自分とは真逆の性格に、チャレンジ
――次に武田さんが演じられた由乃という役柄について、くわしくおうかがいできればと思います。最初に役柄のイメージを聞いた時に、どんな印象を受けられましたか? 武田さんがこれまで出られた作品では、演じられた役柄はどちらかというと明るかったり、ハキハキしたイメージがありますが、由乃は暗くて内気という感じがあり、これまで武田さんが主に演じられてきたものとは異なる雰囲気を感じましたが、本来の武田さんの性格的な面と照らし合わせるといかがでしょう?
いや~多分間逆なタイプだと思います。普段の私は、周りから“悩みがなさそうだね”“常にはつらつとしているね”とか言われたりするんですけど(笑)、今回の役は本当に闇を抱えている女の子。たとえば“悩みはあるけど、巧く相談できない役”とかは、今まで演じてきた役柄の中でも結構あったけど、ここまでダークな闇を抱えている女性の役をやるのは、本当に無かったので…。
――自分の気持ちをどこでも押し殺す、という印象ですよね。
まさしく。特にお芝居でもセリフが無いシーンだったり、ちょっとした空気で表現しなければいけないシーンとか、そういったものがいくつもあったので、その中での空気作りが難しかったですね。
――アクションらしいシーンも無く。その意味では、今回は演じられること自体が武田さんにとっても、結構大きなチャレンジだったのではないでしょうか?
いや本当、チャレンジでしたね。加えて撮影日数も、今まで短かった撮影案件の中でも、“これほどとは…”と思うくらいに短かったし…この短い撮影期間プラス、出演時間の中で表現をおこなう、というのがかなりプレッシャーでした。
――映像はわりとコマ割りが細かく、長回しもそれほど無いという印象ですが、そういった部分では、演じる側としては助かる部分もあったかもしれませんが、やはりそれでも難しかったですかね?
難しかったですね。一番難しかったのは、“笑顔で答えてください”と言われたシーン。そこでは“笑ってない、本当に笑ってない笑顔で”と言われて。そこはすごく難しかったです、苦笑いでもない、笑っているように見えるけど、内心はすごく怒りが充満している感じというか。
――なるほど。シーンが思い浮かびますね。あのシーンは、私も見て“ゾッ!”としましたし。
本当ですか? ありがとうございます(笑)。あの場面は一瞬だったけど、すごく難しくて何回もテイクを重ねた記憶があります。
――役柄自体に関して今“自分とは性格的に反対”というお話を頂きましたが、その意味では共感する部分はほとんど無かったのでしょうか? たとえば私も浮気をされたら…とか(笑)
いや、多分私はそういうことはしないです、仕返ししてやろうとかは。浮気なんかされたら“そこまでだったんだな””そういう人だったんだ”と思って、冷めて“じゃあ、サヨナラ”って考えると思います。自分がやられて嫌なことをする人は、じゃあバイバイ! って。
ムカつくから仕返しをしてやろう、ということは無いと思う、多分。むしろ悔しかったら違うことで見返してやろうという感じですね。空手の時とか、この仕事をした時もそうなんですけど、ひどいことを言われたり、悔しい思いをしても、それを黙らせるくらい自分が頑張ればいいんだな、って。
――で、その人を別のことで後悔させてやろうと? 相手が“浮気しなきゃよかった”って思うぐらい(笑)
本当に! まさしくそう思わせるくらい。だから逆に腹黒いかもしれないです(笑)。笑顔で“バイバイ!”って言っていても、心の中では”違うことで後悔させてやるから、見てろよ!”って、内心メラメラタイプ(笑)
――さっぱりした性格かと思いましたが、実は意外に結構引きずるタイプじゃないですかね?(笑)
いや~実はそうなんです…(笑)
――武田さんを怒らせたら怖いですね(笑)。ストーリーの中では、ふとしたきっかけで、プツッと自分の糸が切れたようなタイミングというか、そういうシーンの切り替えがありますよね。切れる前はわりと現実を感じさせるところがありますが、その切れた後には神社の境内で浴衣を着たりとか、対照的なイメージですごく印象が強い。
確かに。あそこはすごく妄想しながら撮影していたのを覚えています。たとえば“なんで今、由乃は人を殺したのか?”とか。多分自分の中で、今までで一番、自分を一番美しく見せている時なんだな、とか考えて。普段は化粧とか洒落っ気も無いですけど、着物を着て、一番美しい状態で、殺している姿を見せたいのかな、とか。なんかそういうシーンと正反対の思いとして、ちょっとサイコパス的な気持ちになりながら、あのシーンはやっていたのを覚えていますね。
――あれもかなりゾッとするようなところでした。そういうところではやはり全般的に表情作りというところでの苦労はかなり大きかったと?
そうですね、やっぱりそういう表情を作るための心境作りというか。どの表情で、どんな感情で“復讐”を、笑ってやったほうがいいのか? 泣きながらやったほうがいいのか? それとも怒りをこめて?そんなことをすごく考えて、監督にも相談しましたし。本当に難しかったですね。
――そんな苦労を重ねたこの作品ですが、お知り合いの方にはご覧になってもらったりはしましたか?
いや、まだですが…。
――“武田さんって、こんな一面があるの?”とか言われたり、ちょっと怖がられたりして(笑)
(笑)言われますかね? でもある意味そう言っていただけるのは、嬉しいですね。
――一つのチャレンジが成功した証しにもなりますしね。今回、こういったチャレンジを通して、ご自身としても役の幅が広がったというところはあるかと思いますが、今後こんな役をやってみたいという希望はありますか?
希望ですか? 希望はいっぱい、いろんな役をやってみたいんですけど…すごく自分の中でやってみたいのは、実は「男性」の役なんです。
――男性?
そう、男装とかじゃなくて「男性」。実は心の中で、ずっと“男の子に生まれたかった”という思いがあって、生まれ変わったら“男の子に生まれてみたい”って言っているんですけど(笑)、その意味で実は男の子になりたい願望があるんです。それが実現できるのは、私には役でしかできないかなと思いまして。そんな簡単なものではないとは思うけど、いつか男性の役なんてやってみたいなと思っています。









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