佐野勇斗が見つめる先、役者として、M!LKとして、実感した「成長」
INTERVIEW

佐野勇斗が見つめる先、役者として、M!LKとして、実感した「成長」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年09月29日

読了時間:約10分

 俳優の佐野勇斗が、映画『3D彼女 リアルガール』(公開中)で、2次元を愛する超絶オタク“つっつん”こと「筒井光」役を演じた。コミカルな演技で高い評価を得ている今回の役どころだが、自身に重なる点や共演者の存在もあって自然体で演じられ「成長」も実感できたようだ。一方、所属しているボーカルダンスユニットのM!LKでは今夏に新体制になり、新メンバーとともに「一緒に成長できている」という。映画・音楽の両面から刺激を受けた佐野。俳優としては「観客が、佐野勇斗が演じていることを忘れぐらい見入ってもらう」ことを目標に掲げている彼にとって、本作はどのようなものになったのか。【取材=木村陽仁/撮影=冨田味我】

つっつんとの共通点

 映画は、中条あやみ演じる、派手でツンツンとした超絶美少女・五十嵐色葉と筒井光との恋模様を描いた純愛コメディ。色葉が、とある出来事をきっかけにつっつんに一目惚れ。「つっつん、私と付き合って?」と色葉がつっつんに告白をしたことで、不器用な男の子と、少し気の強い女の子の、まさかの恋の物語が始まる。

――出演のオファーを受けた時の感想は?

 「“オタクの役をやるよ”と言われて、原作の漫画を読んだんですけど、めっちゃ面白いな、“つっつん、すげーいいやつじゃん”と思って、その世界観が好きになりました。それから台本をもらって、純粋に演じるのが楽しみでした。つっつんは僕に似ているところも多くて、例えば自分に自信がなかったりとか、ちょっと女性が苦手だったりするところとか(笑)。僕はそんなに人見知りではないので、男の人に対しては“お! よろしく!”といけるんですけど、女性にはそこまではいけなくて“あ…よろしくおねがいします…”となってしまうんです。そういう点も似ているなと思って、演じやすかったですね」

佐野勇斗

佐野勇斗

――出来上がった作品をみてどうでしたか?

 「どの作品もそうなんですけど、自分の芝居ばかり気になってしまって、あまり物語に集中できないんです。でも、自画自賛になってしまうのでそんなには言えないんですけど、今回は“ダメだった”と思うところもありながら、自分の作品に対して“めっちゃいいですよ!”と言える映画だなと思っていて。(本作に登場するアニメ「魔法少女えぞみち」の)キャラクターの「えぞみち」が実際に映像として劇中に現れていて、つっつんと会話しているように見えたのも感動しましたし、笑えるし、泣けるし、アトラクションというかジェットコースターみたいな作品だったので、僕自身としても好きなジャンルだな、と思って見てました」

 美女とオタクのありえない恋物語は、つっつんの家にズラリと並べてあるフィギュアが重要な役割を果たす。佐野自身も少年時代はフィギュアを集めるなど共通点もあったという。

――佐野さん自身はオタク?

 「まあ…オタクにもいろんな種類があると思うんですけど…言い方によっては僕もオタクだと思います。昔から、ゲームやポケモンが大好きで、ポケモンのゲームをめちゃくちゃやっていた時期もありました。アニメも『ドラゴンボール』や『ワンピース』、『HUNTER×HUNTER』、『トイ・ストーリー』とか大好きで、フィギュアを置く部屋もあったくらいいっぱい集めていて、弟と一緒に持って戦わせたりしていました。そういう意味では共感できるところが多かったですね」

 共感できる点が多かったという今回の役どころ。ただ、佐野自身は過去に、M!LKのメンバーから「プラス思考でポジティブ」と称えられていたことを考えると、真逆のようにも感じる。役作りは難しくはなかったのか。

――筒井が感情を出し切らないところがあったりして、怒っていても、それを抑えるというか。でも劇中の最後のほうに向かって自分の想いを出せるようになっていきます。そうした点も含めて役作りは?

 「感情の面での役作りは今回、全く大変じゃなかったです。劇中で筒井は、初めは内にこもっていて、最後に自分の想いを出していくんですけど。自然とつっつんの気持ちがわかったというか、僕自身もつっつんを演じている気がしなくて、この撮影の期間は筒井になりきれていたなと思います。そのまま自分の持った感情を出せたので、難しさはなかったですね」

佐野勇斗

佐野勇斗

 前向きな性格でサービス精神旺盛。人柄が良くユーモアセンスもある佐野。インタビュー中も笑いが絶えなかった。どこか少年のような表情もみせる。その人柄が演技ににじみ出ている。

――歩くシーンでも上体を動かさないで早歩きするなど大変だったのでは?

 「僕は昔からふざけるのが好きなタイプだったので、家族や親戚の前とかでよくああいう動きをしていて(笑)親戚とかからしたら結構馴染みのある動きというか「ふざけているときのアンタだ」という感じでした(笑)。そういう意味でもふざけていて良かったな思います(笑)」

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佐野勇斗
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