バラエティーに富んだ楽曲すべて私、大城美友 人生を捧げた音楽
INTERVIEW

バラエティーに富んだ楽曲すべて私、大城美友 人生を捧げた音楽


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年10月08日

読了時間:約15分

このアルバムに入っている曲全てが私

『MI-POSITION』ジャケ写

――「声が枯れるまで」は心に響いてくるバラードで、これはまた内容が重いです…。

 これは重いですね…。7年前の自身の恋愛について書いています。

――これは失恋の歌で歌詞を見て思うのですが、ここまでの想いをよく吹っ切れましたね。

 時間が解決してくれました。本当に時間って解決してくれるんだなと実感しましたから。その彼は同級生で、歌詞にもあるように<私でもなければお金でもない>という感じで。

――でも凄く魅力的な人だったんですね。

 全然(笑)。ただ私、洗脳されやすくて。

――言葉が上手い人だった?

 可愛い感じの人で、言葉が上手いわけでもなくて、その可愛さに洗脳されました(笑)。

――そこですか…。これはその当時に作られた曲ですか。

 そうです。もう、すぐに曲にしました。

――当時から歌詞も変わっていない?

 歌詞は2番が変わりました。これも実話です。女性と2人でタクシーに乗ってどこかに行くところを見てしまったんですよね…。もうこれは歌詞に入れるしかないと。

――ちなみにタイトルの「声が枯れるまで」は何を叫んで声が枯れてしまったのですか。

 名前です。その彼の名前を叫び続けて、声が枯れてしまったんです。気持ちも枯れてましたけど。

――リアルです。でも今は新しい一歩を踏み出して。

 うん、踏み出したいですね。いつもは太陽のような明るい感じなんですけど、恋愛となると、めちゃくちゃ弱い女になってしまうんです…。

――でも、凄く良い曲が書けたのでポジティブに捉えた方が良さそうですね。さて、次は打って変わってアッパーな「飛べ!ヘイ!」です。こんなにたくさん「本当」という言葉を使っている歌詞はなかなか見たことないです。

 私にとってこの曲の核はこの言葉で、ここまではこの「本当」で埋め尽くしたかったんです。「飛べ!ヘイ」は割と最近作った曲です。

――そういった制約みたいなものから生まれたんですね。ちなみに「飛べ!ヘイ!」や「ニャン・ドン・ゴン」のような明るい曲と「声が枯れるまで」のような自身の弱さを打ち出したバラードだと、どちらが素の大城さんに近いですか。

 もうどちらも私ですね。どっちかに偏ってはいないので、このアルバムに入っている曲全てが私だと思ってもらえればと思います。

――その何も考えずに楽しめそうな、すこぶる元気な楽曲「ニャン・ドン・ゴン」のタイトルはお母さんが名付け親なんですよね。

 そうなんです。最初「ダン・ドン・ゴン」だったんですけど、猫好きの母が「ニャン・ドン・ゴン」にしなよって(笑)。今はこれになって本当に良かったなと思います。

――でもこの曲はタイトル付けるの難しそうですよね。パワーワードが多いですから。そして、最後を締めるのは「この空」なのですが、この曲も歌詞を書くのが大変だった一曲みたいで。

 「オレンジバタフライ」と同じように、その時のことが中々思い出せなかったんです。だけど、それが思い出せた時はすごく嬉しくて。この曲が一番大変だったかも知れません。

――でも、大城さんは思い出すまで諦めないというのが凄いところだなと思うんです。

 いえいえ、私も普通に諦める時は諦めます。だから、歌詞も変わる時もあります。比率でいったら諦めないが8で諦めるが2ぐらい(笑)。

――でもほぼ諦めないですね。この曲で一番伝えたいポイントは?

 最後のサビに出てくる<こんなに泣きたいのに 見上げたら晴れたんだ>です。シチュエーションとしては空は真っ暗で夜空だったんですけど、そこには星が輝いていて。この話は結果的に解決はしてないんですよ。

――大城さん的には解決はしなくても問題はないんですよね?

 そうです。だって、空を見上げたら晴れてたので(笑)。

――例えば落ち込んだ時とか気を紛らわすのにしてることとかあります?

 食べることぐらいです。あとは時間が解決してくれますから。

――<ラララン ラララン ラララ>のところはライブでお客さんに歌ってもらうシーンも浮かびますけど、ライブを想定して制作してますか。

 常にです。イントロから曲は作っていくんですけど、もうその段階から満員の日本武道館をイメージすることが多いです。

――目標の場所は武道館ですね。さて、このアルバムを一言で表すとしたら?

 太陽! サブタイトル入れるとしたらこれです。

――タイトルは『MI-POTISION』ですけど、このPOTISIONにはどのような思いが?

 私は「ここにいるよ」、「ここからスタートするよ」という意味が込められています。あと、響きが好きで最初、アーティスト名をMI-
POTISIONでいこうかなと思ったぐらいで。ミーポジってあだ名で呼ばれたかったり(笑)。結果的にアーティスト名は本名で、MI-POTISIONはアルバムタイトルになりましたけど。

――決意が込められたタイトルなんですね。最後に大城さんにとって歌とはどんな存在でしょう?

 うーん、この質問は難しい…。それまだ決めてない、というか決めたくないんです(笑)。「オレンジバタフライ」みたいに不器用に羽をバタつかせてやって行こうと思っているので、決めてはいけない気がしています。もしかしたら活動していくなかで見つかるかも知れないし、未来がどうなるかはわからないので、その日が来るまでインタビューして下さい!

――ライブも今後はあると思うのですが、ライブのおすすめポイントはありますか。

 わざとその境遇に持っていっても良いので、もの凄く落ち込んできてくれたらいいかな(笑)。落ち込んでいるのを叩き起こすようなステージにしますから。それで、落ち込んだ時に大城美友に会いたいと思ってもらえるようになったら嬉しいです。太陽みたいなライブをするので、みんな日焼け止めを塗って来て下さい(笑)。

(おわり)

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