音への意識が変わった、ゲーム実況者わくわくバンド 更なる進化
INTERVIEW

音への意識が変わった、ゲーム実況者わくわくバンド 更なる進化


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年08月31日

読了時間:約13分

 ゲーム実況者わくわくバンドが8月29日、メジャー2ndシングル「シグナル」をリリース。PS4『NARUTO TO BORUTO シノビストライカー』のイメージソングに起用されたこの曲は5月に中野サンプラザでおこなわれたワンマンライブ『ゲーム実況者わくわくバンド 8thコンサート~オレたちがわくわくバンドだ!~』で初披露された。彼ららしくアグレッシブにゲームの世界観を落とし込み、歌詞にもギミックが隠されている。インタビューでは今作の制作背景、5月と6月におこなわれたワンマンライブのこと、8月から始まったツアー『ゲーム実況者わくわくバンド 9thコンサート~わくわく道中2018~』や今後の展望についてなど、湯毛、フジ、せらみかるの3人に話を聞いた。【取材=村上順一】

「シグナル」に重きを置いていた中野サンプラザ

――5月と6月におこなわれたワンマンライブを終えて、さらにステップアップされたと思うのですが皆さんはいかがでしたか。

フジ 今回、イヤモニ(イヤーモニター)を導入しまして、それによって大きな変化もありました。自分の音もみんなの音もはっきり聞こえてくるので音へ対する意識が変わりました。

湯毛 日本武道館のイベントライブとかでちょっと使うことはあったんですけど、2時間以上使ったのはこのライブが初めてでした。それもあって中野サンプラザはすごく緊張していました。その経験のおかげで大阪は良いバランスで出来たかなと思います。

せらみかる 環境が全く変わるので、緊張感がありました。今回はお借りしたものだったので、耳型をとってイヤモニを作ってもらおうかなと思ったり。あと、ドラムのフルコンさんはイヤモニありきの演奏を仕上げようとしていて、今後は大分変わるんじゃないかなと思います。

――イヤモニを付けると格段に演奏しやすいとは聞きますが、お客さんの声も聞こえずらいというお話しも聞きます。

せらみかる そこはエンジニアさんが外の音を返してくれていたので、MCの時などみんなの声もしっかり聞こえてました。

フジ 僕ら笑い声が聞こえないと不安なので(笑)。

湯毛 (笑)。まだMCをしっかり落とし込むというのが下手なんですよ。でもそれが特徴でもあるので、ポジティブに捉えてもいいのかなと。

フジ きっとオチを求めすぎなんだと思います。

せらみかる 本番中にプチ反省会に入ることもあるよね。

湯毛 今回はホールということもあって豪華なステージセットなどのおかげでいつも以上にテンションが上がりました。あと今回ホーン隊が入ってくれたこともあって、「ダイナマイトロック」とか自分たちの曲じゃないぐらいに感じました。もうみんなライブのリハからテンション上がってましたから。

フジ 一緒に演奏していて、あまりにも彩り鮮やかになってしまって自分が演奏しているとは思えなかったです。

せらみかる お客さんの、ホーン隊の方たちへの声援も凄くて。

湯毛 大阪もかなり凄かったです(笑)。

――大阪はまた東京とは違った盛り上がり方がありますよね。そのライブで今回の「シグナル」と「感状線」を初披露されました。

湯毛 ゲームのトレイラーでサビだけは公開していたのですが、フルバージョンはライブで初披露でした。おそらく新曲のフルバージョン初披露の場がライブになったのは「ダイナマイトロック」以来ではないかなと思います。

フジ あれ「わくわくマイライフ」は?

湯毛 「わくわくマイライフ」はライブでやる前にデモバージョンを流していたし、もっと言うと弾き語りで自分が生放送で歌ってた(笑)。なのでリリースする前にフルで披露するのは久しぶりでした。それもあって「シグナル」がライブ中で一番緊張感がありました。ゲームのイメージソングということもありますし、特にしっかりやりたいと、この日は「シグナル」に重きを置いていた部分はありますね。逆に「感状線」はあまり緊張しなかったかも。

フジ 自分もそうですね。「感状線」は自信満々にいけたかも。「こういうの好きでしょみんな?」みたいな感覚で(笑)。みんなのリアクションも良かったと思います。やっぱりヘヴィだしわかりやすい曲で。

――初披露に関わらず盛り上がりましたからね。さて、1曲ずつお聞きしたいと思います。まず「シグナル」なんですけど、これはゲームのタイアップが決まってからの書き下ろし?

せらみかる そうです。お話を頂いてから曲の制作に入りました。ゲーム自体もスピード感のあるものだったので、絶対疾走感のある曲にしようというテーマで作り始めました。演奏が大変なくらいスピーディーな曲に仕上がりました。

フジ 結構アレンジを纏めるのが大変だったよね。

せらみかる 最初ぐちゃぐちゃになってしまって(笑)。回数を重ねてだんだん纏まってきた感覚がありました。

――テーマがあった方が曲は書きやすいですか?

せらみかる そうですね。ゲームのイメージソングということもあり、僕自身ゲームミュージックで育ったのでモチベーションも高かったです。それもあって気持ちも凄く入った1曲になりました。サビから作っていったんですけど、イントロから勢いのあるものが出来たなと思っています。

――今回、特典Blu-rayに「シグナル」が出来るまでのドキュメント映像が付くのですが、それはせらみかるさんが制作しているところから?

せらみかる いえ、レコーディング風景とMV撮影のオフショットが主です。仮に僕の制作から撮ったら、LINEを使って連絡を取っているだけの映像になってしまいますから(笑)。

湯毛 それは観たくないな…。

一同 (笑)。

――アレンジは皆さんでおこなっています。せらみかるさんのデモ段階でギターやベースなども入っていると思うのですが、それは一回コピーしてみる感じでしょうか。

フジ そうです。一回コピーしてみてから自分の好きな感じに変えていきます。基本的には主軸は変わらないです。

湯毛 ほとんど完成形の状態、8割方は出来ている感じです。そこから各々のエッセンスを入れていく感じです。この曲は不思議な力がある曲だなと思っていて、凄く疲れた時に「シグナル」を演奏したら力が湧いてくるんです。テンションで弾けるといいますか。でも演奏し終わったあとの体への“ツケ”が凄いんですけど(笑)。

――自分たちの起爆剤にもなる楽曲なんですね。ベースに関してせらみかるさんが考えてきたフレーズでこれは無理だろうというものはあったりしますか。

フジ あります! でも、そういった無理を今までもやってきたので、自分の中になかった運指が出来るようになったというのもあります。今作でもそういうのはあったんですけど、無理なものは無理でしたね(笑)。

せらみかる 音域の問題です。「シグナル」は大丈夫だったと思うんですけど、「感状線」で確か4弦では無理な音域が出てきてたかなと。

フジ そうそう。5弦じゃないと弾けない感じの。

――今後5弦ベースを使用するときが来るかもしれないですね。

フジ そういう曲が出来てきたら使うかもしれませんね。

湯毛 ギターも7弦ギターを取り入れてね。

せらみかる ヘヴィでテクニカルなバンドになっていく(笑)。

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