SIRUP「音楽は第三者の認識に訴えかける媒体」意識の源流に迫る
INTERVIEW

SIRUP「音楽は第三者の認識に訴えかける媒体」意識の源流に迫る


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:19年06月13日

読了時間:約16分

グルーヴ、BPM「メチャクチャこだわってる」

SIRUP

――グルーヴのある音楽が好きなのですね。グルーヴでBPM(テンポ。1分間に刻まれる拍数)って大事ですよね? 巷で聴く音楽で「もう少しBPMが違ったらもっと気持ち良いかも…」と思うことがたまにあるのですが、SIRUPさんの作品でそう感じる楽曲はありませんでした。BPMは意識していますか?

 意識しているというか、それこそ“FEEL GOOD”ですよね。気持ち良いか気持ち良くないかはメチャクチャ大事にしていて! けっこう絶妙なBPMの曲が多いので、自分のその日によって気持ち良くないときもあるんですよ(笑)。音源では気持ち良いんですけど。それくらい絶妙に感覚で作っていってる感覚はありますね。

――BPM100とか130などのジャストから絶妙にズラした曲が多そうで。

 そうですね。「Do Well」とかもBPM116とかかな?

――90.5とか、そこまで突き詰めているのかなと感じたり…。

 そこまで細かいのはあまりないですけど、僕もそれをちょっと感じるときはあります。ベースはそうだけど僕の歌は基本的にレイドバック(ゆったりとリズムをとる)しているので、全体で聴いている感覚はジャストではないと思うんです。例えば曲中でも遅れて聴こえるけど、最終的にサビのジャストのところに収束させる気持ち良さとかはあったりするかもしれないです。

 曲のバース毎に聴いてもらいたい感覚があるので、前のめりになって欲しいなと思うところはジャストで歌ったり、ちょっと前になってたりするんですけど。ループなので、「A」「B」「サビ」という展開を作るのに全くコード進行が変わっていないから、そこで「B」という展開を感じさせるには、そういう手法をもしかしたら無意識的にやっているのかもしれません。

――そういった、グルーヴ起因の「曲の流れ」があると、トラックを飛ばして次の曲、ということをしないんで最後まで聴くようになるんですよ。

 そう。単調にならないようにしていますね。ループもので曲を作って単調にしないって、一番難しいんですけど。足し算、引き算にもなるし、僕の音楽って逆に情報量が多いと思うんです。

――意図的に感じられない情報量が多い、と感じますね。

 一周目だけでは感じられないというか…だから感覚的に気持ち良くなったりするのかなと思ったりします。

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事