加山雄三、82歳の誕生日「皆さんのお蔭で今がある」愛船「光進丸」に感謝も

Boseと加山雄三
加山雄三が主宰する『若大将フェスティバル2019 ~君にありがとう~』が10日・11日、東京国際フォーラム ホールAで開かれた。82歳の誕生日だった11日公演は、誕生日ケーキのサプライズ。「支えてくれる皆さんがいて今がある。全ての人に感謝します」と思いを伝えた。また、この日の公演前には、司会を務めたBose(スチャダラパー)とともに囲み取材に応じ、公演に向けての意気込みを語った。
2016年の初開催から4回目となった本フェス。初日の10日は、五木ひろし、和田アキ子、横山剣(クレイジーケンバンド)、前田亘輝(TUBE)が登場。11日は、さだまさし、森山良子、THE G.S with 高見沢俊彦(THE ALFEE)が出演し、盛り上げた。
11日公演の開催に先立っておこなわれた報道陣による囲み取材。「きょうはありがとうございます」と力強い声で感謝を伝えながら会見場入りした加山は、カメラマンの撮影にガッツポーズを決めたり、手を振ったりと快く応じた。
前日の公演を終え「回数を重ねるごとに歳も取っているけど、劣化しないように心がけてきました。昨日は声がバリバリになってお風呂で発声練習をした。努力をしないと進歩はない」としながらも、体調は「万全じゃないよ」。それでも「皆さんの力があって、ファンの皆さんのお蔭で今がある。ありがとう」と改めて感謝の言葉を口にした。
加山が11日公演で懸念していたのは、さだまさしの饒舌。「さだの話は面白いけど、5分ぐらいが30分ぐらいになる」。Boseも「喋らないと言っているときが怪しい」とトークが弾んで持ち時間をオーバーするのではないかと心配していた。
本番でも加山から釘を刺されたさだは「きょうは時間を守ることをテーマにしている」と宣言。さだの後に出演した森山良子は、さだの去り際に「俺早かっただろう」と言われたといい、実際に持ち時間1分巻いて収めたようだ。とは言ってもそこはさだ。加山への尊敬の思いを面白おかしく力説。加山も舌を巻いていた。
その本番では、昨年4月1日に焼失した愛船「光進丸」についても触れ、森山とさだ、高見沢とで同名の曲を歌った。囲み取材でもそのことに触れており「歌は永遠に残るから、歌う度に思い出す。『光進丸』は楽しい時間をくれた。1981年に造って長い間、それこそ人間でいったら高齢。だから『私がいるとご迷惑をかけるから』と自ら絶ったとしか思えない。ロウソクを立てて送り出してあげた。船は進水の時に御霊入れという儀式をやる。魂が入っていたから感謝をもって送り出してあげました」。
また、加山は「海を綺麗にしようということで基金を立ち上げました。売り上げの一部を寄付するので、お客さんが直接寄付することと同じ。なのでご協力をお願いします。僕が死んでも続くと思います」と基金への思いを語った。
この日の公演は、さだが「関白宣言」、森山良子が「涙そうそう」、THE G.S with 高見沢俊彦が「ブルー・シャトウ」、加山雄三が「お嫁においで」などヒット曲を惜しみなく披露。加山がバンド名を付けたザ・ワイルドワンズのメンバーで、2015年に亡くなった加瀬邦彦さんの生前の音声も流された。
「そこにいると思う」と加瀬さんとの思い出を語った加山は、支えてくれた仲間やファンに向けて何度も感謝の言葉を口にし、更に「音楽が人と人を繋いでいる。素晴らしい」とも。音楽で満たされたフェスは、2日間で1万人の観客を集め、大盛況のうちに幕を閉じた。