アイドルグループのprediaが2日、TOKYO DOME CITY HALLで全国ツアー『predia tour “THE ONE” FINAL ~Supported By LIVEDAM STADIUM~』の最終公演をおこなった。同ツアーは昨年12月のベストアルバム『Best of predia “THE ONE”』のリリースに伴い、昨年9月9日のFUKUOKA BEAT STATION公演を皮切りに全国9カ所を回った。また、このライブを以って青山玲子、林弓束、岡村明奈、松本ルナが卒業。最終公演では終始高いパフォーマンス力を見せ、後半には卒業への心境をそれぞれが語った。濃密だった彼女たちの10人編成ラストステージを以下にレポートする。【取材=小池直也】

10人最後のステージ

predia(撮影=古川朋久)

 場内のBGMとして流れていた、prediaの「カーテンコール」の音量が大きくなる。楽曲のダイナミックなエンディングに合わせて暗転。そしてSEとともに湊あかね、まえだゆう、桜子、林、岡村、沢口けいこ、水野まい、松本、青山、村上瑠美奈の順番でメンバーが登場。フロアの期待値がピークに達した。

 そして開幕は「SUPER WOMEN」から。強い4つ打ちのリズムで観客を煽っていく。続いて「刹那の夜の中で」、「水曜日の嘘」とダンスチューンを並べて、序盤からテンションの高いパフォーマンスを見せた。村上が「TOKYO DOME CITY HALL! ツアーファイナル楽しんでるかい? いくよ!」と煽ってから始まった「The Call」では観客が大合唱。

 曲間でメンバーによる自己紹介もおこなわれた。林のMCで会場の年齢調査がおこなわれると、なんと10代から70代までのファンが集まっていることが判明。彼女たちの人気の高さが窺える瞬間だった。

 MC明けは「Re-Make」から。細かい振付で10人の動きがシンクロする。ここからは先ほどまでとは違い、クールに魅せる楽曲を並べていった。村上と湊ののびやかな声が存在感を増す。「Hotel Sunset」でグルーヴィなラテン風味を演出してから、映像が映し出される。懐かしいロールプレイングゲームのなかにprediaが入り込んだ、という内容で会場には笑いも生まれていた。

 衣裳替えを済ませて「Close to you」、「ヌーベルキュイジーヌ」と続け、ポップにパフォーマンス。強い重低音も特筆すべき点で、踊らずにはいられない。村上、まえだ、沢口、岡村、松本で披露したキラキラチューン「Secret of Light」に対し、湊、桜子、水野、青山、林による「SHADOW PLAY」はアグレッシブ的なステージを展開。

 再度MCを挟んでから、本編はラストスパートへ。パワフルな曲が続けて投下されていく。「Dream Of Love」ではミラーボールが回り、「クレオパトラ」ではエキゾティックな映像に水野がフィーチャーされる演出も。そして「禁断のマスカレード」に続いて、開幕でも流れた最新シングルリード曲「カーテンコール」で締め。湊のパワフルボイスが曲中のメロディ最高点に到達してエンディング。メンバーが退場。

 すぐに会場にはアンコールの声があがる。ほどなくしてTシャツに着替えたメンバーがステージに帰還。10人体制最後のアンコールに臨んだ。「壊れた愛の果てに」、「Wake Up」。段々と終わりが近づく。ここでのMCでは、まず卒業する4人が口を開いた。

卒業メンバーのスピーチ

predia(撮影=古川朋久)

 林は「私はprediaに参加して、まる7年活動させてもらったんですけど。正直、しんどい時とかつらい時もありました。メンバーとスタッフさん、家族や仲間、ファンのみんながいたからここまで来ることができました。私にとって、この7年間はかけがえのない宝物です」

 松本「自分が芸能界に入って、アイドルになるなんて夢にも思わなかったんですけど。prediaという素敵なグループに出会えて、言葉では表せないくらいかけがえのない場所になっていました。どんなつらいことがあっても、メンバーの支えがあって色んなことを乗り越えてこれました。prediaのことを考えない時がないくらい、グループとメンバーが大好きでした。新しい道に進む私たち4人を受け入れてくれたメンバー、応援してくださった皆さま、ありがとうございます。私は卒業してもprediaは大好きなので、これからは応援していきたいです。この先つらいことがあっても、応援してくれたみんなのことを思い出して乗り越えていきたいと思います」

 岡村「昨日の夜から何を伝えるのが一番いいか、ずっと考えていたんですけど。ステージに立って、いつも一緒にいてくれるメンバーだったり、応援してくれるみなさんがいるから本当に頑張れました。すごく幸せで、感謝の言葉しか出て来なくて。よく8年間、prediaとして活動できたこと、ありがとうございました。これから辛い時があるかもしれませんけど、笑って声をかけてくれたみなさんの顔を思い出して頑張ろうと思います。みなさんもつらいことがあったら、笑っている私たちを思い出してくれたら嬉しいなって思います。なので最後は笑顔で言います。ありがとうございました」

 青山「伝えたいことが2つあって。ひとつめは、人生のなかで本当に幸せな8年間だったなと思いました。握手会やSNSのリプライでも『今日ライブ楽しかったよ!』とか『行ってよかったよ!』という一言でステージに立ち続けることができました。本当にありがとうございます。もうひとつは、残る6人が明日から、かっこいいステージを見せてくれると思うので、これからもprediaのことを応援よろしくお願いします」

残留メンバーのスピーチ

predia(撮影=古川朋久)

 残る6名もメッセージを贈る。

 沢口「私は当たり前に10人でいると思ってたから、すごい寂しくて。納得できない気持ちもちょっとだけあって。でもツアーを通して、4人とも決意は固いし。この卒業って選択はきっとみんなの未来にとって正解なんだって思って、今日もステージに立ってました。本当に4人はキラキラしてて、いつも優しくて。困らせる事もたくさんあったと思うけど、本当に支えてくれて。心から尊敬するメンバーなので、卒業してからも幸せな時間を過ごせると思います。私もいちファンとして、いち友達として応援したいと思いました。私6人の新体制はどんな形になるかは未定な部分もありますけど、前に向かって歩んでいくのは心に決めています。この4人の分まで頑張ろうと思うので、これからも応援よろしくお願いします」

 水野「8年間、4人と苦楽をともにしてきて。とにかく楽しいも苦しいも同じ事を共有できることもなかなかできないと思う。絶対泣いちゃうから『別に』みたいにツンとしてたんです。でも本当は昨日一日中泣いてて。今日も涙が止まらなそうなんですけど、10人でメジャーデビューさせて頂いて『東京ドームにいきたいね』って目標をたてたんです。10人で思い描いた夢に6人で向かって頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします」

 桜子「卒業するのも、続けるのも自分たちで決めたことだから。なんでこんなに悲しいのかわからないけど。ただただ寂しいっていうのがある。10人で今までやってきた時間は消えるものじゃないわけだし、止まるわけにはいかないので。みんなよろしくお願いします。卒業するみんな、本当にありがとう。これからはただの友達です(笑)」

 まえだ「prediaは仕事だけじゃなくて、プライベートもずっと一緒で。家族よりも時間をともに過ごしてるんじゃないかなっていうくらい、毎日一緒なんです。だから悲しいなって思ったんですけど、みんなで一緒に作り上げたこのprediaを6人で、もっともっと大きい夢に向かって歩いていきたいな。4人の気持ちも6人で叶えていきたいなって、今はそう思ってます」

 村上「この10人だからたどり着けたなって本当に思ってます。4人のことが大好きだし、心から尊敬してます。大好きな4人だからこそ、新しい目標に進むことを心から応援したいって思っているし。その決断を4人がしたのと同時に、私たち6人はこの先にある夢をまだまだ追いかけるんだ、と覚悟をしました。prediaは最強のグループになります。ただ続けるんじゃなくて、進み続けられるグループなので。それをこの先も見せていきます」

 湊「不思議な気持ちでいるんですけど。本当に辞めちゃうんだ、と思って。いよいよ実感が湧いてきました。4人がいなくなるのが寂しい。でも新しい道に進めるように背中を押して、私たちはprediaで頑張っていくから。だから、心配しないでね。残る6人は歌い続けなければいけないので。今ここに来てくれてるみんなはついて来てくれるよね。ついて来てね。次の曲は私たちの始まりの曲です」

 ここから「Dia Love」。色々な感情が渦巻きながら演じ抜く10人。そして「きみみたいに」では思い出の写真がスクリーンに映し出される。10人最後の曲は「Paradise」だった。村上が「最高に楽しかったっていうライブにしたい!」と叫んで、楽曲がスタート。卒業は寂しい。しかし、それぞれのパラダイスへ。前向きに10人で編成最後のステージは幕を下ろした。

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