佐野勇斗が見つめる先、役者として、M!LKとして、実感した「成長」
INTERVIEW

佐野勇斗が見つめる先、役者として、M!LKとして、実感した「成長」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年09月29日

読了時間:約10分

共演者の存在

 自然体で演技ができた背景には彼自身が役に感じた共通点もあるが、共演者によるところも大きい。清水尋也は映画『ちはやふる』(16年-18年)で共演。恒松祐里は映画『くちびるに歌を』(15年)で共演など面識があった。一方の中条は今回が初対面。

――監督やスタッフ、共演者から得たものは?

 「中条あやみちゃんがいたからこそ、この作品が良いものになったと思っています。彼女は、役の中でもちゃんと僕を見てくれている気がして、演じていてすごく気持ちが入ったし、彼女自身からも演じているという感じはしなくて“本当に色葉だな”と。すごく明るいし、ムードメーカーだし、現場を和ませてくれるし。学年は1つ上で、芸歴では大先輩ですけど、とてもフラットに接してくれて、女性で親友のように喋れるのは初めて。出会えてよかったと思います。中条さんの存在はすごく大きかったです」

――同じオタク高校生で親友の伊東悠人役を演じた、ゆうたろうさんとは?

 「ゆうたろう君は今回、お芝居が初めてということだったんですけど、初めてとは思えないぐらい肝がすわっていて、しかも親友という役だったので。猫耳が似合うのは彼しかいないと思う。違和感がない(笑)。休憩中も外せばいいのに、付けたままご飯を食べていて。個性的なキャラクターなんですけど、伊東がゆうたろう君で良かったなと思いますね。一緒にカラオケをしたりしていました。突っ込みキャラといじられキャラと、バランスが良かったかもしれないですね」

――カラオケではどんなナンバーを?

 「ワンオク(ONE OK ROCK)さんとかが好きで、それ以外は有名な曲が好きなんですよ。カラオケで歌うのは、カラオケのランキング上位から盛り上げ系なら盛り上がる曲を選んだり。父の影響で小さい頃からB'zさんの曲が流れていたのでロック系も好きで、そうした影響もあってワンオクさんが好きなんだと思います」

佐野勇斗

佐野勇斗

――シーンのなかには、恋敵・高梨ミツヤを演じた清水さんに壁ドンからのバックハグする場面もあります。

 「あのシーンは結構、みんな笑ってくれるんですけど、やっている本人は真剣で、どうやったら色っぽくセクシーになれるか、セクシーに見せたいんだけど、面白く見られたい、という意識があったので、休憩中も2人で“ここで微妙にしゃがむから顔がこっちにくるようにして。バックハグのときは流し目で。流し目でやればセクシーにみえるから”みたいなことを話し合ってました(笑)」

 息の合った現場だったことを裏付けるのがアドリブの多さ。佐野が気に入っているシーンは沢山あるなかでも、特に筒井の動きが特徴的に表れた場面だという。

 「アドリブをすごく入れて自由にやりました。お気に入りはいっぱいあったんですけど、初めの方の色葉に告白されたシーン。教室のみんなにバッシングされて、机の間をくねくねと避けながら“シュシュッ”と抜けていくシーンが好きですね。それとミツヤにスクールカースト制度を説明される前に、廊下で顔を左右に振りながらミツヤを止めるシーンの動きですね」

佐野勇斗

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――お気に入りのセリフは?

 「ほとんど早口だったので覚えていないんですど、“おれは躍らされているだけ、愛されない”というセリフ。もともと手の動きはなかったんですけど、アドリブで腕を振りました。あのシーンはCMでも結構使ってくれていて、お気に入りです」

 そんな佐野。劇中では「魔法が使えたら」というセリフもあるが、もし魔法が使えるなら…。

 「瞬間移動ですね。僕、朝起きるのが苦手なんですよ。何より嫌いなのが家から現場に着くまでの時間。それが何よりも嫌いなんですよ。朝起きたらすぐに瞬間移動して現場に行きたいです」

 その理由は「夏は暑いし、冬は寒いから」。愛されキャラの一端がうかがえる。そして今回、主題歌は西野カナが担当した。

 「めっちゃ好きです。僕が主人公を演じたからそう感じるのかもしれないですけど、西野さんは僕や色葉に向けて書いてくれたんじゃないかと思えるぐらい、つっつんの気持ちを分かって書いてくださってるので、この曲を聴いて泣きそうになりました。映画にぴったりだと思います」

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佐野勇斗
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