イメージは愛の使者、楠田亜衣奈 7つの“愛のカタチ”音楽に
INTERVIEW

イメージは愛の使者、楠田亜衣奈 7つの“愛のカタチ”音楽に


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年07月28日

読了時間:約13分

まだ未完成のウェディング・ソング

楠田亜衣奈

──「ただいまを歌おう」は、壮快さのあるロックサウンドですね。

 こういうロックサウンドは、1枚目のときから毎回1曲は入っていて。この曲は“地元愛”がテーマです。ライブをやると、毎回“ファンのみなさんの元に帰ってきたな〜”という感覚になるし。

 今回のツアーで行く場所は、イベントやお仕事などで1度は行ったことのあるところばかりなので、「ただいま」って言えたら、それもある種の“愛”になるかなと思って。

──楠田さんの地元は千葉ですけど、地元に帰ったりしますか?

 去年か一昨年に小学校のときの友だちと、通っていた小学校や中学校を見に行ったことがあります。当時とはまったく風景が変わっていて、もともとあった家の周りが昔は畑だったんですけど、再開発で畑ではなくなっていて。「ここは、昔はこうだったね」とか、「ここには何々が立っていたよね」とか、懐かしい話を楽しくしながらも、変わってしまっていることの寂しさも感じました。

 私の地元は千葉だから、東京に住んでいてもあまり上京してきた感覚がないんですけど、もっと遠くから上京してきた人は、この曲を聴いてどんなことを思い出すのかな〜って思いながら歌いました。

 あと今作の収録曲には、タイトルか歌詞のどこかに必ず“愛”が入っています。この「ただいまを歌おう」はけっこう変化球で、一見入っていないように思えますけど、<あ〜〜>と<い〜〜>と、歌詞に別れて入っています。

──「アイ・アム」は、ゆったりテンポのホッとする感覚の曲。楠田さんご自身で作詞されていますが、曲はどんなイメージで作ってもらったのですか?

 この曲は“仕事愛”か“家族愛”のイメージで、作って欲しいとお願いをして。それであがってきた曲を聴いているうちに今の歌詞が浮かんできて。結果的に仕事愛とか家族愛の歌詞ではなくなってしまって、“自己愛”みたいなものになりました。

 ただこの歌詞を書きながら、ライブで歌っている姿やライブを楽しんでいるファンのみなさんの笑顔を想像していたので、ある意味では“仕事愛”にも通じているし、“ファンへの愛”という部分もあると思います。特に歌詞に出てくる<大好きな光の中>という言葉は、みなさんが振ってくださるペンライトの光をイメージしています。

──本当なら、「アイ・アム・ほにゃらら」と、何か言葉が続くと思うんですけど、“ほにゃらら”には何が入りますか?

 “アイ・アム・楠田亜衣奈”ですね。この歌詞が、いちばん私らしいなって思います。この歌詞を読めば、“くっすんってこういう人なんだ”って、思ってもらえるんじゃないかな。わりと今までの人生を振り返りながら書いた部分もあるし。歌詞にもある通り、なまけ者の部分もあるし、泣き虫の私もいて。だから等身大の私で、飾りもせずに真っ直ぐに書きました。

──<私らしく のんびり歩いていこう>と出てきますし、楠田さんはのんびりした性格なんでしょうね。

 いえ、逆にせっかちですよ。待つのが苦手で行列に並べないし、ちょっとしたことでイライラするし。とにかく自分のペースを乱されるのが嫌なんですよね。

──どういうことでペースを乱されるんですか?

 気持ちを乱されるって言うんですかね。緊張しやすくて人見知りだから、初めて行った場所とか初めましての人がたくさんいる場所だと、緊張して自分が自分でいられなくなります。だからこそ、ありのままの自分のままでいたいという気持ちで、私らしさを保ちながら、のんびり歩いていきたいという願望が、歌詞に表れたんじゃないかと思います。

──また「プラチナデイズ」は、ミディアムで感動的なウェディング・ソングですね。

 愛をテーマにした7曲ですから、その愛の最終的なゴールは、やはり“結婚”かなと思いました。結婚がスタートという考え方もありますけど、結婚すると家族という形に愛も変わると思うから、その分岐点である結婚をテーマにした曲も入れるべきじゃないかと思って。

 作詞のこだまさんからは、「歌詞は結婚を祝う友人目線で書きますか? それとも結婚する本人目線で書きますか?」と聞かれて、軽い気持ちで「本人目線でお願いします!」と言ってしまったんですけど…。すごくいい曲でいい歌詞だけど、結婚した経験がないという点で、100%心底共感することができなくて(笑)。そこは「きっとこういう気持ちになるのかな〜」という想像で歌っています。そういう意味では、この曲はまだ未完成なんですよね。いずれ自分が結婚したときに歌って100%共感できて、そのときに初めて完成するんです!

──楠田さんもやっぱり、結婚願望があるんですね。

 ありますよ。でも結婚したいというよりは、結婚式をしたいです。可愛いウェディングドレスを着てみたいし。本当にみんなが祝福してくれる、あの幸せな空間がすごく好きなんです。昨年は、友人や知り合いの結婚式に出席することが多くて、すごく幸せそうで。本人たちからは、準備がすごく大変だったと聞きましたけど、その大変さを乗り越えた上での式当日は、喜びが溢れていて。結婚って素晴らしいものだなってつくづく思いました。

 でも結婚って、本当にすごいことですよね。自分たちだけの問題じゃないし、いろいろな覚悟が必要で。そういう覚悟をしたいと思える人と出会うことは奇跡です。だって圧倒的にすれ違う人のほうが多いわけで、出会える人数で言ったらだいぶ限られますよ。そんな中で、そういう相手を見つけるのは、すごく難しいです。…って、別に負け惜しみを言ってるわけじゃないですから(笑)。

──ファンの方は、ウェディング・ソングと聞いて、どんな反応を示すんでしょうね。

 どうなんでしょう(笑)。でも応援してくださっている方から、「結婚しました」とか「結婚します」という報告もたくさん頂くんですよ。だからそういう方が聴いて、共感していただけたらうれしいし。ご自分の披露宴でこの曲を流すとか、友人代表でこの曲を歌うとかしてもらえたらうれしいです。

──この曲が完成するご予定は?

 残念ながら、今のところその予定はありません。でもわからないですよ! 出会って1日で、電撃結婚とかがあるかもしれないし。何が起こるかわかりませんから(笑)!

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事