THEイナズマ戦隊が1月9日、アルバム『I love U』を発売。現在は昨年9月からの全国ツアー『21年目の日本大巡業 2018-2019』の真っ最中。4月21日に中野サンプラザでワンマンライブ『俺とオマエとサンプラと応援歌』をおこなう。結成21年を迎えてもなお精力的に全力疾走する彼らの姿は長い間、全国のファンを勇気づけて来た。今作には自身が経験したことから強く感じたことを詰め込んだと話す。今回はボーカルの上中丈弥に今作について、40代になって思うことなどについて語ってもらった。【取材=長澤智典/撮影=村上順一】
経験したからこそ歌える楽曲を歌いたい
――『I love U』は、丈弥さん自身の生き様を詰め込んだアルバムに聴こえました。
そうですね、割と生々しく描き出したといいますか。ただ、どの曲も自然とそうなったので、それが自分の歩んできたこれまでの40年間の人生だったのかもしれないですね。
――40代になって、自分の生き方をいろいろ考えることも増えました?
メンバー全員が40歳を過ぎて改めて思うのが、変わらぬメンバーでずっとTHEイナズマ戦隊として活動を続けられていることの嬉しさ。昨年は結成20周年も迎えたので、ここ近年はいろいろ考えを巡らすことが増えています。
――同じメンバーで20年以上バンド活動を続けるのは、なかなか至難の業ですからね。
なかなか難しいことですよね。しかも、いまだに音楽で飯が食えている、音楽を仕事にしていられることが本当にありがたいというか。これも、THEイナズマ戦隊を支えてくれるお客さんがあってのことです。特に一昨年から昨年の活動を通してTHEイナズマ戦隊は本当にたくさんのお客さんに愛されていることを知ることができました。イナ戦を愛してくれている人たちにもっといい景色を見せてあげなきゃという気持ちにもなって、さらに強く突き進もうという意思を持って今は活動しています。
――今の丈弥さんが書く歌詞からは、酸いも甘いも、辛酸も含みつつ、いろんな人生経験を重ねた人の胸に染みる言葉があふれ出ているように思います。
年代に関係なく歌っているつもりですが、THEイナズマ戦隊の歌は僕自身に向けて歌うことが多いので、自然とそうなってしまうんでしょうね。
――今作には、ハードディスクの中に隠してあった見られてはいけない動画を恋人に見られてしまいあたふたする男の様子を描いた「Samurai BOO!!~人類史上最大のテーマ~」のような、クスッと笑わせながら、男としては絶ち難い欲望を描いた歌も入っています。
「Samurai BOO!!~人類史上最大のテーマ~」は、「昔そんなこともあったな」という歌です。男なら誰もが背負う人生最大のテーマですから。こればっかりは、男の本能としてどうしようもないというか、女性にはわからないようなことを歌っています。
――それも経験談だったわけですね。
僕は経験したことじゃないと力強く歌えないタイプです。別に「Samurai BOO!!~人類史上最大のテーマ~」を力強く歌う必要性はないですけど(笑)。僕は自分が経験したからこそ、歌える楽曲を歌い続けたい。だからアルバムにも、キャリアを積めば積むほど力強く歌っていける曲たちを詰め込んでいます。
――シングルとして発売した「My Generation」の頃から、40代を意識した内容を歌い続けていましたよね。今作に収録した曲たちは、その延長戦上で生まれた曲が中心なのでしょうか?
昨年は、結成20周年を迎えたタイミングで47都道府県ツアーを回ったり、日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演があったり。今も昨年から続いている全国ツアー中で、それらのありがたい経験を通して感じていることから生まれた曲たちがアルバムにおいては中心です。その中に40代という意識も加わっているなとは思います。