「人として成功したい」
――今作『“HIME”』はどういった方々に届けたいですか?
みなさんに届けたいというのはもちろんなんですけど、私が共感してほしいなと思う層があって、それは同世代の10代から20代の「洋楽しか私好きじゃない」みたいな子に聴いてほしいんです。
――そういった層に今作は刺さるのではないかと。
正直、私自身もその類いの学生だったんですよ。「J-POP全然聴きません」みたいな。洋楽が一番格好良いみたいな風に思っていたし、「洋楽を聴いている自分イケてる」っていう。本当につい最近までそういう頭だったので、そういう子達って少ないようで、層はぶ厚いと思うんです。音楽好きとかオシャレな子達って特に。
――そういった方々は特に想いが熱いですからね。
オシャレな子とか、感覚に長けている子に限ってそういう子が多いんです。だから私はそういう人に聴いてもらいたいし、そういう人に刺さってほしいし、「どう刺さるか」というのを日々考えて作ったので。私のアーティストの姿勢としてそれがあるので、そこはブレないですね。ルックスもJ-POPのアーティストがやらなそうな、ちょっと派手さやエッヂの効いたルックスになっているし、今作のアートワークの参考画像は全部海外のモデルさんだったりを参考にしてやったんです。「日本でもイケてる子いるじゃん」って思ってもらえるようなものにしたので、少しでもそういう思いが届けばいいと思います。
自分の存在自体がMiiであることというのを届けていきたいという中で、もちろん楽曲が刺さるのは一番嬉しいんですけど、そうでなくても私のルックスや着ている服装やメイクや髪型も見て欲しい。極論、曲はあんまりだけど「Miiってメイク、服装オシャレだね。わかってるね」という視点からMiiのことを好きになってもらえたら、私はそれで良くて。
――スタイルや生き様を好きになってくれるというのはいいですね。
歌手として成功したいというのはもちろんあるんですけど、人として成功したいんですよ。歌は先決なんですけど、更に上回る目標として。歌が良かったとしても着ている服ダサいしSNSもダサいし、言ってることも…となると、どれだけ売れていたとしても嬉しくないんですよ。歌はまだもうちょっとあるだろうけど、ルックスや姿勢は本当にいいよねって言われる方が嬉しいというか。歌手として成功したいというのはもちろんあるけど、まず“人として”という。そうありたいなと思います。
――青山テルマさんがMiiさんの制作に携わったように、Miiさんもまた後々Miiさんの後輩などに同様のアプローチをして広めていきそうですね。
そうですね。後輩とか同じラインの子、仲間だったりとかと死ぬまで一生楽しくやっていけたらいいなと思います。
――それは“人としての成功”ですね。
人望ほど良い財産はないと思うんです。
(おわり)