腹こすり付け飛び続ける、THE イナズマ戦隊 不器用なりの生き様
INTERVIEW

腹こすり付け飛び続ける、THE イナズマ戦隊 不器用なりの生き様


記者:長澤智典

撮影:

掲載:18年09月23日

読了時間:約18分

 THE イナズマ戦隊が19日、シングル「My Generation」をリリース。結成から今年で21年目。メンバーも間もなく全員が40代へ突入する。今でも心の中に青春の炎を燃やし続けている彼ららしい熱いメッセージが今作には詰まっている。今年5月には日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演を成功させ、日本武道館公演も視野に入って来たと話す。この作品へ込めた想いや、今も精力的におこなっているライブツアーなどについてボーカルの上中丈弥が熱く語ってくれた。【取材=長澤智典/撮影=村上順一】

今でもずっと青春を続けている感じ

「My Generation」ジャケ写

――「My Generation」の歌詞でも歌っていますが、“バッテリーはビンビン”ですか?

 ビンビンです! 最初は歌詞にも「バッテリーはビンビンだぜ」と書いていたんですけど、さすがにプロデューサーから、そこは「忌野清志郎さんへのリスペクトを持った言葉にしましょう」と言われたので<それでもバッテリーはまだまだビンビンだってよ >に変えたんですけど(笑)。俺自身は、直す前から思いきりリスペクトを込めてその言葉を使わせて頂いてます。

――丈弥さんを見ていると、いつだって“バッテリービンビン”な状態で走り続けている印象ですからね。

そのつもりで生きています。あまり深く考え込まずに生きてるので、それがいいのかも知れないですね。

――いくつになっても、気持ちは青春時代のままですね。

そうなんです。だから今回の「My Generation」のような、自分たち自身を褒め讃える歌があってもいいなぁと思って書きました。それに、この歌が誰かの手に渡ったとき、「40歳を迎える男が、この歳になってもこんな熱いことを歌ってるんや」と思ってもらえたり、その人の力にもなれたら、という思いもありましたしね。

――周りの同世代の人たちの場合、会社でもある程度の立場になり始めたり、家庭を持ったりと、若い頃とは異なる環境で生きている人たちも多いと思います。そういう人たちと自分の生き方や生き様を比べてしまうこともあるのでしょうか?

  うーん、どうなんでしょう。20代でデビューしてから長い間活動を続けて来て、今でもずっと青春を続けている感じがするし、俺らはこの人生を一生続けていきたいし、続けていくもんやと思っているから。同じ青春でも20代の頃と30代を比べたら環境は変わるだろうけど。これから迎える40代になったら、年齢に応じた青春の叫び方をしていくのかな? とは思います。

昔は40代って、初老と言われていたんですよね。でも今は、人生100年時代。まだまだ道筋は長いですけど、ふと考えたら「俺らも、昔は初老と呼ばれる年齢になるんだな」と思ったりもします。

――生きてれば、まったく年齢を気にしないわけにはいかないですからね。

俺も11月になったら40歳になるので、今度は40代という新しい数字と向き合いながら人生を歩んで行くわけで。それはメンバーもそうやし。こうやってキャリアを積み重ねていくことで、まだまだ色んな生きる証を示せるチャンスをつかめる。俺らはTHEイナズマ戦隊として活動を続けていくことに誇りを持っていますから。

――THE イナズマ戦隊は昨年、47都道府県を回って、今年5月には日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演をおこないました。9月から、ふたたび全国各地をツアーで訪れて、来年の4月に中野サンプラザホールでの単独公演をおこないます。日本全国を舞台に多くの場所でライブを行おこなうのみならず、しっかり動員もできているところに長く活動を続けてきた重みや存在感を覚えます。

ほんま有り難いことに、これだけ多くのライブを未だに全国各地で出来ることが感謝だし、その有り難みをしっかり噛みしめて進まなきゃいけないなと思っています。何より俺らの場合、楽曲やライブステージ、THE イナズマ戦隊としての活動を通して生き様を見せてくいことが大事なんだと思ってやっていますからね。

――ロックとは生き様を描きだし、見せていくことかもしれません。

確かに、そうですよね。自分が生きてきた経験や糧が歌詞や曲、歌となり、それを聞いた人たちの心の力になる。その想いを分かち合う関係をずっと続けていけるんであれば、これまでも、これからだってずっとお互いウィンウィンな関係でいれるでしょうからね。

――THE イナズマ戦隊は、いつも飾らない自分たちの姿を楽曲や歌詞に投影しています。だからこそ、その想いに心が震え立つんですよね。

それしか出来へん人たちの集まりが、THE イナズマ戦隊やからね。無理やり「気持ちを真っ直ぐぶつけなきゃ」と考えたこともないし、不器用は不器用なりに長く続けていく中で、自然とそうなってきたってところです。

――今もまだまだ昇り調子ですが、この21年間の活動で苦しい時期もあったんですよね。

苦しいっていうか、昔も今も、地面に腹をこすり付けながら必死に飛び続けてるようなもんですから。それでも、今年の5月に野音ワンマンをやって、あれだけ大勢の人たちがTHE イナズマ戦隊の為に集まってくれた姿を見れたことが嬉しいし、自信に繋がったというか。こんだけTHE イナズマ戦隊のことを愛してくれたり、信じてくれる人たちがいると思うと、さらにぐっと踏み出せる勇気も湧いてきます。だからこそ、ずっと夢見てたけど、なかなか自信を持って口には出せなかった「日本武道館に挑戦する」という発言も言えたんやろうし。

 そうは言いながらも、今もやっぱし迷いだらけの日々ですよ。迷い立ち止まり、それでも挑みながら打ち砕かれたり。だけど、そのたびに立ち上がっては、また打ち砕かれて…。そんな経験を繰り返してきた中での今なんやと思います。

――挫折を何度も乗り越え、立ち上がっては少しずつ成果を積み重ねていく。その姿に、大勢の人たちが勇気をもらっているのも事実ですから。

あいつらだってやってるんだから、俺も、わたしもやれるんじゃないか。そう思ってもらえることが、俺たちがみんなからもらえる一番嬉しい気持ちですからね。

――それを証明し続けるために、こうやってTHE イナズマ戦隊は突き進み続けていますからね。

それを証明していくか…まさに、それが俺たちの生き様を示すことにも繋がるわけですから。

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