代表作をアクション映画で、一本打ち出したい
――また、一方でテレビドラマ『陸王』(TBS系)に続いて、役柄のバックグラウンドに“元マラソンランナー”という経歴があって…役柄的にまた走らされるというか(笑)
走りました、山の中をいっぱい(笑)。ちょうどこの頃は『陸王』の撮影後で、それほど時間が経っていない時期でしたので、体は仕上がっていたし、それを引き継ぐような感じでした。なので、ランナーの精神状態や体格とか、肉体的には説得力はあったのかなと思います。
――走るのは、普段から結構好きな方なんですか?
いや、正直走るのはあまり好きではないです(笑)
――(笑)そうでしたか。でもこうして2作も続くと、今後“ランナー役は佐野岳で決まり!”とかいわれたり(笑)
もちろん、役として候補に名前があがるのは嬉しいです。
――また、共演者の方もなかなか個性があるというか。佐野さんご自身もヘタレな感じ、片やイケメンを地で行くような感じを使い分け(笑)。また久保田さんの変わり身の落差のすごさとか。
クセが強かったですね。
――ですよね。一方で全体的には2度目の共演の方も多かったということですか…。
そうですね。相楽さんも、菅谷さんもそうだし。久保田さんも。
――その意味では、わりと現場としてもリラックスして…?
確かに。でも今回は家族役とか、結構近しい距離の方が多かったので、そこに関しては飛び込んでいった感じもあります。神保さんはすぐ話しかけてくださって、お芝居をしやすい雰囲気を作ってくださり、”安心できる感じがありました。
――神保さんは、こう言うと失礼かもしれないですが、どちらかというとコワモテ役だったり、悪役だったりという印象がどうしても強くて(笑)。でも、この映画ではすごくアットホームな感じで、素敵なお父さん役でしたよね。
すごかったです、本当に。あんなお父さん欲しかったですね(笑)
――そんな中で、佐野さんご自身の演技としてはいかがでしたでしょう? 佐野さんのイメージは、ひょっとしたらご自身は不本意に思われるかもしれませんが、スポーツマンでイケメンといったイメージ。でも、逆に役柄が限定されるところもあるのではと思う一方で、意外と佐野さんの演じられた経歴を見ると、『仮面ライダー鎧武/ガイム』から始まり…『下町ロケット』では、わりとヘタレな感じだったり(笑)
確かに。“殺人犯”や“チャラい大学生”など色々挑戦させていただいてます(笑)
――前回の映画『純平、考え直せ』では…。
ゲイでしたね(笑)
――そういったところでは、意外と今流行りの「カメレオン俳優」的なところもあるのではと。
キャラクターに囚われずチャレンジしたいので、そうやって思って頂けると嬉しいです。
――わりと何でもこなせちゃう、卒なくこなせちゃうようなところがあるのでしょうか?
そうともいえるかもしれないですが…逆に器用貧乏なところもあるな、という自覚を、実は最近し始めているんです。何でも、何となくできちゃうというところがある反面、逆にそこ止まりになって、これ以上頑張れない、頑張らない、そういう生きかたになっているような気がしてしまうんです。
――なるほど。たとえば今回は主役をやったということで、何かちょっと見えた、というところはありませんでしたか?
いや、まだ全然です。現場での立ち振る舞いとか、まだまだ反省する点もあったり、正直“もうちょっとこうしておけばよかったな”という部分もありますし。
――共演者の姿を見たり、監督さんの演出とかで、何か気がついたりとかいう部分もあったかと思いますが、いかがでしょう? “自分はもっとこうやっていくべきかな”みたいなヒントが、おぼろげながらでも見えてきたのか、とか…。
今まで色んな現場を経験させていただいた中でも主演というのはあまり多くはなく、今回久しぶりに主演をやらせていただきましたが、その中で「現場をどうやって引っ張っていくか」や「どうやってチームで一緒にやっていくのか」というところは、前よりも様々なところで考えていました。
なので、そういった部分でアプローチを変えてコミュニケーションをとったりとか、話す内容を変えたり、ちょっと距離を置いてみるとか、意識してチャレンジしたことは少しでできたかとは思いました。また監督とのコミュニケーションもそうですし、提案の仕方とかもいろいろ変えてやれたかなと思っています。
――では何か、パッと言葉ででてくるものはないけど、なんとなく得たものは…?
あると思います。やっぱり足がかりになるような感覚というのは、みなさんのおかげで何とかやれた、見つかったかな、という感じですね。
――また一歩、成長されたということですかね。役柄として“次はこういう役、ストーリーをやってみたい”というのはありますか?
バチバチのアクションものをやってみたいです。
――なるほど。佐野さんご自身の運動神経の良さもありますもんね。
代表作をアクション映画で、一本打ち出したいという思いをずっと持っていまして。
――そういうところにご自身のアピールポイントが出せそうな感じで?
そこからだな、という感じがあります。それと、今それこそ実写化なんかが多い中で、好きなアニメだったり、これはやりたいな、とか。
――近年、多いですよね。気がついたら映画が出ちゃったので、“あー、ちきしょー!”みたいなことも思われるのでは?(笑)
そう、“なんで出してくれないんだ!?”って(笑)。まだ自分が至らないところばかりというのもわかってはいるけど…。
――では、まだ実写化されていないもので、これをやってみたいというものもありますか?
少年漫画系で、実写をやるなら『犬夜叉』とか『幽々白書』、あと『うしおととら』とか…その辺はぜひやりたいなって思ってます。もちろんアクションもあるし。
――あ~並べていただくと、確かに意外にもまだ出ていないですね。ではぜひご出演を期待したいです!
そうですよね。まあそういってもどんどん歳はとっていくし…(笑)