つるの剛士が21日、東京・日本橋三井ホールで芸能界デビュー25周年、アーティスト活動10周年を記念したワンマン公演『25周年記念ライブ ~25th ☆ 10th~』をおこなった。記念日を祝う満面の笑顔を浮かべたファンが会場を埋め尽くした。芸能生活25周年、アーティスト活動10周年という節目のステージに集まったファンは温かい空気でライブを作り上げ、大盛況のアニバーサリーとなった。タレント・俳優・歌手として幅広く活躍するつるの剛士のファン層は非常に広い。同公演では17日に発売したオールタイムベスト『つるの剛士 ベスト』の収録曲を惜しみなく、陽気に、弾けるように演奏し、集まった幅広いファンに応えた。【取材=平吉賢治】

つるの剛士の“さまざまな玄関”から入ったファンが集結

つるの剛士(撮影=国府田利光)

 会場を埋め尽くすファンとつるの剛士の温かい空気が会場を包む。芸能活動25周年、音楽活動10周年というお祝いムードのなか、終始ほほえみが絶えない2時間半のジョイフルな空間は、つるの剛士の愛される人間性が表れているようだった。

 フジテレビ系クイズ番組『クイズ! ヘキサゴンII』、ユニット「羞恥心」、カバーアルバム『つるのうた』、NHK番組『将棋講座』、ラジオ番組『BPR5000』など、つるの剛士を知るきっかけには多様な“入り口”がある。つるの曰く、その“さまざまな玄関”を開けて、つるの剛士に触れたという老若男女のファンが、日本橋三井ホールを埋め尽くしていた。

 年齢層が非常に幅広いオーディエンスのこの日、つるのはあらゆる世代に刺さるカバー曲、そしてオリジナル曲を、どの層にも隅々まで歌が届くセットリストで応える。つるのは5人のミュージシャンとともに、 つるの剛士オールタイムベスト『つるの剛士 ベスト』の収録曲を惜しみなく、陽気に、弾けるように演奏した。

つるの剛士(撮影=国府田利光)

 SGギターをかき鳴らしながら意気揚々と「メダリスト2020」を歌うつるのは満面の笑み。オーディエンスもそれを受け、オールスタンディングで応え、続く「GLORIA」の8ビートで一気に熱量が上がる。

 「おかげさまで芸能生活25周年! 歌手活動10周年を迎えさせて頂きました!」??大声でファンに謝辞を向けると温かい拍手と歓声が止まらない。25年の間、つるの剛士の活動がどれだけファンに喜ばれていたかということが音として、空気として、会場中に広がっていた。

 MCでのつるの剛士のトークはファンと非常に距離が近く、とてもハートフル。お笑い芸人顔負けの“客イジり”で温かい笑いを誘うあたり、芸能生活25周年の彼のキャリアを感じさせる。バンドメンバーにも、「若い面々とスーツ・コーディネート」というその日のいでたちから“新宿の若いホスト”に見立ててイジりたおし、その場にいる全員で音楽と笑いで場を温めていた。これこそ、つるの剛士の周囲に対する愛が成せる“技”ではないだろうか。

カバー曲とオリジナル曲で浮き彫りになる歌唱力

ライブの模様(撮影=国府田利光)

 DREAMS COME TRUEの「未来予想図II」カバーでは、のびやかで力強い歌声を魅せる。つるの剛士の歌声は、声量・声域ともにレンジが広く、アップテンポの楽曲とバラードの楽曲とでは、それぞれの表現の魅力が表れ、聴き所充分だ。生で聴くと、TVやCD、YouTubeなどで聴いているとなかなか気付けない声量の大きさに圧倒される。

 「未来予想図II」は、つるの剛士の“バラード力”が存分に味わえるポイントだ。せり上がるようなメロディラインで比較的難易度の高いこの曲を、つるの剛士は叙情的に、豪快に歌い上げる。「初恋」「プライマル」は彼の人間的色気、アダルトな魅力が発揮され、往年の名曲たちはつるのカバーによってライブ空間であざやかに蘇った。

つるの剛士(撮影=国府田利光)

 パンキッシュな演奏で「はやぶさ2」を終えた後、つるのは燃え尽きるようにステージに倒れ、謎のキャラに転じファンを困惑させる。彼がMCで後述する「何かが憑意した」という言葉がピッタリのくだりであったが、キャラ設定が謎過ぎて客席からは笑いが漏れっぱなしであった。

 “彼らしい”一幕を経てライブも佳境へ。『ウルトラマンダイナ』の前期エンディングテーマ「君だけを守りたい」を「シュワッチ!」というアクションとともに熱唱。あまりにも楽しそうに熱唱する姿は、『ウルトラマンダイナ』でつるの剛士を知ってファンになったという人にはたまらない選曲だ。

 「DAIGOと一緒に作りました!」という「ヒカリノキズナ」で本編を終了。アンコールではまだまだ盛り上がる。PRINCESS PRINCESSのカバー「M」では繊細かつパワフルにロックバラードを歌い上げる。ライブ前半に披露された「未来予想図II」もそうだが、“女性曲を男性がカバーするとき特有の違和感”をいっさい感じさせないのは、つるの剛士の歌手としての魅力のひとつだろう。

 そして、最後の曲「死ぬまで夢を見る男」を全力で歌い切り、「これからも色んな玄関を開けます。これからもよろしく、ありがとう!」と華々しい笑顔で25周年アニバーサリーライブを締めくくった。

 7月12日から始まる『つるの剛士25周年記念ライブツアー ~25th ☆10th~』への意気込みをファンに伝え、つるの・バンドメンバー・オーディエンスと、会場全員が満面の笑顔で記念すべきステージの幕を閉じた。音楽・トークが幅広いファンに包まれ、にこやかに花咲くような一夜は、つるの剛士の愛される人間性が表れているようだった。

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