ミュージカル『るろうに剣心 京都編』製作発表会

 小池徹平、黒羽麻璃央、加藤清史郎、岐洲匠、井頭愛海、鈴木梨央、伶美うらら、山口馬木也、加藤和樹、脚本/演出を手掛ける小池修一郎氏が29日、都内で行われた5月17日〜6月24日まで東京・IHI ステージアラウンド東京で上演されるミュージカル『るろうに剣心 京都編』製作発表会に登壇した。小池徹平による殺陣パフォーマンスや舞台に臨む意気込みを語った。(※四乃森蒼紫役の松下優也と本条鎌足役の奥野壮は欠席)

 和月伸宏原作「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」は、明治時代の日本を舞台に、オリジナルのストーリーでありながら史実を絡ませた剣劇漫画で、1994年から『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)で連載、2017年より『ジャンプスクエアSQ.』(集英社刊)で続編「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-」が連載中の、シリーズ累計発行部数が7200万部を超える大ヒット漫画。今回は原作の中でも、特に人気の高い“京都編”を、ミュージカル界のトップランナー・小池修一郎が新作として脚本を書き下ろし、 日本で唯一の客席が回転する劇場・IHIステージアラウンド東京でミュージカル化。

 当初2020年に公開される予定だった同作は、コロナ禍で公演を延期。約2年の時を経て、2022年5月17日〜6月24日まで東京・IHI ステージアラウンド東京で上演される。

 製作発表会では、脚本/演出を手掛ける小池修一郎氏がミュージカル『るろうに剣心 京都編』について「平和を守るための戦いで、和月先生が込められたメッセージというのは時代を経て、世界が動いているときも大変な意味を持つ作品なんだなと改めて思いました。迫力のある立ち回りなど色々な要素がありますが、それだけではなく日本の未来を憂う話で、そんなこともふと考えさせられる作品だと思いました。決して深刻ではなく楽しい作品ですが、帰る時に心の中に残る作品なのだと痛感しております。原作の持つ隠し味的なメッセージも改めて伝えられることができたら」と感じたことを述べた。

 主人公の緋村剣心を演じる小池徹平について小池修一郎氏は、「剣心の持つ純粋さとか共通するところがすごく多い。立ち回りのみならず歌、芝居、なんでも出来る人なんだけど、それ以上にこの役の求められる純粋さを体現出来る役者さんです」と語った。

 それぞれが自身が演じる役への意気込みを語った。

 小池徹平は、「稽古が始まって2週間ぐらい経つんですけど、今日披露した殺陣のことで頭がいっぱいで、ここからすんなりと稽古に入っていけるのかな、という感じがしています。皆さんが扮装されている姿を見て、ようやく始まるんだなとワクワクしています。みんなで素晴らしい『るろうに剣心』にしたい」。

 志々雄真実を演じる黒羽麻璃央は、「前回の公演は幕を開けることが出来ずでしたが、その時から志々雄真実を演じる心の中の灯みたいなものは消えずに、『いつか必ずやりたい!』と思って今日まで過ごしてきました。稽古に入り製作発表の日までこれたことを嬉しく思います。僕は原作のファンなので志々雄真実を演じるというのは感慨深いです。実は包帯の下はビショビショで、少しでも早くこの包帯の暑さになれないといけないなと思っていて。音を上げることなく最後まで頑張りたい」。

 志々雄一派の十本刀の一人・瀬田宗次郎を演じる加藤清史郎は「京都編というのは沢山のキャラクターが出てきて、それぞれの意志や正義をぶつけ合いながら成長していくストーリーがメインになっていると思います。僕が演じる瀬田宗次郎も、少年なりに成長していくので注目してもらいたいです」。

 剣心の仲間・相楽左之助を演じる岐洲匠は「2年前よりもパワーアップしたいと思い、筋トレをしっかりして(体重を)5キロ増やしました。ちょうど佐之助と同じくらいの体重なんですけど、僕の方が身長が高いので、ここから稽古中にプラス2キロを出来たらと思います。左之助よりも左之助になれるよう頑張りたい」。

 剣心を支える・神谷薫を演じる井頭愛海は「私は初舞台で初ミュージカルになるんですけど、この芸能界に入ったきっかけはミュージカルで舞台に立ちたいというものでした。そのミュージカルに挑戦させていただくことが本当に嬉しく、稽古をがむしゃらに頑張りたいと思っています。神谷薫は明るくて真っ直ぐでブレなくて芯のある女の子。時に強く、可愛らしく、剣心を想う気持ちをうまく表現できるように頑張りたい」。

 くノ一の少女・巻町操を演じる鈴木梨央は「私は初めてのミュージカルで、不安な気持ちとワクワクした気持ちでいっぱいなんですけど、(巻町)操と向き合って、日々稽古で学んだことを吸収して活かせるように、自分自身がステップアップしていけるように頑張りたいです」。

 志々雄を慕う駒形由美を演じる伶美うららは「駒形由美の妖艶さ、一途な想い、そして彼女の生き様をしっかり演じられますよう、しっかりお稽古に務めて参りたいと思います」。

 元・新撰組三番隊組長・斎藤一を演じる山口馬木也は「岐洲君とは真逆で、腰と膝がちょっと心配なので(体重を)2キロ落として臨もうと思います。今やマンガは日本を代表する文化になり、この作品は間違いなくその文化に貢献した草分け的な作品のひとつではないでしょうか。なので原作ファンの方々の想いも強いと思うので、出来るだけ丁寧に慎重に役を作っていけたらと思っています。最年長になるので、若い人たちの足を引っ張らないように精一杯、千秋楽まで駆け抜けたい」。

 剣心の師匠であり育ての親でもある十三代目飛天御剣流継承者・比古清十郎を演じる加藤和樹は「数多くの公演が延期、中止になる中で再び幕を開けることができるというのは、本当に嬉しいことです。みんなの思いを背負い、自分の役割を果たせるように頑張りたい。時代は違えど人が何のために生き、何を残していくのか、それは今の時代にも通ずるものだと思います。(比古清十郎が)剣心に飛天御剣流を託すように、この舞台に立つからには、次の世にも残っていくような作品にしたいと思っています」。

 ミュージカル化のポイントについて小池修一郎氏は「歌も長いナンバーがあるわけでもなくパッパと展開していくようになっています。今回音楽は太田健さんと和田俊輔さんお願いしました。なので、ちょっとカジュアルでポップな色合いが増えていると思います」と話し、加えて見どころは「立ち回りのバリエーションがあるところです。アクション監督の栗田(政明)さんが頑張って下さって。すごい仕掛けというわけではないけど、劇場の持っている魅力、IHI ステージアラウンド東京での展開は京都編の持ついろんなところにリンクしていて、お客さまが剣心たちと一緒に旅をするような感覚になれるのではと思っています」。

 この日おこなわれた殺陣パフォーマンスについて小池徹平は「とても緊張しました。今は達成感もありワクワクもあるという感じなんですけど、まだ本番までにもう少し時間があるので、もっとクオリティの高いもの、ワクワク出来るものが出来ると思います。今日の殺陣をご覧になって『楽しそうだな』と思ってもらえる人が1人でも多くいらしてくれたら、という思いでやりました」。

 最後に小池徹平は「素敵な劇場で、このメンバーでできる喜びを噛み締めて、皆様に素晴らしい『るろうに剣心』を届けられるように全力で励みたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と、呼びかけ製作発表会を締めくくった。

和月伸宏コメント

るろうに剣心の舞台化は宝塚版、前回と続き3回目の今回は満を持しての京都編。
原作でも人気の高いパートですが登場人物が多く、場面転換は目紛るしく、筋書きも複雑で舞台化はちょっと難しいのではないかと打診当初は思いました。
しかし、名も実も有る素晴らしい俳優陣とスタッフ、演劇好きの妻がベタ褒めする素晴らしい劇場、3回目とあって益々冴え渡る小池先生の素晴らしい辣腕と、素晴らしいの揃い踏みで今では公演が待ち遠しい限りです。
コロナ禍という大困難の中、実現に向けて尽力して下さった関係各位の皆様に心から感謝します。
自信を持って御送り出来るエンターテイメント ミュージカル「るろうに剣心 京都編」、感染対策をバッチリきめて是非劇場に御越し下さい。

和月伸宏

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