多くのチャレンジがあった、SWAY 転機になった1stアルバム
INTERVIEW

多くのチャレンジがあった、SWAY 転機になった1stアルバム


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:18年08月28日

読了時間:約13分

裸でぶつかり合ったレコーディング

――今回はリード曲の「Perfect Love」がストレートなラブソングで、今までのSWAYさんのイメージとはまた少し違って意外でした。

 このサウンドは今までの自分には絶対なかったですからね。一発目が「Perfect Love」で「え、SWAYこんなことやるの?」と思ってもらえたと思うので。ここでまた、トラックリストがオープンになった時に、SHOKICHI、SALUとのコラボもそうですし、さきほどお話した AK-69、登坂のコラボもたぶんびっくりすると思うので。「Perfect Love」は「MANZANA」とは真逆なアプローチができたんじゃないかな、と思います。

 僕とTEEくんとは古いつながりがあるんですけれど、TEEくん自身の愛に満ちた人間そのものを1曲に入れられたと思うので。一緒に歌われてもらうことで、TEEくんがくれた愛情を、音に乗せて自分の愛も乗せて届けられたらいいなと感じました。

――そして背中を押してくれるナンバーも収録されていて。「Look Up In The Sky」は離れている人に対する思いを描いた曲ですね。

 インディーズのときにリリースした「THE S」というアルバムで、「履き潰したKICKS」という曲があって。それは地元の札幌で上京を目の前にしたときに、「頑張っていこう」という気持ちを乗せた曲なんです。逆に上京して東京に住んでる中で、札幌時代を思い出しながらも、地元の仲間になにか贈れる曲があったらいいなということで、この「Look Up In The Sky」をRIKEくんにお願いして作ったんです。もう1回、あの時の懐かしいなという気持ちを思い出して。逆に時間が過ぎて、音楽を止めちゃった人もいるし、結婚して家庭を持った人もいる。でも変わらずみんな元気で何かいることがいいなと思ったので。「あれから時間は経ったけれど、調子はどう?」と言える曲になればいいなと。

――そしてもちろん、クールでかっこいいナンバーも収録されています。はじまりの「Intro」から2曲目の「Be a Beast」はしびれますね。

 これも実はアルバム制作前にできていたんですけど。やはりDOBERMAN INFINITYは自分にとってすごく大きな存在で。P-CHOさんが去年からJAY’EDくんとNAOtheLAIZAさんといっしょに、OLDMANWILDIN’というプロデュース集団を作られたんです。「CHOさん頑張って下さい」と思いながら、「自分もソロがあるので、1曲お願いします」とずっと言ってたんですよ。それでアルバムとかまだ全然予定がない時に、「Be a Beast」という曲をワンコーラスだけ作っていて。今回アルバムがどんどんでき上がってきた時に、「MANZANA」は3曲目と決めてたので、そこまでにいい助走ができる1曲はないかな、ということで思い出したのが「Be a Beast」でした。

――ちなみになぜ「MANZANA」を3曲目にしようと思われたのですか?

 やはり自分とってもこの1曲は大きいですし、名刺代わりというか、中間でも後半でもないなと思って。だから大きく入り口を広げて、駆け上がったその先が「MANZANA」になればいいな、と思ったんです。

――1、2曲目とつながっているんですね。

 P-CHOさんにも「この次の曲は『MANZANA』が来ます」というのもお伝えして。そこで「Be a Beast」を途中まで作っていたのを、最後「MANZANA」までうまくいけるように作っていただきました。さらにもう一つ、そこにイントロをつけたいという気持ちもお話し、「Intro」が仕上がったんですけど、まだアルバムタイトルは決まっていなかったので、歌詞はいったん置いておいて。「UNCHAINDE」というタイトルが正確に決まってから、一緒にスタジオに入って歌詞を書いて、という流れになりました。

SWAY(撮影=冨田味我)

SWAY(撮影=冨田味我)

――本当にいろいろな人とのつながりから曲が作られていますよね。「Never Say Goodbye」はEXILE SHOKICHIさんとSALUさんとのコラボ曲です。

 「Never Say Goodbye」はもともと手元にあったんですけど、歌うのだったらSHOKICHIの声がいいなと思ってたんです。そして「Good Vibes Only feat. JP THE WAVY, EXILE SHOKICHI」という曲がリリースされる前に、スタッフさんに「SHOKICHIとSALUとコラボしたいんですよね」という話をしたら「あの二人はもうやってるよ」ということだったので、曲を聴かせてもらったんですよ。その結果、「Never Say Goodbye」くらい明るくてキャッチーな曲を逆にやった方が、その曲とリリースも近いし、いい対比になるのかなと思って。SHOKICHIの声の明るさをこの曲で活かすことができると思うし、逆にSALUくんは自分名義ではきっとこういう曲はやらないと思うので、SALUくんにとっても何か新しいステージになってもらえたらうれしいなと思って。この1曲を3人でやることになったんです。

――9曲目の「NAKED」はパンチのあるナンバーです。

 これもまた1つのチャレンジでしたね。キーも自分にとってすごい高かったので。でもこの曲のレコーディングのときはボイトレも重ねていて。スタッフさんが「キー下げる?」という優しさを見せてきたんですけど(笑)、「いやこれはこのまま行ってみましょう」と。SWEEP先生のおかげで、結果的に乗り越えられて。そのスキルまで自分が達していた喜びを得た1曲ですね。

――ボイトレの成果がよくわかる1曲なんですね。

 ええ。そしてもともと曲を作ってくれたKM-MARKITくんは僕の大好きなラッパーで、10代の時からずっと聴いていた方なので、彼と一緒に楽曲をできたというのもうれしいですし。KM-MARKITくんのラップディレクションがすごく凝りまくっていて。僕は通常ハイトーンというか、そういうラップのアプローチだったんです。でも今回KM-MARKITくんの曲に関しては、重めなラップにしたいというので、なかなか出すことのないエリアの声でラップして、と言われました。そして1つ1つの言葉の表現やアクセントの置き場所など、自分ではあまりやらないKM-MARKITくんの節が詰まったラップだったので、これはやっていておもしろかったです。自分のレコーディングしているブースからKM-MARKITくんの姿が見えるんですけど、どれだけ彼が「あ、いいじゃん!」という顔を見せるか。自分の中ではそこで戦ってました(笑)。ダメだった時は、「あーっ!」という顔をするんですよ。今ダメだったんだ、みたいな。

――正直な反応はドキドキしますね。

 でも、めちゃめちゃそれがおもしろかったですね。本当に休憩なしで夢中になってレコーディングをやらせてもらったので。KM-MARKITくんも終わってから「いやあ、楽しかった」と言ってくれたし、すごい良かったなと思いました。タイトル通り、裸でぶつかり合いましたね。

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SWAY(撮影=冨田味我)

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