作品を見ている人にクエスチョンマークがつかないよう、ナチュラルな存在でいられたら
――このドラマの中でも、おかずくんはいろんなトラブルに巻き込まれるじゃないですか? どの仕事をされている時もそういうところはあると思いますが、そんな中で「おかずくん」は自分で問題を解決しようとしつつ、周りに助けてもらうという流れにつながります。黒羽さん自身は、結構自分で解決しようとするタイプなのでしょうか? あまり人に相談しないという感じ?
そうですね、わりと自分で解決してしまうというか…時には意見を聞きたい時もあるんですけど、でも大体は自分の答えを持っていて、自分の意見に賛同してほしいというケースが多いような気がします。“僕はこう思っているんだけど”みたいな。だから反対意見が来ても、結局自分が最初から思っている考え方を変えなかったりすることもありますし。
――舞台、映画、そしてドラマにしても、演じることは、場面は違うけど、演じること自体は同じだと思います。その役としてストーリーの舞台に立つ時の心構えみたいなものは、どのように持たれているのでしょうか?
ナチュラルにいれるか、というところかなと思います、究極は。作品を見ている人にクエスチョンマークがつかないような存在でいられたらいいな、と。役作りという中では、自分はその人間じゃないんですよね。黒羽麻璃央としていられるのであれば、苦でも何でもないですけど、違う人生を、違う人格で歩まなければいけない。そこはやっぱりナチュラルにいられるかどうかは、難しいかな、と思っています。
――でも、それに敢えて挑戦するのは反面、役者の醍醐味でもありますよね。
そうですね、ずっと突き詰めていくというところの、面白さはあると思います。
――また、今回の共演者の印象というのはいかがでしょう? 例えば崎山さんとは共演も多く、作品のエピソードの中ではかつておかずくんが崎山さん演じる東良くんに対して、強いライバル心を燃やすストーリーもありますが、実際には黒羽さんも、崎山さんに対してライバル意識というものは?(笑)
もちろんそれは、少なからずあります。敵という格好ではないですけど。
――劇中の印象を見ても、例えば崎山さんの表情、笑顔なんかは、黒羽さんを見ている時に、ほかのシーンより大分印象が違うような感じもしました。またそれに対して黒羽さんご自身も反応しているような印象を覚えました。
まあ、崎山くんとも一緒に上ってはいきたいと思うけど、同じ道には歩みたくないという思いはあります。彼のほうが先輩ですけど(笑)。一つのゴールがあるのであれば、同じ道でゴールしたくないかな、というのは思います。違う山の上り方で、いろんな道があるわけですし。
――まさしくドラマのキャラクターと同じような感じの、進み方ですね。
そうですね。本当に切磋琢磨しあいながら、この世界を生きていければいいかなと思える存在です。
――ファンの皆さんから見ると、その二人のシーンって、結構興味津々だと思いますが…。
そうですよね。映像で共演するのって実は初めてなんです、ドラマは。なんかちょっといつも出ているバラエティの旅番組とは違った感じになっていると思うし。
――なんとなく素の黒羽さんや、素の崎山さんが垣間見られるんじゃないか、と。
それはいい意味で出ているんじゃないかなと思います。その仲の良さとか、役柄としても同期という設定もあるし、一番距離の近い人間をお互いに演じています。もともと中身の人間にちゃんと仲の良さがあるので、そこはしっかり関係性を築けているんじゃないかと思います。
――小林さんと大山さんはいかがでしたか?
小林さんはすごく体温の低い人なんだろうな、とずっと思っていました(笑)。なんかずっとテンションが低い感じというか、トップギアに入らない感じというか。
――余裕がある感じ、という意味で?
そうです、余裕。だから燃費がいい感じなのかな、と思っていました。でも面白いところもある。結構会話の中で突っ込んでくることもあったり。“お兄ちゃん”というより“お兄さん”という言葉が似あうかな、と。
――先日の会見も、そんな感じを見せられていましたね。
そう、清めの塩をもらったり(笑)。相談しやすい感じもありますし。そもそもキャリアが全然上だけど「この芝居、こうしたいんだけど、いいかな?」みたいに、お芝居に対してよく相談してきてくださったこともあり、すごくやりやすくて頼れるな、というのはありましたね。一方で(大山)真志さんは…最初は怖かったんですけど…(笑)
――怖かった?(笑)
劇中はこんな感じで“いい人”の人相をしていましたけど、最初お会いした時には、もうちょっと人相が悪くて(笑)。それにでっかいし、みたいな(笑)。崎山くんと同い年なんですけど、そう感じないんですよね、貫禄あるし。でもギャグ要員みたいになっちゃっていて、楽しい方です(笑)