった。メジャー1stアルバム『FOREVER YOUNG』リリース後初となる本ツアー最終公演では、アルバム収録曲を中心としたセットリストで会場を青春色に染め上げた。「色褪せない青春を歌いたい」と、インタビューで語っていた彼らのライブは正に“FOREVER YOUNG”だった――。【取材=平吉賢治】

清涼・情熱・青春ほとばしるドライブ感

BOYS END SWING GIRL(撮影=今元秀明)

 ポップでクールでとびきり爽やかなBOYS END SWING GIRL4人のサウンド。“青春まっただ中”を表すように、冨塚大地(Vo&Gt)の「行くぞ渋谷!」というフックは会場一体のジャンプを誘発し、景気良くライブ・スタート。清涼感・情熱感溢れる冨塚の歌声が渋谷WWW Xを包み込んだ。

 テレキャスターを構え笑顔で歌い上げる冨塚、「アンハッピーブレイカー」ではステージを走り回ってのパフォーマンスを魅せる白澤直人(Ba)、逞しくも艶やかなレスポールの音色でギターソロを華麗にキメる鍔本隼(Gt)、タイトでフレッシュなビートを叩き刻む飯村昇平(Dr)、息の合ったアンサンブルは清々しく、光の粒のシャワーのように、輝かしくオーディエンスに浴びせられた。

 この日のフロアの音響具合は抜群。各パートの音がクッキリと聴き分けられるほどのモニタリング環境は、BOYS END SWING GIRLの明朗なサウンドにジャストフィットだった。聴き心地、音圧、会場の熱気と申し分のないライブに、コールにクラップに歓声とオーディエンスの反応は上々だ。

 「俺達もメチャクチャ楽しみだったし、みんなも同じだと思うけど、曲たちもみんなの所に届くのを楽しみにしていたと思ってます!」と、冨塚はMCでこの日の気概を伝えた。「Goodbye My Love」では鍔本はストラトキャスターに持ち替え、ソリッドでフレッシュなサウンドを奏でる。低音域をしっかりと支えつつも、冨塚の歌に寄り添うようなベースラインが映える白澤のプレイは目を見張るものがあった。

 ここまでストレートなポップ、ロックチューンが並んだなか、マイナー調の楽曲「縋 -sugare-」を挟んだ。フロアを紅く染める照明と印象的なギター・テーマフレーズ、そしてファルセット混じりのボーカルがライブに彩りを加える。そして「リレイズ」と続き、再度明るい花を咲かせるように、飯村のタイトなドラミングが牽引するパワフルなアンサンブルを魅せた。

 そして、「毛布の中で抱き合って」では、冨塚は座っての歌唱で展開された。「俺の部屋に来て、『新しい曲が出来たから聴いてよ』という感じ」という、冨塚の言葉そのままの雰囲気が醸された空気感にゆったりと歌に聴き入るオーディエンス。その後はストレートな8ビート、エレクトロビートを出力しての楽曲と、ライブにビシバシと緩急をつけ、怒濤のドラムソロ&ベースソロコーナーに突入。ポップロック一色ではない BOYS END SWING GIRLの地力をライブで魅せてくれた。

『FOREVER YOUNG』は“約束のアルバム”

BOYS END SWING GIRL(撮影=今元秀明)


 
 「みんなの心に栄養がいくようなライブにしたい」と、冨塚はBOYS END SWING GIRLはとにかく楽しんでもらいたいということをMCで強い想いを込めて伝えていた。そんな彼らの想いが届いているかどうかは、オーディエンスの反応が如実に語っているようだった。「リべラル・セブンティーン」ではタオルの舞いが巻き起こり、「Alright!! ~令和若者讃歌~」では<Alright!!>のコール&レスポンスが一斉に鳴り響く。この日のライブの“色褪せない青春”が形として、確かにそこにあった。

 様々な楽曲での演奏アプローチにソロコーナー、飯村のニュー・ヘアスタイルと、各色のチャレンジを魅せてくれたBOYS END SWING GIRLは、アンコールでもう一色魅せてくれた。冨塚による「クライべイビー」の弾き語りである。しかも、担当楽器のギターではなく鍵盤でのプレイだ。ライブでの披露のために3カ月間という期間の練習を積み重ねたというそのプレイは、真剣味が醸す緊張感が滲みながらも堂々たるナイス・テイクだった――。

 最後のMCではBOYS END SWING GIRLから、今冬に新たなリリース発表があることがアナウンスされた。そして、「今日はこの瞬間しかなくて、みんなと一緒につくった今日の音楽があって、それをみんなずっと忘れないでいてほしいと思うんです――俺はこの日の渋谷WWW Xを絶対に忘れないから!」と、メジャー1stアルバム『FOREVER YOUNG』は“約束のアルバム”にしたかった、という想いをオーディエンスに告げた。

 「約束の歌を歌います」。

 最終曲は「フォーエバーヤング」。サビではオフマイクでの会場一体となる大合唱が巻き起こり、あまりにも爽やかな青春を音で、声で、光景として、清々しく表していた。バンドと、オーディエンスと、この日のライブを総括するようなサウンド、演奏、歌唱に、会場の熱気は終演後もさめやらなかった。ダブル・アンコールが沸くも、バンドがステージに姿を現すことはなく、スクリーンにMV映像が流された。

 そして映像終了後には更に、更に、アンコールの声が広がった。そんなオーディエンスの熱いフィードバックが、ワンマンツアーライブ最終公演の幕閉じとなった。

 終演後、BOYS END SWING GIRLは“色褪せない青春”というフレーズがピッタリな表情でこう語っていた。

 「みんなと音楽を楽しむことを共有できたことが、一番良かったです――」。

セットリスト

『BOYS END SWING GIRL TOUR 2019 “FOREVER YOUNG”』
2019年7月21日@渋谷WWW X

01. MORNING SUN
02. アンハッピーブレイカー
03. 蒼天を征け
04. Magic
05. Goodbye My Love
06. 縋 -sugare-
07. リレイズ
08. 毛布の中で抱き合って
09. Wonder Light
10. ナニモノ
11. Beasts
12. Boo!! Let it go!!
13. SUNNY!!
14. ロックンロールファンクラブ
15. リべラル・セブンティーン
16. Alright!! ~令和若者讃歌~

ENCORE

EN1. クライべイビー
EN2. フォーエバーヤング

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