DEAN FUJIOKA×豊永利行「History Maker」対談、惹かれ刺激し合う2つの才
INTERVIEW

DEAN FUJIOKA×豊永利行「History Maker」対談、惹かれ刺激し合う2つの才


記者:編集部

撮影:

掲載:19年02月01日

読了時間:約17分

自分の持つそれぞれの「アカウント」という存在

――話が少し変わるんですが、お二人とも、音楽だけとか、俳優だけということではなく、いろいろな側面を持って活動なさっていると思うんですが、それぞれのジャンルでの活動の中での違いなど、感じるところをお伺いしたいです。

豊永利行 僕は裏でつくったものを世に出すときの気恥ずかしさみたいなところが結構あって。ほんとは全部チェックしたりとか、周りの意見だったりとかも聞いたりしてアウトプットしていかなきゃいけないんだろうなと思ってはいるんですけど、どうしてもこっ恥ずかしくなっちゃうんです。DEANさんは世に出すときの気恥ずかしさみたいなものってありますか?

DEAN FUJIOKA 気恥ずかしさですか。うーん、音楽の話で言うと、例えばシンガーとしてのアカウントってあるんじゃないですか。それは自分が作った歌を歌うのか、誰か他の人が作った歌を歌うのかっていうのは関係なく「歌う」っていう機能だけに特化したアカウントがありますよね。それとは別に、曲を作る作家アカウントっていうんですか。曲を書いたり、歌詞を書いたりっていうアカウントがまた別にありますよね。曲によってはその2つが同時にひとつのプロジェクトで必要になるときもあれば、ない時もある。その他に、例えば何か一曲つくる時にどんな曲がいいでしょうっていうところを考えて全部のハーモニーを整えるというか、ディレクションするアカウントみたいなのもありますよね。

豊永利行 あぁ、分かります。セルフプロデュースに近いというか。

DEAN FUJIOKA それって例えば別の作家さん、別のシンガーさんとやるときにも応用できるアカウントでもあると思うんですよ。その3つが、そうですね。例えばクリエイティブディレクターなのかプロデューサーアカウントというのかわからないんですが、そのアカウントがやることすべてを、作家アカウントもしくは特にシンガーアカウントで全部できるかっていうと、できないと思うんですね。なぜかっていうと、そこに気恥ずかしさを感じるかもしれないものもあって、プロジェクトであったりとか、タスクがあって。

 逆にいうと、シンガープロジェクトやるときには、自分の曲を作っている自分はやってるので、一応シンガーソングライターやってるから、そこはなんかこの人がそのアイデンティティとしてちゃんと成立できるものを考えて、ディレクターアカウントの人がいろいろある中でここだけって絞ってやっている感じですね。

豊永利行 なるほど。

DEAN FUJIOKA それで、シンガーアカウントとしての自分の事の話に戻すと、この活動に必要なものを、ディレクターアカウントの人が、いろいろ精査した中でここだっていうのを考えてその発注をまた、作家アカウントっていう自分になげて、で、この人が作ってきたものをアレンジとかミックスとか、さらにグラフィックだ、パッケージのことまでやって、シンガーアカウントの人が成立するようにやっているという感じなんですよ。だから気恥ずかしさっていうのが、もしシンガーアカウントの人がやるべきでないことを無理矢理やらせようと思ったらそこに気恥ずかしさは発生するかもしれませんね。

豊永利行 なるほどねー。

DEAN FUJIOKA すいません長々とした説明で。

豊永利行 いやとんでもないです。ありがとうございます。なんかすごく分かった気がします。

――お二人とも自分の脳内で仕分けをうまくされているんだと思いました。設定されている題材、例えば台詞にストイックに寄り添っていく俳優や声優の部分と、自分で作ったものをどう表現するかという部分でストイックに突き詰めるところの、バランスもすごくいいなと。

豊永利行 多分僕はまだそのアカウントをちゃんとまだ分けられてないんだなって思いました。僕はやるなら自分でやりたいってみたいなところもあるんですけど。そこの葛藤も含め、結局世にでる瞬間ちょっと恥ずかしいっていう。おそらくプロデュースアカウントとか、ディレクションアカウントの人が「俺、ちょっと恥ずかしがっているんだろうな」っていうのはちょっとあったりはしますね。DEANさんの脳内はすごく繊細に分かれているんですね。

――頭の中での役割がしっかり仕分けされているというか。

豊永利行 区画整備がきちんとされていて。

DEAN FUJIOKA ありがとうございます(笑)

――では最後に、今日お会いして、それぞれ感じた印象や今日の感想などお願いします。

豊永利行 僕、DEANさんは(お会いする前の印象を)言葉を選ばずにいうと、近寄りがたいツンケンしてる方なのかなと勝手に思ってました(笑)でも今日実際お会いして、お話しさせていただいて、全く違っていて、とても気さくな方だったんだなって思いました。そういう人だからこそ、いろいろな所のネットワークもきちんと構築されていて、今の地位を築けているんだろうなと思いました。

DEAN FUJIOKA いやいやいや。

豊永利行 でもこうやってお会いできて僕はすごく光栄だなと思って嬉しいなと思っていて。しかもこう、アカウントの話とかも聞かせて頂いて、「俺、この人の話をもっと聞きたい!」って。

DEAN FUJIOKA あ、本当ですか! ありがとうございます。

豊永利行 勝手にですけど、シンパシーを感じつつクリエイティブなところ似てるのかもなんて思いました。またこうやってDEANさんとお話できる機会があったら、その時までにもっと大きくなって、もっと色々とお話ししたいです。

DEAN FUJIOKA 今回の対談も「History Maker」っていう曲にこめたメッセージみたいなものがひとつ具現化されたなと思っているんです。自分の人生で与えられた役目っていうと堅苦しいですけど、自分の好きなことをやることで、誰かとつながれたり役に立てたりっていう、全うすべき使命って人それぞれ違うわけじゃないですか。その「History Maker」って曲がまさにそういうことなんですね。

 同じ時代に同じ国に偶然いて、それぞれの文化で活動している同士がこういう形で繋がれるつながれるのも、ひとつの「History Maker」に込めた思いでもあったので。もう少し具体的な話をすると、日本の漫画やアニメは、日本文化の中で圧倒的に飛び抜けて、他の国の人達に興味を持たれていると思うんですよ。アニメを1つ作るっていろいろな工程が必要じゃないですか。そのなかでチームメイトっていう形で、世界に対して、日本語っていう言語使ってやっているっていうところでの、一つのムーブメントを一緒に作ってる者同士っていう意味で、こういう場や、こういう時間を共有出来たっていうのはありがたい、貴重なことだなと思います。今後共やれることをお互いがんばって、また何らかの形で再会できたらいいなと思っております。本当にこういう機会をいただいて、ありがとうございます。

――DEANさんがおっしゃるように、二年半経って、こういう機会が持てたってこと自体が本当に貴重な対談だったんじゃないかと思います。

豊永利行 いやーもう本当、DEANさん好きです。

DEAN FUJIOKA ありがとうございます。僕も好きです(笑)。

豊永利行 告白大会になっちゃった(笑)

(おわり)

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