16日に引退する歌手の安室奈美恵が12日、NHKで放送された『あさイチ』にインタビュー出演。「歌手の安室奈美恵はすべて完結しているので、私がステージに戻ってくることはない」などと、自身のキャリアを振り返りながら率直な心境を打ち明けた。

 現在の心境を尋ねられた安室は「あっという間ではあったんですけど、一つ一つがきちんと自分の気持ちを伝えることもしたし、きちんと完結したものをしっかりこの一年間やってきた。あとはみんな楽しんで15、16日を迎えるだけ」と穏やかな表情で語った。

 引退する16日当日は「たぶん沖縄にいますね」と話す安室。番組では、その沖縄には現在、安室の写真をデザインした飛行機(AMURO JET)が登場。さらに、全国で放映されるテレビCMでは安室への感謝を伝える映像が制作されたことを紹介。

 さらに、全国30カ所以上ではファンのメッセージを集めるイベントも開催され、ファンの安室への感謝の言葉が映像で流された。ファンからのメッセージを読んだ安室は、目に涙を浮かべながら感激した様子だった。

 安室は「あまりファンの皆さんのそういう声を聞く機会ってあまりないので、この一年は特にそういう場面が多かった。嬉しいなって本当に純粋に、単純に嬉しいなっていう感じです」と受け止める。

 これまでのキャリアを振り返り、人気が沸騰するなか20歳の時に結婚、出産を経て一年間の活動休止をした安室。「まだ20歳だったので、一年って長くて。長いなって思った瞬間に焦りが押し寄せて来て、自分のポジションってなんだろうって考えたりとか」と当時の思いを打ち明ける。

 続けて「冷静に安室奈美恵を今後どうしたらいいかなっていうのをちょっとずつ考え始めた時期だったかなって思いますね」と自分を見つめる大切な時期だったことに言及。1998年12月31日のNHK紅白歌合戦で復帰を果たし、大粒の涙を流した映像が映し出された。

 その後、主にライブが活動の中心になった。「ライブは毎年、楽しみ。自分自身も楽しみだし、ファンの皆さんと会える唯一の場所」と話す安室は、ファンとのコミュニケーションの一端を明かす。その表情は優しく、楽しそうな笑みを浮かべていた。

 「私は本当に『ここみんなで一緒に歌ってね』ってことも言わずマイクをふるので、『えっ、歌えってことなの?』っていう、1年目はそういう戸惑いがあるんですよ、皆さん。2年目に同じ楽曲でパッて(マイクを)ふったら『あっ、去年もやってた』。3年目は『はい、そこね』っていう、皆さん説明しなくても、私の言いたいこととかやりたいことをキャッチしてくれるから、本当に素晴らしいファンの皆さんだなって」

 安室が小室哲哉プロデュースでリリースしたのは、6年間でシングル16曲、アルバム4枚。2001年に小室のもとを離れることになった当時を振り返り、「いつか小室さんのプロデュースは卒業しなきゃいけないというのはありました、10代の時から」と話した安室は、産休明けの自身と向き合った。

 「今、吸収したものをどう活用したらいいのか、小室さんプロデュースを離れた時からが本当の始まりなのかなって」。新たな挑戦に臨む中で『SUITE CHIC』名義での活動もおこない、「音楽って聴くのもそうだけど、作るのも楽しいんだなって思えた時に、初めて音楽というものに触れたかなっていう感じはありますね」との感覚を抱いたという。

 安室は“引退後”についても語っている。16日以降に“やりたいこと”を問われ、「考えたんですけど、なかなか思いつかないなって。あまり趣味もなかったので、これから趣味探し(笑)」と相好を崩し、そして、「25周年で歌手の安室奈美恵はすべて完結しているので、私がステージに戻ってくることはないです」と口元を引き締め、強い気持ちを伝えた。

 インタビュー終了後には、スタッフらに深々とお辞儀した安室。涙を抑えられないように「お世話になりました」と感謝を伝えていた。

 この放送を観た人はツイッターに続々とコメントを投稿。「16日以降のファンのことを背中を押す言葉で溢れてて。。 母親みたいな優しさだなぁ」「これから幸せな楽しい毎日を送って欲しい」「16日は沖縄で過ごす安室ちゃん。引退しても応援します」などの声が見られる。

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