コンセプトは決めない、RAMMELLS 加速する音楽的“感度”
INTERVIEW

コンセプトは決めない、RAMMELLS 加速する音楽的“感度”


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:18年07月17日

読了時間:約16分

劇的に変化した「Sensor」の歌詞

――「Sensor」の歌詞の内容についてお聞きします。「RPG」というフレーズが耳に残ります。

村山 努

真田徹 これは良い曲だなと思ったので、聞き流せないような歌詞にしたいなというのがずっとありまして。リード曲になるという話があったので、サビは一回聴いたら覚えられるような歌詞が出来ればいいなと思っていまして「RPG」という言葉が入っていたりします。本当は全く違う歌詞だったんです。全くというか9割くらいですかね…。それは没になりまして。

――どういった内容の歌詞だったのでしょうか?

真田徹 1990年代にちょっと売れたクラウドベリー・ジャムというスウェーデンのバンドが好きなんです。そのバンドは、スウェディッシュ・ポップでカーディガンズみたいな色で同じ系統なんですけどカーディガンズより売れていないという。僕の中ではカーディガンズのボーカルよりクラウドベリー・ジャムのボーカルの方がセンスはあると思うんです。バンドとしても好きですし。クラウドベリー・ジャムは今普通に暮らしているんです。Instagramのフォロワーも300人とかで、どちらかといったら普通というか。だから「才能」と「売れる」ということはそんなに関係ないのかなと。

――同系統のスウェディッシュバンドのカーディガンズは世界的なセールスがあるけど、それよりも才能があると感じるクラウドベリー・ジャムはそこまで激しくは売れなかったと。

真田徹 それと、その人にとってメチャクチャに売れて金持ちになることが幸せではないのかもしれない、みたいな。そういった歌詞を書いたんですけど…。

――今回は見送られたと。その歌詞で聴いてみたいですね…。

黒田秋子 凄くいい歌詞なんですよ!

真田徹 それが没になった怒りを新しい歌詞の三行くらいに入れました。

――真田さんはわりと怒りがエネルギー源?

真田徹 けっこう怒りが原動力です(笑)。

1stアルバム『Authentic』からのサウンドの変化・作曲方法

――今作『take the sensor』のサウンドは、基本的には1stアルバム『Authentic』から引き継がれている?

彦坂玄 そうですね。あそこから作り方をあまり変えずにきている部分もありつつ、新しいことにも挑戦しています。

――鍵盤の音色のバリエーションが増えたと感じます。

黒田秋子 鍵盤を変えたんです。NORDですね。

――デビューアルバムと今作とでの大きな違いは何でしょうか?

村山努 前作が生々しい感じで、音の分離があるという感じだとしたら、今回はちょっとCDらしいというか、音圧とかまとまり方などがけっこう変わったなと思います。

――前作で聴けた、キックとベースのしっかりとした輪郭と音圧感は引き継がれていますね。

彦坂玄 今作はよりロックっぽいというか、ミックスがそういう感じになりましたね。

村山努 2人ともテックさんを入れたりしたんです。ギターテック、ドラムテックを入れて音をちゃんと作ってくれました。

彦坂玄 サウンド作り的に大きいですね。自分が聴いてきたCDのサウンドに近づいてきたという感覚があります。

――ベースの迫力が増したと感じます。

村山努 そうですね。音色も増えたかなと思います。

――「愛のパラリア」は繰り返しブルーノートへ向かうメロディが印象的です。メロディはどのように作っていくのでしょうか?

黒田秋子 先にドラムがあって、<さっきはどうもありがとうね>のメロディが出てきて、それをループしてAメロとか他の部分も出来てきた感じです。

村山努 ドラムだけを打ち込んで、その状態でメロディとコード進行を付けてたよね?

黒田秋子 そうだったね。

――作曲のとき、まずは鍵盤で和音を鳴らしながらなど、どういった形から作り始めるかは決まっていないのでしょうか

黒田秋子 あまり決めていないですね。

村山努 自分の場合は基本的にPCでの打ち込みからです。何から入れるかは決めていないです。

真田徹 僕はコード進行からです。それ以外から作ったことはないんです。

――『take the sensor』の制作にあたって何曲用意しましたか?

彦坂玄 僕は1曲も入っていないですけど3曲用意していました(笑)。

――最終的に収録された6曲は、すんなりと決まりましたか?

村山努 曲を少なくしていって、そこから詰めていって…録る曲を決めてからもっと曲を作り込んでいった感じでした。

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