チャラン・ポ・ランタン「今が一番結束が強い」結成10年を経て強まった絆
INTERVIEW

チャラン・ポ・ランタン「今が一番結束が強い」結成10年を経て強まった絆


記者:小池直也

撮影:

掲載:19年07月17日

読了時間:約10分

全てセルフプロデュース

チャラン・ポ・ランタン

――では、収録曲で特に思い出に残っている曲はありますか?

もも やっぱり「進め、たまに逃げても」は世間とのズレを感じた曲だったので印象深いですね。

小春 それに一番考えた曲かも。1行ずつホワイトボードに書いて考えたことはなかったです。ももが歌詞を書いてるんですけど、私の考えた言葉で採用されたのは“七転八倒”という言葉だけ(笑)。

もも チャラン・ポ・ランタンの世界観を作り出しているのは、小春ちゃんだと思ってます。だから「もっと私の曲を」とは言わないですし、もっと曲作りしたいという気もない。でも初めて作詞したという意味で、この曲は個人的に新鮮でした。作曲を2人するのも初で「この部分はこんな感じにしようよ」みたいに意見を言ったりしたのがプロっぽかったです(笑)。

小春 プロフェッショナルは仲間とよくぶつかりあってるから。

もも ちょっと変な空気になることもありました。歌詞ならまだしも、曲まで一緒に考えるのは抵抗がありましたね。でも、それが今まで一番手をつけてなかった部分だったんです。作詞・作曲は小春っていうのが当たり前でしたから。

小春 固定概念を破壊するみたいな感じですね。

もも 新しいことだったので、やりがいがありましたね。でもその曲が「大人たちに揉まれて丸くなった」みたいに思われて。

小春 うちらも大人なのに。

もも そもそもチャラン・ポ・ランタンにはプロデューサーもいないし。

――え、いないんですか?

小春 そうなんですよ。SNSとかで「この曲だけプロデューサー変わった?」という意見もあるんですけど、いないんです。たぶん理由をつけたかったんだと思いますよ。「撃つなら俺を撃て!」みたいな気持ちになりました。見えない大きな魔の手を想像してしまうのかも。あの曲なしでメジャーの5年間は語れないくらいです。

もも 私たちはこんな感じなのにね。

小春 「プロデューサーはいない」っていうTシャツを作ろう!

――ということは、今までずっと基本的にセルフプロデュースだったという認識でいいですか?

小春 そうです。「今作はセルフプロデュース」っていう売り文句がありますけど、私たちはいつもそう。衣装・メイク含めてセルフプロデュース、みたいな。そういうことがなかなか伝わりづらかった5年でもありました。メジャーになってからも衣装はお母さんが作ってる、みたいな話を毎回言わないと知ってもらえなかったり。

もも やっぱり思ってる以上に自分たちのことは知ってもらえてないから、ちゃんとクレジットに書かなきゃだめだね。

小春 いまだに私がメンバーの譜面とかも書いてます。そういう仕事をしてくださるアレンジャーさんがいるっていうのも最近知りました。「え、これは言わないと小春が書いてるって知られないの?」って思って。

――たしかに、それだと編曲家がいるのかなと思ってしまいそうですよね。

小春 バンドをはじめてから長いことやってきたので、あまり違和感を感じていませんでした。でも11人編成のアレンジをしたときに限界を感じましたね。みんなどうしてるんだろうと思ったら自分で書いてなかったという…。私はアコーディオン弾きなので、トランペット2人をどう割り振るのかが考えるのが難しかったです。

もも この5年は自分たちの当たり前が人から見たら、当たり前じゃないってことに気付いた期間だったのかもしれません。

小春 こんなに印象が人によって違うのかということは分かりました。

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