魔法少女になり隊はこんなバンド、夏の記憶に爪痕残す一撃が完成
INTERVIEW

魔法少女になり隊はこんなバンド、夏の記憶に爪痕残す一撃が完成


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年06月29日

読了時間:約11分

 ポップでラウドでファンタジーなRPG系バンド・魔法少女になり隊が6月20日、4枚目のシングル「■START」をリリース。表題曲は民謡の「アルプス一万尺」のメロディを取り込みTVアニメ『パズドラ』のEDテーマ、タカラトミー「パズドラ モンスターメモリー」TVCMソングに起用されバンド初のタイアップ、しかもダブルタイアップとなった。火寺バジル(Vo)は制作中インフルエンザにかかり意識が朦朧(もうろう)とするなか歌詞を書き上げたという。その制作背景についてや、様々な要素が盛り込まれたカップリング曲についてや、きのこ系の仮タイトルが多いというバンドの謎に迫った。なお、火寺バジルは魔女の呪いによって喋ることができないため、筆談での応答となった。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】※編注=「■START」の「■」は正式には▲の横向き。

インフルエンザの中書き上げた「■START」

火寺バジル(撮影=冨田味我)

――4枚目のシングル「■START」が完成しました。今の心境はいかがですか。

明治 キャッチーで凄く良い曲が出来て嬉しいなという感じです。

――今年に入ってから書いた曲?

ウイ・ビトン そうです。 TVアニメ『パズドラ』のエンディングに決まったのがクリスマスで。

――意外にもタイアップは初なんですよね。

ウイ・ビトン そうなんです。初めてで凄く嬉しくて。

――『パズドラ』の話を頂いてどういった着想で進めましたか?

ウイ・ビトン スタッフさんと僕らとで色々話をして、子供向けのアニメなので、最初に目標としていたのは「わかりやすいメロディを作る」だったんですけど、いつの間にか「みんなが知っているメロディ」に変わって(笑)。候補曲として3曲くらい用意して、その中から今回は民謡の「アルプス一万尺」のメロディを起用した「■START」が選ばれました。

――歌詞のクレジットがバンド名義+あだるとゆうくんですが、みなさんで書いた?

火寺バジル これは私とゆうくんです。知っているメロディだからこそ引っ張られてしまう難しさがありました。だから凄く苦戦して。実は歌詞を書いていた日がインフルエンザに掛かってしまい意識が朦朧(もうろう)としていたんですがふりしぼり出しましたね笑。…。『パズドラ』がちびっ子向けのアニメというのもあって、私達らしさもありつつ小さい子でもわかりやすいのがいいなと。

 運動会というか競争みたいなのをテーマにしていて、運動会などにも使ってもらえたらいいなという気持ちもありつつ、アニメと「何かに向かって勝負している」というところはリンクしていたので、そこを上手く私達らしくわかりやすく書けたらいいなと思って頑張りました。

ウイ・ビトン 共作という点は難しかったんじゃない?

火寺バジル サビの入口は凄く悩みました。繰り返し歌えるのがいいなと思っていたから、一発目からパンチがあって何回も繰り返せるものがいいと思っていたけど、それって何だろうと考えていて。

――今改めて、インフルエンザで朦朧という状況下の中で「よくこんなのが出てきたな」というのはありますか?

火寺バジル 私が書いたのを見せたとき、「いちについて よーいドン!」ではなくて、<いちについて よーいのドン!>になっているところがみんな「いい!」ってなってくれて。それは朦朧としている中で良くできたなと。

――「の」が入ったことでよりポップに聴こえますよね。さて、レコーディングはいかがでしたか?

ウイ・ビトン 僕はギタリストとしては何の問題もなく。ただ、ギリギリだったので事前に注意点を書いたメモを見ながら進めました。あと毎回なんですけど、ベースが難しくて。ウチはベーシストがいないので僕が弾いているんですけど、今後はコラボして誰かに参加してもらうのも楽しそうですね。あとはgariさんのシャウトを録るのがアドリブ感満載で楽しかったです。

gari それ毎回だろ(笑)。けっこう作りながらやっちゃうんですよ。元々あったデモは無視しちゃっいました。今回の「■START」のデモからもけっこう変えてます。何ならバジさんの歌のレコーディングよりも時間がかかることもある。

火寺バジル 私は比較的順調に終わったのにgariさんは3時間くらいかかって(笑)。

――こだわりのシャウトですね。

gari 聴いて「もっといけんじゃね?」となると、もう一丁何か考えてやろうとなるんですけど。歌詞がある所はいいんですけど、歌詞がない追っかけの所とかはけっこうノリのアドリブなので。

ウイ・ビトン それがちょっと楽しくなってきちゃうから…。僕とエンジニアさんとgariさんのベクトルが同じになって楽しんじゃう方向に走って、そうなると大変です。

――シャウトの歌詞で「アルプス一万尺」にも出てくる“コヤリ”が入っているのがいいですよね。

gari 絶対に入れたいと思って。一行目は“コヤリ”を軸に考えました。

火寺バジル ラスサビ前の<コヤリ アルプス イッツ マイ ジョーク>はめっちゃ気持ち良かったです。

gari 「イッツ マイ ジョーク」を「一万尺」と読むというアイディアをバジさんが出してくれて。

火寺バジル そういう英語の文を一つ入れたくて、私が色々検索していて「ラフな英語」みたいのをずっと探していたんです。

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