吉岡里帆、高杉真宙/見えない目撃者

 シンガー・みゆな(17)の楽曲「ユラレル」が、吉岡里帆が主演を務める映画『見えない目撃者』(9月20日公開)の主題歌に決まった。

 交通事故によって自らの視力を失うとともに最愛の弟を亡くし、更には警察官の道までも絶たれた主人公の浜中なつめは、ある日、車の接触事故に遭遇、その事故現場で車の中から聞こえた女性の声から誘拐事件が起きていると考え、聴覚、触覚、嗅覚などで感じた手がかりを駆使し事件を追う。やがてそれは「女子高生連続殺人事件」に発展、猟奇殺人犯は真相に近づこうとするなつめの身にも迫っていく…。主演は吉岡里帆。悲しい過去を抱え葛藤しながらも、立ちはだかる障害や迫りくる危機に果敢に立ち向かう難役に挑み、俳優としての新境地を見せる。共演は高杉真宙。なつめの「人を救いたい」という熱意に感化され、彼女の“もう一つの目”となり事件に立ち向かっていく一人の少年を静かに熱演している。監督は森淳一。『Laundry』(02)で長編映画デビュー後、『重力ピエロ』(09)や、昨年のドラマW『イアリー』など人間の内面を抉り取るようなサスペンスを得意とし、本作を強烈な戦慄を覚える究極のノンストップ・スリラーへと昇華させた。

 その主題歌が注目の17歳シンガー・みゆなによる書き下ろし楽曲に決定した。みゆなが映画に楽曲提供をするのは、本作が初となる。

 「FUJI ROCK FESTIVAL’19」異例の出演決定や、タワレコバイヤーが推す「タワレコメン」・YouTube「Artists to Watch 2019 ~注目の新人~」に選出されるなど、歌唱力と独創的な世界観が「異才」と評され、今最も注目されている期待の若干17歳の若手シンガーみゆな。

みゆな

 本作の主題歌に決定した新曲「ユラレル」は、完成前の映画を彼女が観て作ったもので、主人公なつめ(吉岡里帆)の事件に対する怒りと、自身の不甲斐なさを呪う叫びを表現し、様々な困難が降りかかる中でも猟奇殺人犯に挑むなつめの強い覚悟をも想起させた渾身の一曲に仕上がっている。さらには被害者である女子高生とみゆな自身が同じ世代であることも影響し、映画とキャスト、そしてみゆなとの同調性が引き出された静けさとエモーショナルさを併せ持つ楽曲だ。

 主題歌にみゆなが抜擢された経緯は、本映画の制作陣がふさわしいアーティストを探していたところ、みゆなの楽曲を聴いて10代らしからぬ歌唱力と独創的な世界観に興味が湧き、映画のために書き下ろしてほしいとオファーしたことによるという。

 発表に併せて、主題歌を担当したみゆなのコメント、また主演を務める吉岡里帆と森淳一監督からは楽曲を賞賛するコメントが到着した。

吉岡里帆コメント

 書き下ろしていただいた主題歌を初めて聞いた時、あまりになつめの声を代弁してくれていて、驚きました。

 また、みゆなさんは17歳の女の子で、私が役を通じて探していた、事件に巻き込まれてしまう女子高生とリンクしているんです。その女子高生がずっと不安を抱えながら一人で叫んでいる、その叫びも楽曲から伝わってきました。

 みゆなさんは、初めて映画主題歌を担当されると伺いました。わたしも本作の中で、目が見えないことであったり、盲導犬役のパルとの演技、そしてこれほどまでに本格的なアクションといった、自分にとって初めてのことに挑戦させていただいたこともあり、映画『見えない目撃者』で、みゆなさんと一緒に新たな扉を叩いている気がしてとても嬉しいです。

森淳一監督コメント

 主題歌は、映画の余韻に関わる重要なパートです。作品の内容にぴったり寄り添うのか、もしくはアーチスト独自の新たな解釈を加えるのか。「ユラレル」を初めて聞いた時、その真ん中を、真っ直ぐつらぬく曲だなと感じました。硬質で鋭く尖った槍で、後方から映画を串刺しにされる感じ。ダークな雰囲気を醸し出しながらも情感豊かで心地よいサウンドが、映画を観客の心にしっかりと着地させてくれると信じています。

みゆなコメント

 映画『見えない目撃者』の主題歌を担当させていただけるということに、驚きと喜びが溢れています。楽曲制作をするにあたり映画を拝見させていただきましたが、「こんなに引き込まれる映画があるのか」と、初めての感覚でした。この映画に、人の愛を感じました。いろんな形の愛を見ることができ、私の中で忘れられない作品となりました。楽曲は、試行錯誤しながらも、実験的なサウンド、エフェクトを使用して出来上がっていますので、映画館で味わって頂けると嬉しいです。

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