藤野涼子、音楽は「メモリー、思い出のようなもの」:映画「輪違屋糸里」
INTERVIEW

藤野涼子、音楽は「メモリー、思い出のようなもの」:映画「輪違屋糸里」


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:18年12月11日

読了時間:約14分

音楽は「メモリー」自分の中に蓄積していくもの

――普段聴かれている音楽はどのような感じのものでしょうか?

 最近はまた自分の中でジャンルが変わってきて、洋楽を聴くようになりました。

――以前のインタビューで、The Beatlesを聴かれるというお話などもされていましたが?

 The Beatlesも聴いてます。「She loves You」や「Let it Be」などいろいろな曲を聴くようにしています。最近だと、ショーン・メンデスの「Holding Back」なんかをよく聴いています。

――中学校で黒澤明作品を見られていたということでしたので、音楽もかなり渋いほうなのかな、と思いましたが(笑)、結構幅広く聴かれていますね。

 両方です、渋いモノと、新しいモノと。両親が音楽好きで、家にレコードプレーヤーがあるのを昨日見つけて、レコードを聴いていました。

――それはいい趣味ですね。では親の影響はかなり強いほうだと?

 かなり強いと思います。映画を見るようになったのも、父が映画好きだった影響で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から『ゴースト・バスターズ』など…。

――80年代ですね?

 父が古いものが好きで、その影響もあり、昔の映画や音楽が好きになりました。

――この映画では三味線の稽古もされたということですが、劇中では実際に鳴らしているのですか?

 実際に鳴らしています。

――では親の影響もあり、これから始めようみたいなところもあったりして(笑)

 三味線も本格的にやってみたいなと思います(笑)。また、小さい頃に『モンスターズ・インク』が大好きで、最初のシーンでジャズ風の音が流れるところがあり、そこがお気に入りです。もう口ずさめるくらい。そこのサックスの音が素敵で、それを聴くと、自分がサックスをカッコよく吹いているイメージができて、演奏してみたいなと思います。

――それはもう! 是非始められるべきですね(笑)

 実際サックスは吹けないですが、小学校、中学校、高校の時に吹奏楽部に入ってみたいなという興味はありました。いつかサックスを演奏する役を演じさせていただけたら嬉しいです(笑)

藤野涼子

藤野涼子

――是非期待したいと思います。一方で、藤野さんにとって音楽とは、どのようなものでしょうか? 音楽にどのようなものを求められるのか?

 メモリー、思い出のようなものだと思っています。私は周りの人から薦められて、「こういう曲もあったんだ」「こういうリズムもあったんだな」という発見から、曲を聴いて好きになることが多いです。

 映画『ショーシャンクの空に』の最初のオープニングの部分で流れている曲で「If I didn't care」という曲があるのですが、私はその曲が大好きで、その曲自体は社交ダンスが似合う、あるいはカフェテラスがよく似合うような曲なのですが、聴くと、私は劇中での登場人物の感情が、私自身の思い出となって現れて、自分の今の気持ちを変えてくれます。私にとって音楽はメモリーで、嫌なことがあっても逆に楽しい曲を聴いて、イメージチェンジというか、自分の中のエネルギーチェンジしてくれる、そういうものだと思います。

――非常に興味深いお話ですね。役者さんの中では、わりと自分の気持ちが、音楽を聴くことによって変わる、あるいは音楽を聴くことで意図的に変える、そんなものという風に認識されているという話をおうかがいすることがあるのですが、藤野さんの中では、何か自分の中にどんどん蓄積するもの、というイメージがありますね。

 スポーツ選手の方でも、気分を変えるために曲を聴かれることもあるとお聞きしたことがあります。その中で自分の思い出に浸ったりする方も多いと思います。一方で私にとっては、変えるものというよりはやはり蓄積していくものとして捉えています。

藤野涼子

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(おわり)

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