何かに染まる私ではない私――、小島梨里杏 自分らしさを見つけた「半透明」
INTERVIEW

何かに染まる私ではない私――、小島梨里杏 自分らしさを見つけた「半透明」


記者:木村武雄

撮影:小島梨里杏

掲載:19年03月26日

読了時間:約8分

 小島梨里杏にとって自身初となる『小島梨里杏1st写真集 「半透明」』(玄光社)が発売された。昨年『DAM CHANNEL』第15代MCに就任した小島。もともと音楽が好きなだけに願ってもない仕事だったが、この1年を通して新たな発見もあったという。そのなかで臨んだ初写真集は「自分らしさ」を追及した。3月27日からは初の主演舞台『ひびのばら』(東京芸術劇場 シアターウエスト、27日~31日)、更に6月には映画『ある町の高い煙突』の公開も控える。この1年、彼女にどんな変化があったのか。【取材=木村陽仁/撮影=片山拓】

「小島ノート」

 「気持ちの変化はありました」

 前回、インタビューをおこなったのは昨年3月。『DAM CHANNEL』のMCになって初収録を終えた直後のスタジオだった。凛とした佇まいで丁寧に答えていたのが印象的だった。当時と比べその雰囲気は変わらないものの幾分晴れやかな表情をしている。何か新たな展望を迎えているような内側から溢れる明るさがあった。輝く目線の先にあるのは明るい未来――。

小島梨里杏

小島梨里杏

 音楽が好きで生活とともにある。『DAM CHANNEL』MCはそんな彼女にとって願ってもいないオファー。ただ、当初は不安もあった。『天才てれびくんYOU』(NHK Eテレ)ではMCを担当しているが、ゲストを迎えてのトークMCは今回が初めてだったからだ。何より、敬愛する音楽を仕事にすることへのプレッシャーがあった。

 「好きだからこそ、ゲストに来られた皆さんの良さを引き出せることができるのか、ということを考えて不安になっていました。でもやっていくなかで余裕も出てきて、収録を終えたあとにスタッフさんから頂いた言葉が『アーティストさんが喜んで帰ってくれたよ』ということでした。それが本当に嬉しくて」

 「小島ノート」と呼ばれるものがある。小島がゲストアーティストを事前に下調べしたノートだ。そこには新譜や自身が感じた思い、過去作からの繋がりなどがしたためられている。

 「作品を聴いてどういう思いで作られたのかを自分なりに考えていました。曲への捉え方は自由だけど、曲を聴いて浮かぶ映像や思いが作り手と同じかそうではないかを確かめたり。たとえ使われなくても、皆さんが魂を込めて作品だからそうした思いは伝えようとしました。新しい作品だけじゃなくて過去の作品も聴いて『全然違うな』とか、『こういうことを貫いているんだ』とか。それで喜んでもらえたというのは嬉しくて、音楽が好きだからこそではありましたが、やって良かった」

小島梨里杏

小島梨里杏

 MCの経験は、新たな気づきも与えた。

 「これまではインタビューされる側だったので、する側に立った時にインタビュアーの大変さや凄さが分かりました。それをきっかけに様々な職種の人たちに目がいくようになって、その分野で活躍している人は凄いなと思えて。インタビューをしてもらえることのありがたみも更に感じました」

 人への興味は、役を演じる上で学びにもなる。

この記事の写真
小島梨里杏
小島梨里杏
小島梨里杏
小島梨里杏
小島梨里杏
小島梨里杏
小島梨里杏
小島梨里杏

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事